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G-B-2さん成績開示
2008年度再現答案参加者&合格者のG-B-2さんの成績開示の結果が届きました。 G-B-2企業法
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公認会計士CPA-LAB試験合格体験記集で“再現答案2008:企業法”タグの付いているブログ記事

1問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約14行)

 甲会社が株主Cから自己株式の取得する行為は、たとえ両者間に合意があったとしても他の株主に対しては不公正な取引であり、株主平等原則(190)に反する。そこで、手続きに関し以下のような規制がある。

 甲会社は、取得株式数等(156)、価格(157)、株主への通知(158)について、原則として株主総会特別決議により決定しなければならない(1601項、30922)。これは、特定の株主に有利な自己株式の取得を防ぐためである。また、他の株主にも平等に機会を与えるために、追加請求権も認められている(16023)

 

 

  

 

問2(約16行)

(1)について

 株式併合を用いてCを排除するには、100株超の株式を1株にするような株式併合を行えばよい。これにより、株主は株式の対価として現金等を受け取り、排除される。

 しかし、株式併合は株主が不利益を被るおそれがあるため、株主総会特別決議が必要であり(180条、30924)、加えて取締役はその株主総会で株式併合の理由を説明しなければならない(1803)。また、株主への通知または広告を要する(181)

 

(2)について

 Cは株主総会決議取消の訴えにより、甲会社に対して当該株式併合の効力を争うことができる(83113)。なぜならCの株式数を故意に端数株式にして排除するという行為は会社の権利の乱用であり、著しく不当であるため、このように不利益を被る株主は保護されるべきだからである。

 

第2問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約15行)

 Aが甲会社とする取引が利益相反取引である場合には、Aはその取引について重要な事実を開示し、取締役会(非設置会社の場合は株主総会)の承認を受けなければならない(35612号、3651)。これは、取締役が会社の利益を犠牲にして、自己または第三者の利益を優先することを防ぐためである。

 上記の手続きを経ないでなされた取引の効力については、会社の利益を保護するために原則無効である。ただし第三者に対しては、法的安全性を考慮し、悪意であることを立証しなければ無効を主張できない。

 

 

 

問2(約14行)

 甲会社は監査役会設置会社であるから、取締役会設置会社である(32712)

まず、取引が利益相反取引の場合で取締役会の承認を受けていた場合、取引をした取締役Aと当該取引に賛成した取締役、及び異議を議事録にとどめなかった取締役には任務懈怠責任を負う(4233項、3695)。また、Aが直接取引によって自己の利益を得ようとしていた場合には無過失責任となり、責任から逃れることはできない(428)

 次に、取締役会の承認を受けていなかった場合、他の取締役には監視義務があることから(362)、これを怠っていたならば任務懈怠責任を負う(4231)

 なお、無過失責任である場合を除き、総株主の同意によって責任を免除することができる(242)

 

(感想)

昨年の本試験では、余白がもったいなくて(不安で)余計なことを書いて自滅してしまったので、今年は不安に負けないようにコンパクトな解答を心がけたのですが...そう上手くはいきませんでした。

ところどころ抜けているのですが、極めつけは最初の問題。

財産規制をごっそり忘れていました...仮にも2年目なのにありえない。

試験残り数分くらいで見直しをしていて気づいたのですが、時すでに遅し。

書いたところを修正していては間に合わないので死に物狂いで続きに書き加えましたが、やっぱり間に合いませんでした。

文章が途中で終ってしまうと明らかに変なので、結局追加部分は修正テープで全消し。

内容が簡単だっただけに、一番後悔の残る科目になりました。


ニコルさんは、2008年度CPA-LAB奨学生です。

1問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約14行)

甲会社が、Cから甲会社株式を取得するに際しては、自己株式の取得及び財源規制が設けられている。これは、自己株式の取得は、剰余金配当の性質を有し、資本維持を害すおそれがあることや、株主平等に反すること、会社の不公正支配に利用されること、不公正な株式取引に利用されるおそれがあることなどの弊害があるためである。

 まず取得規制として、甲会社がCから甲会社株式を取得する事は特定の株主からの取得(160条1項)に該当し、株主総会の特別決議(309条2項)が必要となる。この株主総会においては、Cに議決権は認められず(160条4項)、他の株主には売主追加請求権(160条3項)が認められる。これらの規制が設けられるのは、特定の株主からの取得は、特に株主平等原則との関係が問題となるからである。

 次に、財源規制として、甲会社がCから甲会社株式を取得する際に交付する金銭は分配可能額を超える事はできないとされる(461条1項2号)。これに違反した場合には、取締役に欠損填補責任及び金銭支払い義務(465条1項、462条1項)が課される。

 

 

 

(約16行)

 

問2(1)株式併合とは、株式単位を一律に減少させることをいう(180条1項)。株式併合は、株主管理コストの削減等を目的としてなされ、金銭の払込をすることなく株式単位を変動させるものである。

しかし、この株式併合がなされると、端株が生じた場合には金銭で処理されるため、株主の地位喪失の危険があるなど株主に重大な影響があるため、その決定には株主総会の特別決議(309条2項)及び取締役の説明が必要となる(180条3項)。

