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enferその2-テレビを捨てて始まった会計士試験
本文より--------------
問題を「無機的に解放パターンで解く」学習方法は絶対にしてはいけない。
今振り返ると、管理会計論の勉強方法として、このような回転数重視の方策を採用したのは、失敗だったと思います。
3-3 管理会計論
(1)答練の成績推移
答練 | 素点 | 平均素点 | 偏差値 | 順位 | 判定 |
基礎1 | 52 | 50.4 | 45.6 | 2169/3206 | E |
基礎2 | 34 | 39.5 | 49.7 | 1298/2700 | E |
基礎3 | 36 | 51 | 43.3 | 1844/2547 | E |
基礎4 | 48 | 49.4 | 53.1 | 886/2306 | D |
応用1 | 50 | 48 | 52.8 | 932/2316 | D |
応用2 | 41 | 47.3 | 49.1 | 1153/2176 | E |
全答1 | 30 | 46.2 | 40.9 | 2729/3392 | E |
直答1 | 58 | 54 | 54 | 753/1986 | C |
直答2 | 47 | 51.7 | 51.1 | 864/1804 | C |
直答3 | 54 | 61.8 | 45.4 | 1184/1692 | D |
直答4 | 51 | / | |||
全答2 | 47 | 42.1 | 54.3 | 1042/2935 | C |
(2)-1 入門期
使用教材:トレーニングシリーズ管理会計2・3・4(市販、あつく回転)
レジュメ、問題集(TAC配布)、日商簿記検定1級トレーニング工業簿記(市販)
実力テスト:データ紛失しました。(申し訳ありません)
入門期は2月から3月にかけて、
・日商簿記1級の工業簿記の問題集を、それ以降は
・トレ管の2、3、4
を繰り返し解きました。
学習範囲としては、費目別~財務諸表分析までのいわゆる入門論点です。ノートにいちいちBOX図を描きながら、正確に、素早く解答できるように心がけました。
実力テスト前には対応する範囲のTAC配布の問題集を1~2回転しました。今振り返ると、管理会計論の勉強方法として、このような回転数重視の方策を採用したのは、失敗だったと思います。
なぜなら、問題をパターン化して記憶してしまい、会計士試験では当然のように出題される”ちょっとひねりのある問題”に対応できなくなってしまったからです。入門期は簿記ほどではありませんが、管理会計にもそれなりの時間を割いておりましたが、結局上級へ行ってから答練で痛い目に会いました。
この入門期のパターン化癖は、短答直前期に学習方法を見直すまで直すことができず、試行錯誤の繰り返しでした。
もし本稿をご覧になっている入門生の方がいらっしゃいましたら、
問題を「無機的に解放パターンで解く」学習方法は絶対にしてはいけない
ということを忘れないでください。復習の際は必ずテキストを見て
「何故このようなBOX図を作るのか」
「何故このような計算になるのか」
「何故このような計算方法が必要なのか」
「この方法を採ると、何が良くて何が悪いのか」
ということを常に意識して、入門期は時間がかかっても構わないので、じっくり取り組むようにしてください。電卓バカになったらおしまいです。
(2)-2 上級期(全答1回目まで)
使用教材:テキスト(たまに見るだけ)、上級問題集(TAC配布)、アクセス、基礎答練
上級期は管理会計にはあまり時間を割きませんでした。上級論点も先生のレジュメを読んで、問題を数問解いて分かったつもりになっていました。
その結果、答練の成績は惨憺たるものでした。
基礎答練第3回あたりから、危機感が増し成績をあげるために試行錯誤しました。普段あまり手をつけていなかった上級問題集をやってみたり、テキストを熟読してみたりしました。
それでも成績は伸び悩み、全答練第1回では過去最低点を叩き出し、途方に暮れていました。
上級の序盤こそサボっていましたが、入門期や上級の応用答練の時期などは他の科目よりも勉強していたと思います。それでも中々点数が伸びず、この時期は打開策を模索していた時期でした。本稿を執筆している現在においてもその原因は明確には分かりませんが、私の推測では、前述のとおり問題をパターン化していたこと、そして、ケアレスミスが多かったことであると思います。
(2)-4 短答直前期(全答1回目後短答本試験まで)
使用教材:テキスト(不明点を確認するのみ)、アクセス(基礎期、上級期)
各種短答答練(あつく回転)
論文式答練で点数が伸び悩む管理会計でしたが、それでも短答式答練では、それなりに良い点数はとれていました。短答総合答練は財務会計より管理会計の方が成績は良かったです。この時期に実施したことは、
(1)できるだけ毎日アクセスを1問解くこと、