 本問におけるCの保有株式は100株のみであるため、Cを排除しようとするには、Cの保有する株式が端株となるような併合割合によって株式併合をなせばよい。すなわち、100株以上の株式を1株にするという併合割合にすればよく、AとBの持株比率は90%であるため、特別決議の用件も満たしうる。

2)上述の決議が行われた場合、Cは、当該決議が著しく不当な決議(831条1項3号)であるとして、決議取り消しを訴えることによりその効力を争う事が出来る。

 

 

 

 

第2問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約15行)

Aが甲会社と取引をしようとする場合、当該取引は利益相反取引に該当するため、利益相反取引の手続き規制を経なければならない。

 これは、Aと甲会社が取引をしようとする場合、A自身が会社を代表する場合はもちろん、他の取締役が会社を代表する場合であっても、取締役同士の結託により、会社にとって不利で、取締役にとって有利な取引を容易になしうるため、それを防止するために設けられたものである。

 よって、当該取引につき、甲会社が取締役会非設置会社である場合には株主総会の承認(356条1項2号3号)、取締役会設置会社である場合には取締役会の承認(356条1項2号3号、365条1項)が必要となる。

 この承認を経ないでなされた取引の効力はどうなるのか。明文の規定がないため問題となる。

 この点、取引の相手方が取締役であるときは、当該取締役の利益を保護する必要はないため無効となると解する。しかし、転得者や間接取引の相手方に対して常に無効を主張しうるとするのは妥当ではない。なぜなら、株主総会や取締役会の承認は、会社の内部事情であるため、取引の安全に配慮する必要があるためである。それゆえ、転得者や間接取引の相手方に対しては、これらの者の悪意を主張・立証しなければ無効を主張できないと解す。

 それゆえ、本問の取引につき必要な手続きを経ないでなされた取引は、取引の相手方がAである場合は無効であるが、転得者や間接取引の相手方に対しては、その悪意を主張・立証しなければ無効を主張できない。

 

問2(約14行)

Aが甲会社と取引をした場合、取締役会の承認(356条1項2号3号、365条1項)が必要となる。この場合のA及び他の取締役の甲会社に対する責任は、当該取締役会の承認の有無によって異なる。以下、承認の有無に分けて説明する。

まず、取締役会の承認が無い場合、Aは、356条1項2号3号及び365条1項違反に基づく423条1項の責任を負う。また、損害の推定がなされ(423条3項1号)、当該取引が直接取引である場合には、利益相反性の高さから、無過失責任(428条1項)とされる。また、他の取締役のうち、会社を代表した取締役については423条1項の責任及び損害の推定(423条3項2号)がなされ、その他の取締役も監視義務違反(362条2項2号)に基づく423条1項の責任を負う。

一方、取締役会の承認がある場合においても、Aは、善管注意義務・忠実義務違反(300条355条)に基づく423条1項の責任を負う。この場合も直接取引につき無過失責任(428条1項)を負うことは同様である。また、他の取締役については、会社を代表した取締役及び取締役会の承認に賛成した取締役に423条1項の責任及び損害の推定(423条3項)がなされる。

 

第一問の問22)は時間がなくて書きたいことがほとんど書けなかったのが悔やまれる。


オーさんは、2008年度CPA-LAB奨学生です。

1問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約14行)

本問取引は自己株式の取得にあたる。
自己株式の取得を無制限に認めると会社支配の公正、株主の平等(109)、株式取引の公正、会社の財産的基礎を害するおそれがあることから会社法は各種の規制を敷いている。
まず自己株式の取得に際して財源規制を設けている。(46212号)
更に自己株式の取得をするにあたっては156条各号に定める事項を予め株主総会普通決議で定める必要がある。
自己株式の取得が特定の株主との間で行われる場合には156条の株主総会決議と同時に株主総会特別決議が必要となる(160130922号) 特別決議が必要とされているのは株主間の平等に配慮したためである。 更に特定の株主に自己を売主に加えることを要求する売主追加請求権を株主に付与しなければならない(1602項) その結果特定の株主と売主追加請求権を行使した者に対して通知を行う必要がある。(158条)
また株式取引に関して利益供与が行われた場合は利益供与取締役の責任を無過失としている。(1204)

以上の手続きに違反してなされた自己株式の取得は自己株式取得の弊害を防止するために会社以外の名義であって売主善意である場合など特段の事情がない限り原則無効となる。

 

問2(約16行)

Cを排除するためには101株以上の株式併合手続を行う必要がある。
株式併合にあたっては総会特別決議と取締役の理由説明が必要となる。(18023項、30924号) 特別決議と理由説明が必要とされているのは株式併合によって既存の株主に不利益が生じるためである。
更に併合の結果端株が生じる場合には相当する金銭を株主に対して交付する必要がある(235

株主は資本的貢献度に応じて扱われるため(3091項)Cのような少数株主を保護する制度は整備されているとは言えないが、 本問の場合、取締役A,B83113号の特別利害関係人にあたるため併合に関する総会決議に対して決議取り消しの訴えを提起することが可能と考えられる。

 

 

 

第2問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約15行)

本問取引は利益相反取引にあたると考えられる(35612号)利益相反取引は取締役自身が決議する場合のみならず、取締役同士が結託して容易に 決議の動向を左右し得ることから会社財産の犠牲の下に私的利益を追求するおそれのある危険の高い取引である。 そのような場合に会社の利益を保護するために356条が制定されている。
法文解釈であるが、『自己または第三者のために』とあるのは自己または第三者名義でと解釈する。これは利益相反取引には第三者との取引による場合も含む以上(35613)あえて計算と解する必要がないためである。次に『取引』とあるのは356条の趣旨から会社と取締役の利益が相反し会社に不利益があるおそれのある取引と解する。
以上の条件に該当する場合には重要な事実を開示し取締役会の承認を得なければならない(3561項、4192)
手続きに違反した場合の取引の効力は、本問の場合、手続違反が存在すること及び会社の内部者である取締役との取引であって、取引の安全を考慮する必要がないことから原則通り無効と考える。

 

 

問2(約14行)

利益相反取引によって会社に損害を与えた場合、例え適法に承認を得て行った結果であっても取引の危険性の高さから取締役は通常の責任(423)より過重された責任を負うこととなる。
具体的には自己取引取締役は無過失責任を負うこととなる(428) これは会社の利益の犠牲の下に自己が利益を得ていること及び社会的責任の重さから無過失責任とされている。
次に決議の承認を行った取締役には任務懈怠が推定される(42332)
利益相反取引の危険性の高さから本来の立証責任を取締役に転嫁し会社の保護を図るためである。
最期に決議に賛成した取締役にも任務懈怠が推定される(42333)
同様に取引の危険性の高さから立証責任を転嫁し会社の保護を図ったものである。
ここで言う決議に賛成した取締役とは反対意見を述べなかった者も含まれる(3695)

 

 

感想

自己採点では5割程度だと思いました。

基本的な問題だったので何をどこまで書けばいいのかかなり悩んだ記憶があります。

第二問目は完全に直接取引に絞って書きました。これでよかったのかちょっと不安がありますが総合的に見て他の受験生に遅れは取っていないという印象です。

ゲルマンさんのプロフィール

受験履歴:2007年短答合格
受験回数: 2回(試し受験は含まない)
メインの予備校:TAC
公開模試での最高順位:TAC予備校の公開模試 上位35%



ゲルマンさんは無償応募です。ありがとうございました。

1問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約14行)

 株式会社が自己株式を取得することを無制限に容認すると、資本の空洞化を招く、取得の方法によっては株主平等の原則(109条)に反するなどの弊害が生じる。そこで、会社法は、以下のような規制を設けている。

 第一に、自己株式の取得対価は原則として分配可能額の範囲内でなければならない(461条)。資本の空洞化を防ぐ趣旨である。第二に、株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、取得する株式の数、取得対価、取得期間等を定めなければならない(156条)。自己株式の取得は会社の資本政策の問題であり、株主が重要な利害を有するから、株主総会で決めるべしという趣旨である。第三に、株式会社が特定の株主から自己株式を取得する場合は、株主総会でその旨を定め(1601項)、また、その議決に先立ち、他の株主に対し、自己も自己株取得の売主となることを請求できる旨を通知しなければならない(同条23項)。特定株主からの自己株式の取得は、取得対価如何によっては特定株主を有利に扱うことになるので、株主平等原則からの要請である。なお、株式に市場価格があり、取得対価をこれに基づき決める場合は、16023項の適用はない(161条)。このような場合は、特定の株主を有利に扱うおそれはないからである。

 

問2(約16行)

(1)101株以上200株以下を1株とする株式併合を行うことにより、Cは甲会社の株主でなくなる。このような株式併合が行われると、Cの甲会社持分は1株に満たなくなるが、会社法においては旧商法の端株の制度はなくなったので、当該持分は現金等により清算されることになる。

 株式併合の決定は、株主総会特別決議により行う(180条)。特別決議が要求される理由は、株式併合がなされるとCのような株主でなくなる者が存在する可能性があり、株主にとって重大な影響が及ぶ可能性があるからである。

(2)A、Bは、Cを甲会社から排除するという目的のために株式併合を実行している。この事情は、株主総会決議の取消事由に当たるか否かが問題となる。

 831条は、株主総会決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことにより著しく不当な決議がなされることを決議取消事由としている(3号)。従って、Cは、決議の日から3ヶ月以内に、訴えをもって当該決議の取消を請求することができ、その訴訟において、A、Bが決議に賛成したことにつき、「特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことにより著しく不当な決議がなされ」たと認定されれば、当該決議は取り消され、株式併合は無効となる。

 

 

第2問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約15行)

取締役Aが甲会社を代表し、甲会社とAが取引をすることはいわゆる自己契約となり、甲会社の財産流出の危険がある。また、取締役Aが甲会社を代表しない場合であっても、取締役同士のなれ合い等により、同様の危険がある。そこで、会社法は以下のような規制を設けている。

取締役は、自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするときは、株主総会において当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない(3561項)。甲会社が取締役会設置会社である場合は、ここにいう「株主総会」は「取締役会」と読みかえられて適用される(3651項)。また、当該取引をした取締役は、取引後遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない(同条2項)。このような取引については、株主総会または取締役会の監視の下に行わせようという趣旨である。これらの承認を受けた場合は、民法108条は適用されない(3562項)。