(2)計算が曖昧なものについてはExcelでリストアップし、該当する答練や問題集の問題を解いて不明点をつぶしていくこと、
(3)短答答練を時間内に正答できるように繰り返し演習すること、
の3点しかしていません。
特筆すべきは①のアクセスの活用方法です。私はこの時期にアクセス管理会計論を解くにあたり、敢えて時間を計らず、どっしり腰を据えて「完璧な答案」を「自力」で作成することを目指しました。時間がいくらかかってもよいから、自分の理解を理論問題や応用問題で表現できるように取り組みました。数字が合わなければ合うまでやります。理論も丁寧に丁寧に書きました。
この取り組みの結果が、短答式全答練や短答式本試験に直接的に結びついたかは分かりませんが、論文直前期の直前答練や、論文式本試験につながったと思います。
(2)-5 論文直前期(短答翌々日~論文本試験まで)
使用教材:アクセス(上級期)、答練
論文直前期になると、管理会計は基礎答練の時ほど足を引っ張らないようになってきました(それでもかなり低い水準ですが・・・)。
この時期はアクセス、答練のみしかやっておりませんが、取り組み方は短答直前期と同じようにどっしりと構えて丁寧にやるというスタンスです。
但し、さすがに本試験も近いので、時間配分などを意識するために時間は計りました。このように書くと矛盾しているようにも見えますが、ここまで来ると意識の問題です。日々のアクセス、答練の復習を”あわてずに”解くこと。この時期はこれが全てです。そして、これ以外には何もやっておりません。
3-4 監査論
(1)答練の成績推移
答練 | 素点 | 平均素点 | 偏差値 | 順位 | 判定 |
基礎1 | 76 | 71.6 | 55.7 | 1199/3656 | C |
基礎2 | 65 | 67.4 | 48.7 | 1298/2700 | E |
基礎3 | 87 | 63.9 | 60.6 | 299/2607 | B |
基礎4 | 78 | 61.6 | 61.7 | 232/2443 | B |
応用1 | 77 | 64 | 59.7 | 378/2553 | B |
応用2 | 79 | 67.1 | 57.3 | 572/2334 | C |
全答1 | 66 | 45.8 | 65.4 | 143/3385 | A |
直答1 | 59 | 53.5 | 56.3 | 560/1930 | B |
直答2 | 63 | 49.3 | 65.2 | 82/1704 | A |
直答3 | 63 | 66.1 | 48.7 | 943/1558 | D |
直答4 | 70 | 55.3 | 71.9 | 5/1216 | A |
全答2 | 53 | 40.7 | 62.1 | 318/3018 | A |
(2)-1 入門期
使用教材:レジュメ、テキスト
実力テスト:データ紛失しました。(実力テストってありましたっけ?(笑))
これまでの3科目は「入門期が大事である」と言い切って、自ずと入門期の記述も長くなってしまいましたが、監査論に関しては、”私の場合は”入門期はほとんど勉強しておりませんでした。1.5L本科の場合、監査論入門基礎期が始まるのが9月に入ってからであり、できるだけ(特に理論科目は)夏上級をとろうと計画を立てていた私にとっては、8月末から始まる監査論夏上級をとってしまうと、入門と上級がかぶっている状態になります。このため特別に入門期の学習範囲に焦点を当てた学習はしておりません。
但し、誤解していただきたくないのは、「入門期はスルーでOK」ではないということです。私は学習計画の都合上入門期の学習が手薄にならざるを得なかったため、その分上級期の勉強を頑張ることでカバーしましたが、本質的には監査論でも入門期が大切です。これを忘れないでください。
(2)-2 上級期(全答1回目まで)
使用教材:テキスト(たまに見るだけ)、レジュメ、暗記カード
財務諸表論同様、基礎答練の第1回と第2回はほぼ準備なしで挑みましたが、やはりそれなりの結果しか残せませんでした。
そこで、上級講義で配布される中里先生のレジュメの全ての論点を講義後にWordでまとめ、暗記カードに落とし込み、「毎日」暗記です。
このように言うと、財務諸表論の勉強方法と同じだと思われるかもしれませんが、本当に同じです。
また、これに加えて、テキストは要約されており情報量が少ないと判断したため、資料集を「毎日」1日1号熟読しました(9号、29号、30号、35号、平成14年改訂前文など長いものについては数日に分けて読みました)。
監査基準や委員会報告書に込められた「思い」を肌で感じるためには原本に当たるのが最良の策だと思ったからです。まさに「急がば回れ」ということです。
さらに、資料集を読む際にも、文字を追って読んだつもりになってしまっては全く意味がありません。分かりきっている条文でも、細かい内容でも、常に
「何故そういうことが書かれているのか」ということを意識しながら