 これらの手続を経ないでなされた取引は、無効である。会社内部者間の取引なので、取引の安全は考慮する必要がないからである。転得者がいる場合は、その者の利益は対抗要件の具備や即時取得等により保護されることになる。

 

 

問2(約14行)

 取締役は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う(4231項)。本問においては、Aは、会社の利益の擬制において自己の利益を図るという忠実義務違反(355条)を犯すことが考えられ、他の取締役については、取締役の職務執行の監視義務違反(36222号)を犯すことが考えられる。

 Aが甲会社と取引したことにより甲会社に損害が生じた場合、Aについてはもちろん、当該取引をすることを決定した取締役及び当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役は、その任務を怠ったものと推定される(4233項)。一般に任務懈怠の立証は困難なことも多いため、このような推定規定がおかれている。

 また、当該取引を自己のためにした取締役(本問ではA)の責任は、無過失責任とされており、かつ、責任免除や責任限定契約についても適用されない(428条)。このように、取引当事者については厳格な責任追及がなされることになっている。

 複数の取締役が損害賠償責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者となる(430条)。

 

 

 

感想

試験はじめの合図があったら、まずは問題を読む。読んで、頭の中をフル回転させながら答案用紙をちぎり、受験番号を書く。第2問の方が書きやすそうだったので、第2問から。70分くらいで書き終わって、残り時間で第1問。時間ギリギリで書き上げて終了。

一応2問とも時間内で書き終えたけど、全体的に条文羅列に終始してしまったのが反省点です。

 

キングヴェテさんのプロフィール

2008年の免除科目;なし
受験履歴:2004~2006短答落ち、2007短答合格(論文科目無し)
受験回数:  5回
(試し受験は含まない)
メインの予備校:単科バラバラで組合せ
公開模試での最高順位:TAC第2回全答練 上位25%

1問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約14行)

会社は、自己株式を数量や目的に制限なく取得できる。しかし、会社の自己株式の取得を無制限に認めれば、①資本維持の原則、②株主平等原則、③会社支配の公正、④株式取引の公正、のそれぞれを害する可能性がある。そこで、会社法は、自己株式の取得に関して、手続規制と財産規制に分けて規定している。

 甲会社がCから株式を取得するときは、まず、手続規制として株主総会決議が必要である(1561)。ただし、株主平等原則における問題から、取締役Cは特別利害関係人として株主総会で議決権を行使できない(1604項本文)。次に、資本維持を確保するための財産規制として、Cに交付される金銭等の帳簿価額が分配可能額を超えることができない(46113)

 さらに、取締役ABは甲会社の発行済株式総数の9割を保有しているため、取締役Cの少数派株主保護を図る必要がある。株主平等原則(1091)に反する決議は原則無効である。また、株主平等原則に違反する場合は、当該決議の無効主張の訴えを提起できる(8302)。さらに、株主平等原則に反しなくても株主総会決議取消しの訴えを提起できる(831)

 

 

問2(約16行)

(1) 株式併合は、ある種類の株式を一定割合減少させる手続である。株式併合は、株主地位の喪失や処分の困難性から、株主総会特別決議を要求し(18021号、30924)、取締役の説明義務も課している(1803)。取締役ABは甲会社の発行済株式総数の9割を保有しているため、株主総会の普通決議あるいは特別決議等までも支配できる。したがって、株式併合における特別決議を支配することにより取締役Cの株式数を甲会社に影響を与ることができない程度にまで小さくしてしまえばよい。

(2) 取締役ABは甲会社の発行済株式総数の9割を保有しているため、資本多数決の原則により、会社の意思を決定できるのは当然である。しかし、多数決の濫用により少数派株主である取締役Cの利益を不当に害する決議を行うことは許されない。したがって、法は少数派株主を保護するために以下の規定を設けている。

 株主平等原則(1091)に反する決議は原則無効である。また、株主平等原則に違反する場合は、当該決議の無効主張の訴えを提起できる(8302)。さらに、株主平等原則に反しなくても株主総会決議取消しの訴えを提起できる(831)。この場合訴えは、対世効及び将来に向かって効果が生じる(838条、839)

 

 

第2問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約15行)

取締役Aは、甲会社に対して善管注意義務および忠実義務(330条、民644条、355)を負っている。したがって、自己の利益を追求し会社の利益を犠牲にしてはならない。しかし、取締役同士の結託による会社にとって不利な取引を行うおそれがあるため、法は3561項により規制している。

 取締役Aは、甲会社との直接的な取引を行おうとしているので取締役会決議または株主総会決議が必要であり、事後報告を要する(35612号、3651)。また、会社との間接的な取引についても同様の規制が課される(3561項3号、3651)

 では、以上の手続きを経ないでなされた場合の当該取引の効力はどうなるか。3561項は会社の利益を保護するために規定であるので3561項違反は無効である。しかし、当該取引の相手方・第三者は、取締役会の承認の有無の把握は困難であり、このような内部的事情により当該取引が無効とされるのは取引の安全性を害する。したがって、甲会社が当該取引の相手方・第三者が無効であることを主張・立証した場合にのみ無効主張できると解する。相対的無効説は、会社の主張を取引の相手方・第三者が無効であることを主張・立証した場合にのみ無効主張できると狭く制限することで、取引の安全性を保護しているのである。

 

問2(約14行)

取締役Aは、甲会社と直接的な取引を行っているため任務懈怠があったと推定され(42331)、損害賠償責任を負う(4231)。この場合、直接取引者であるAは無過失責任を負い(4281)、他の取締役よりも厳格な規定となっている。

他の取締役は、取締役会の構成員として監視義務を負うため(36222)、他の取締役も監視義務を怠れば任務懈怠があれば損害賠償責任を負う(4231)。また、利益相反取引の決定において、取締役会決議で賛成をした取締役は任務懈怠が推定(4233)され、4231項の責任を負う。この場合の責任は、利益相反取引の直接取引者とは異なり、過失責任(4281項かっこ書)とされ、直接取引者よりは責任緩和されている。

 監査役は、独任制のもと、各監査役は取締役の職務執行を監査する義務を負う(3801)。したがって、当該義務を怠れば、任務懈怠により4231項の責任を負う。この場合も同様、利益相反取引の直接取引者とは異なり、過失責任(4281項かっこ書)とされ、直接取引者よりは責任緩和されている。

 

 

 

 

(感想)

第1問の問1で最後の行で少数派株主保護の規定を書いてしまった後に、問2の問題を読んだときはすでに20分前でしたので問1を修正できず、後半3行ほどはかぶってしまったのが悔やまれます。問題をすべて読んでから構成を考える基本の大切さを再確認させられました。普段の答練の感じだと55点くらいかと。

ぴよさんのプロフィール
2008年の免除科目;なし
受験履歴:2007年短答不合格、2008年短答合格
受験回数:  2 回(試し受験は含まない)
メインの予備校:大原
公開模試での最高順位: 2500人中2200ぐらい
最終学歴:会計専門職大学院在学中

1問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約14行)

 会社法は、取得目的に関わらず広く自己株式の取得を目的としている。(155条3項)しかし、これを無制限に認めてしまえば、本問の場合、特定の株主Cのみを優遇することとなり、株主平等原則(109条)に反し、また株式取引の不公正、会社支配の不公正、そして会社の財産的基礎を害するおそれがある。したがって、一定の規制として手続・財源規制が設けられている。

 まず手続規制について、原則自己株式の取得は剰余金配当と同じ経済的実態を有しているため、株主総会の普通決議を要する(309条1項)しかし、特定の株主Cとの自己株式取得については、より株主平等原則を重視すべきであり、株主総会の特別決議を要する。(309条2項)また、特定の株主Cは当該株主総会の議決権を排除され(160条4項)、他の株主においても平等に投下資本の回収機会を与える必要があるため、売主追加請求権を与えなければならない。

 一方財源規制については、自己株式取得は、分配可能額を超えることが出来ないとされている。(461条1項2号)これは、間接有限責任により会社財産を唯一の担保とする債権者を保護するためである。したがって、この財源規制に違反した場合、取締役等は連帯して金銭等を支払う義務を負う。(462条1項)

 

問2(約16行)

(1) Cを排除するためには、単元未満株式の売渡請求を定款でまず定め、その上で、Cが所有する株式数が1単元を満たさないように、株主総会の特別決議(309条2項)を経て株式併合を行えばよい。(180条)

 

(2) Cを排除するための株主総会の特別決議は、会社支配の公平性を害するものであり、この点株主平等原則(109条)に反するのではないかが問題となる。

 そもそも、Cは既に株主としての地位を喪失しており、株主平等原則の適用がないように思えるが、これを認めてしまっては、正義・衡平を趣旨とする株主平等原則が図られない。したがって、株主平等原則の適用は認められ、また不当にCを排除しようとする意志があることから、株主平等原則に反する。

 したがって、この株主総会の決議の方法に重要な瑕疵が認められ、株主総会の取消の訴えができると解する。(831条1項3号)また、この訴えは対世効を有し、将来に向かって効力が生じる。

 

第2問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約15行)

 取締役が自己または第三者のために会社と取引しようとする場合には、当該取引につき事前に株主総会において、重要な事実を開示し承認を得る必要がある。(356条1項2号)これは、取締役が会社の利益を犠牲にして、また他の取締役と結託して自己の利益を優先するおそれがあるからである。また、取締役会設置会社にあっては、承認は株主総会ではなく、取締役会にて行い、事後的にも取締役会への報告を要する。(365条1項)これは、取締役同士による相互監督機能を有する取締役会においてけん制を働かせるためである。

 また、上述の手続を経ないで行われた取引の効力は原則として無効と解する。これは、法が善かん注意義務(355条)に対する具体的規制を設けて、会社の利益保護を図ろうとした趣旨を没却させないためである。

 

 

問2(約14行)

 当該取引により会社に損害が生じた場合、Aとその他の取締役に任務懈怠があり、過失と損害に因果関係があれば、連帯して甲会社に対して損害賠償責任を負うことになる。(423条1項、430条)

 まず、Aは承認を経ているか否かに関わらず、自己のために直接取引を行っているため、無過失責任を負うことになる。(428条1項2項)

 一方、他の取締役については、任務懈怠が推定される。(423条3項)なぜなら、取締役会においては、他の取締役への監視義務を負っているからである。そして、この実効性を高めるために取締役会の招集権が与えられていることから、非上程事項にまでその範囲は及ぶと解する。したがって、取締役会の承認を経ているか否かに関わらず、過失により監視義務を怠った場合は、甲会社に対して損害賠償責任を負う。

 

 

 

 

【感想】

イマイチです。最終日というのでつかれきっていて頭があまり働きませんでした。2問とも、良問だと思います。難易度は標準的ではないでしょうか。

shaさんのプロフィール
2008年の免除科目;なし
受験履歴:2007年短答不合格、2008年短答合格
受験回数:2回(試し受験は含まない)
メインの予備校:大原
公開模試での最高順位:大原予備校の公開模試2489中、上位30%位

1問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約14行)

1 甲会社が、Cとの合意に基づきCから自己株式である甲株式を取得するに際しては、会社法上、特に、取得事由に制限はないが、手続に関する規制と、財源に関する規制が設けられている。

2 まず、手続きに関する規制としては、甲株式会社が、株主であるCとの合意により、有償で取得する場合には、株主総会の決議が必要となる(会社法1553号)。そして、その株主総会決議で、①取得する株式数、②引換に交付する金銭、③株式を取得することが出来る期間を、決定することが必要となる(1561項)。

 ただ、本問の場合、特定の株主であるCからの取得である。そこで、価格の決定(157条)や、株主に対する通知(158条)のほかに、他の株主に対して、特定の株主に自己をも追加することを請求する権利をあたえなければならない(1602項・3項)。

 このような手続に関する規制が設けられたのは、株主平等への配慮のためである。

3 次に、財源に関する規制としては、甲株式会社が、Cから株式を取得できるのは、分配可能額を超えてはならない(46112号)という規制がある。

 このような財源に関する規制が設けられたのは、自己株式の有償取得が実質的に出資の払い戻しで、会社財産の確保に配慮しなければならないためである。

 なお、甲会社が、無償でCから株式を取得する場合には、財源に関する規制には服さない。

問2(約16行)

(1)について

 AとBが株式併合を用いてCを排除するには、まず、株主総会で特別決議を成立させるという手続が必要である(180条・30924号)。そして、本問では、AとBで、1000株中900株を保有しているので、特別決議の成立は見込まれる。そして、その株式併合で100株保有するCを排除するには、101株以上を1株にする株式併合を行う必要がある。

 次に、株式併合には、株主総会で併合を必要とする理由を説明するという手続が必要で、本問では、取締役であるAまたはBがその理由を説明することになる。

(2)について

(1)の併合が行われた場合に、Cとしては、併合の効力を争うために、株主総会の効力を争うという手段をとることができるかが問題となる。

 確かに、決議の内容が法令・定款に反しているわけではないので無効にはならない。しかし、少数派株主を締め出す目的で、特に合理的な理由もないのに株主総会特別決議を成立させて株式併合を行うことは、特別利害関係人が議決権を行使したことによって、不当な決議を成立させたとして、取消原因に当たる(83113号)。

 そこで、Cは、その株主総会決議を取消という手段をとることができる。

第2問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約15行)

1 Aが甲会社と取引をすることは、自己のためか第三者のためかを問わず、会社法35612号の取引に当たる。

 そこで、まず、取引の重要な事実を開示するという手続を経なければならない(3561項柱書)。

 そして、甲株式会社が、取締役設置会社でなければ、株主総会の承認という手続を経なければならず(3561項柱書)、取締役設置会社であれば、取締役会の承認という手続きを経なければならない(3651項)。

 さらに、甲会社が取締役会設置会社であれば、事後的に、遅滞なく、取引についての重要な事実を取締役会に報告するという手続きを経なければならない(3652項)。

 このような、手続きを経なければならないのは、取締役が、会社との取引によって、自己または第三者を利することによって会社に損害を与える恐れがあるからである。

2 このような手続きを経ないでなされた取引の効力については、会社の利益を守る見地から、無効と解すべきである。

 しかし、会社が無効をするためには、承認という手続きを経ていない事実や、相手方の悪意を立証しなければならない。

 

問2(約14行)

1 甲株式会社は、監査役会設置会社であるから、取締役会を置かなければならず(32713号)、Aの他に取締役が2人以上存在することになる。

2 Aは、この取引につき、取締役会の承認を得ていない場合はもちろん、甲会社に対する責任を負うが(4231項)、取締役会の承認を得ている場合であっても、任務を怠ったことを推定されて、甲会社に対する責任を負う(42331号)。

 そして、この取引が、自己のためにする取引であった場合には、任務を怠ったことが自らの責めに帰することができない事由によるものであるとして責任を免れることができなくなる(4281項)。

 このような責任は、総株主の同意で免除されうるが(424条)、自己のためにした取引の場合には、一部免除が認められなくなる(4282項)。

3 他の取締役に関しては、当該取引をすることを決定した場合(42332号)、取締役会の承認決議に賛成した場合(42333号)に、任務を怠ったことを推定されて、甲会社に対する責任を負う。そして、議事録に異議をとどめなかった場合も、賛成したと推定されて(3695号)、責任を負うことになる。

 この責任も、総株主の同意で免除されうる(424条)。

 

 

企業法①

 短答で1問だけ事例が出題され、その問題の正解率が非常に低かったので、もしかしたら事例問題が出題されるかもしれないと予想していました(【論文まであと60日】の記事参照)。

 せっかく事例が与えられているので、数字を意識した答案を書きました。問2(2)は、大原のテキストには載っていないことですが、大原の長谷川暢先生が、「こんな事例もあるよ」みたいなかたちで軽く話していたことがずばり的中しました。

 

企業法②

 監査役会設置会社と書いてあるのが、問題文の柱書ではなく、問2だったことから、問1は、取締役会がある場合とない場合を書く必要があると気づきました。それにしても、素直に取締役会設置会社と書くのではなく、監査役会設置会社は取締役会を設置しなければならないというワンクッションをおいた認定をさせるのもさすがだと思いました。

 問2は、これまた、大原論文総まとめテキストの問題には関連するのですが、直接書いてあるわけではなく、長谷川暢先生が板書にかいた内容が当たっていました。ただ、論点としては的中していても、長谷川先生が考えた事例と問題文の事例が必ずしも一致していると検証できるわけではないので、板書の内容は意識的に忘れて、条文を調べて、問題文を読んで自分の頭で考えたことを優先しました。

G-B-2さん合格おめでとうございます。

成績開示請求の結果

科目 会計学 監査論 企業法 租税法 経営学 総合
得点率 56 50 52 52 49 54
合格者の得点率順位
(合格者3,625人中)
700前後 3000前後 2200前後 3000前後 2100前後 2200前後

1問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約14行)

1.会社法では、自己株式の取得を原則として認めている。(155条)しかし、自己株式の自由は、①会社の財産的基礎を害する②株主平等原則に反する③不公正な株式取引が行われる④不公正な会社支配が行われるといった弊害ある。そのため、会社法では、自己株式の取得について、各種の手続規制及び財源規制を設けている。

2.本問のCとの取引は、株主との合意の基づく自己株式の取得のうち、特定の株主からの取得に該当する。したがって、手続規制として、まず株主総会特別決議において、取得する株式の数、対価として交付する金銭等の内容及びその総額、株式を取得することができる期間を決定しなくてはならない(1561項、30922号)。また、Cは当該株主総会で、議決権を行使することはできず(1604項)、他の株主は、自己も売主に追加することを請求することができる(1603項)。

また、財源規制として、当該自己株式の取得は分配可能額の範囲内でなければならず(46112号)、係る財源規制に反した場合には、決定をなした取締役は責任を負うこととし(46211号)、その責任を強化している。

 

 

 

 

問2(約16行)

(1)   株式併合とは、複数の株式を合わせて一つの株式とすることである。(180条)そのため、株式併合を用いてCを排除するためには、Cの議決権を排除できるような併合割合を決定すればよい。即ち、100株より大きい単位の株数を1株とする株式併合を行えば、Cの議決権は排除されるため、そのような併合割合の株式併合をすればよいのである。

(2)   株式併合をなすには、株主総会の特別決議が必要となる(1802項、30924号)。そのため、Cはまず当該株主総会で係る株式併合を否決するべきである。しかし、Cの議決権比率より、当該株式併合は可決されるので、可決された後には、当該株主総会の決議が著しく不公正であるとして(83111号)、株主総会決議取消の訴えを提起すべきである。そして、判決が確定したら、当該取消の効力は対世功を有し(838条)、またその効力は遡及すると解する(839条参照)。

さらに、Cは当該株式併合をなした取締役の解任を議題として、株主総会を招集し(297条)、否決された場合には、解任の訴えを提起することができる(854条)

 

 

第2問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約15行)

1.               Aが甲会社となした取引が利益相反取引に該当する場合には、Aは事前に取締役会の承認を受けなければならず(356123号、3651項)、事後的にも重要事実を取締役会に報告しなければならない(3652項)。取締役が、会社の利益を犠牲にして、自己又は第三者の利益を図ることを防止する趣旨である。

2.               そして、係る手続きを経なかった場合の取引の効力であるが、法が利益相反取引を規制した趣旨に鑑みると、相手方の善意・悪意を問わず無効であると解する。しかし、直接取引の転得者や間接取引の相手方が存在する場合には、取引の安全に考慮する必要があるため、甲会社は、相手方の悪意を主張・立証した場合に限り無効を主張できると解する。

 

 

問2(約14行)

Aの取引が、利益相反取引に該当する場合には、A及び当該取引を承認した取締役には任務を怠ったことが推定される(4233項)。したがって、当該推定される任務を怠ったことと、会社の損害に相当因果関係が存在する場合には、A及び他の取締役は423条に基づく損害賠償責任を負う(4231項)。当該責任は、過失責任であり、また連帯債務とされる(430条)。さらに、Aが自己のために直接取引をなした場合には、Aの責任は無過失責任とされる(4281項)

 

 

 

 

 

感想

企業法については、標準的な問題であったのかなと思います。

1問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約14行)

 甲会社がCとの合意に基づきCから株式を取得するのは自己株式の取得にあたる。ここで自己株式を取得することで会社の財産的基礎を害するおそれがあり、株主平等原則が害されるおそれもある。さらに会社支配の公正を害し、株式取引の公正を害するおそれもある。そこで会社法では以下のような規制を設けている。

 まず会社の財産的基礎が害されるのを回避するため財源規制が設けられている(461条1項2号)。さらに156条、157条に関する事項を決定し、それを株主に対し通知しなければならない。また、当該取引は特定の株主Cとの取引である。よって、これらの決議を株主総会特別決議により行わなければならない(160条1項、309条2項2号)。これは、特定の株主に特に有利な金額等で取引されることにより既存の株主の利益を保護する必要があるからである。さらにこの場合、特定の株主Cに株主A,Bは自己をも加えたものとする売主追加請求権を認める(160条2項、3項)。これは他の株主にも投資回収の機会を与える必要があるからである。

 

 

 

問2(約16行)

1)株式併合を用いてCを排除するには、具体的には200株を1株に併合する等の方法がある。これにより株主Cは株主としての権利を失うことになりCが排除されることとなる。ここでCは1株未満となった株式の対価を現金等により受け取るのみである。

 これらの取引は、株主としての地位を失う等、既存の株主の利益を害するおそれがあるため株主総会特別決議が必要である(180条2項、309条2項4号)。さらに180条2項に関する事項を定め、取締役はその株主総会においてその必要性を説明しなければならない(180条3項)。そして、これらは株主等に通知されなければならない(181条)。

2Cが株式併合の効力を争い否定するためには、当該株主総会の決議を否定する必要がある。ここで、法的安定性を保つため株主総会決議の訴えは一般原則による訴えを制限し特別の訴えである株主総会無効不存在確認の訴え(830条)、株主総会決議取消の訴え(831条)が認められ、両者は瑕疵の程度により区別される。

 ここでCが訴えをする場合、その一連の併合の手続きに瑕疵があればよい。そのため手続きに瑕疵があればその程度により訴えが認められ、効力を争うことができる。

 また、手続きに瑕疵がない場合でも、Cは少数派株主であり、多数決により不利益をこうむる可能性があるため保護されなければならない。ここで株主ABはこの決議において特別な利害をようする者であるため、株主Cはその決議が著しく不当である場合には831条1項3号により、その効力を争うことができる。

第2問答案用紙<1>

(企業法)

問1(約15行)

 甲会社とAの取引が利益相反取引にあたるかどうかでその法律関係は異なるため、それに該当するか否かが問題となる。

 ここでAが甲会社と直接取引をすることになる。利益相反取引とは、取締役が自己または第三者の名義で株式会社と取引をすることをいう(356条1項2号)。これは自己または第三者の名義と定義することで取引の対象が明確になり法的安定性を保つことができるからである。またこの場合に会社と取締役の利益が相反するといえる。よってAの名義で会社と取引をしている場合には当該取引は利益相反取引に該当するといえる。

 利益相反取引にあたる場合には取締役会決議において、取引の重要な事実を開示しその承認を得なければならない(356条1項)。これは取締役と会社の利害が衝突するため会社の利益を保護する必要があるからである。

 これらの手続きを経ないでなされた場合、原則無効である。なぜなら会社自体の取引であるため無効として利益を確保するほかないからである。ただしその法的安定性から善意の第三者は例外的に有効となる。

 利益相反取引にあたらない場合は上記のような規制はない。

 問2から甲会社は監査役設置会社であるため取締役会設置会社である。

問2(約14行)

 株式会社は所有と経営の分離により取締役にその権限が一部委譲されている。所有者である株主と取締役には利害が衝突するおそれがある。よってAを含む取締役は法令で明文に規定されている任務の他、株主利益最大化を図るための善管注意義務(330条)、忠実義務(355条)を負う。ここで取締役に責任追及する場合には上記の任務懈怠が生じている必要性がある。そしてその責任はこれによって生じた損害を賠償する(423条1項)。

 利益相反取引にあたる場合は、甲会社と直接取引したAはその取引によって甲に損害が生じたときはその任務を怠ったと推定される(423条3項)。また他の取締役のうち当該取引をすることの取締役会の承認の決議に賛成した取締役についても任務懈怠が推定される。そのため423条1項の責任を負うこととなる。また、他の取締役で任務懈怠がある場合にも同様に責任を負う。ただしAについては取引の当事者であり、会社の利益を害し自ら利益を得ているおそれがあるため428条によりその責任は逃れることができない。

 ここで取締役Aが独断で当該取引を行った場合についてはAは上記と同様の責任を負う。この場合、その他の取締役に任務懈怠があったかどうかが問題となるが、他の取締役には362条の監視義務および単独で取締役会を招集できる(366条2項)ことから能動的監視義務を負うため、会社に損害が生じた場合には上記度同様に責任を負うこととなる。

 また上記任務懈怠は取締役の解任の正当事由に当たる。

 

感想 

問題自体も簡単な問いになるってのはTACの先生も言ったし、機関と組織再編は重要度の高い論点だと聞いていたので、十分対応できました。細かいとこは抜けてるので、それがどこまでみんなは書けてるかで勝負は決まりそうです。

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