読まないと資料集は単なる遠回りになってしまいます。企業会計審議会や日本公認会計士協会の偉い方々と対話するつもりで読むのです。そして、自分なりの理解を資料集の該当箇所の余白に書き込んでいきます。これを何回も繰り返しました。
監査論の場合、財務諸表論と異なり、イメージトレーニングが難しいと思います。そのため、暗記だけだとあまりにも形式的すぎる解釈しかできなくなるおそれがあったので、資料集を”読み込む”ことで理解不足の論点を補填しました。逆に、その分テキストは3~4回読んだだけでほとんど使用しておりません。
参考として、私が資料集をテキスト代わりに使用していた様子を掲載します。
<図>クリックで拡大

(2)-4 短答直前期(全答1回目後短答本試験まで)
使用教材:暗記カード、資料集、各種短答答練
監査論の短答対策は特別なことはしておりません。以下の3つ以外はやっておりません。
・短答答練(総合、直前、全答)で自分に備わっていなかった知識を改めて暗記カードへ
・毎日資料集1日1号
・いつもの暗記
以上を高速回転です。(高速回転といっても資料集はじっくりと読み込みます)
(2)-5 論文直前期(短答翌々日~論文本試験まで)
使用教材:暗記カード、資料集、答練
正直なところ、論文直前期も同じです。上級期のインプットの時期や短答直前期とほとんど学習内容は変わりません。但し、答練を受けるにあたっては、企業法ほどではないものの、素早く下書き用紙に文章構成をしてから書き始めるようにしました。
そして、監査論の問題を解く際には、特に
- 「この問題の作問者は何を聞こうとしているのか」
- 「自分はその問いに対してなにを解答したいのか」
ということを常に強く意識しました。
3-5 企業法
(1)答練の成績推移
答練 | 素点 | 平均素点 | 偏差値 | 順位 | 判定 |
基礎1 | 75 | 53.5 | 61.4 | 341/3069 | B |
基礎2 | 85 | 54.2 | 62.7 | 259/2873 | A |
基礎3 | 67 | 48.1 | 51.4 | 1186/2641 | E |
基礎4 | 93 | 47.7 | 69.5 | 43/2429 | A |
基礎5 | 89 | 57.7 | 65.7 | 78/2261 | A |
応用1 | 72 | 47 | 63.7 | 176/2485 | A |
応用2 | 62 | 49.6 | 50.7 | 1190/2388 | E |
応用3 | 66 | 50.7 | 54.4 | 810/2296 | D |
応用4 | 70 | 53.8 | 55.7 | 623/2095 | C |
全答1 | **** | 33.7 | **** | **** | A |
直答1 | 65 | 44.7 | 52.5 | 755/1864 | C |
直答2 | 76 | 44.3 | 63.4 | 119/1672 | A |
直答3 | 75 | 45.3 | 60.7 | 218/1573 | B |
直答4 | 51 | 50.6 | 41.8 | 1196/1501 | E |
全答2 | **** | 41.5 | **** | **** | A |
****・・・公開模試で成績優秀者に載ってしまったため伏せてあります
(2)-1 入門期
使用教材:レジュメ、テキスト、暗記カード
実力テスト:第1回 88/100点
第2回 96/100点
企業法の学習方法は入門期と上級期で大幅に変更しました。
入門期についは、先生のレジュメ及びテキストに記載されている制度、趣旨、論証について、財務諸表論と同様の方法をとっておりました。
しかし、900条以上ある条文と法律的に問題となる点の論証を全てを暗記カードに落とし込み、それを暗記するのは至難の業です。実際、Wordのフォントを小さくして1枚のカードに詰め込んでも、入門期終了時点でカードが400枚以上に上ってしまいました。入門期~上級期の狭間である8月には、商法、証券取引法を含む全てのカードの暗記は達成し、入門論点(の暗記)は完璧にマスターしていました。
しかし、8月下旬2006年度の本試験を見て、「暗記はして知識はあるが、それを使いこなして自分なりに論証できない」ということに気づき、上級期には勉強方法を大幅に見直すことにしたのです。
企業法が、監査論や財務諸表論とは大きく異なるのは、緻密でかつ一貫した論理構成により、比較的長文を書かなければならないという点です。
したがって、出題可能性のある論点問題の回答を丸暗記したところで、「考えさせる問題の出題」を標榜する昨今の制度改正において無意味であると思いました。
ただ、結果論ですが、ガチガチに暗記した知識は時間の経過と共に徐々に地ならしされて、論文を書く上での材料となりましたし、短答対策をそこまで頑張らなくても(六法の素読などしなくても)ついていけたと思います。
しかし、やはりこの科目に関しては、暗記はお勧めしません。
(2)-2 上級期(全答1回目まで)
使用教材:レジュメ、問題集
企業法という科目は、他の科目に比べて入門期からの上積みが少ない科目です。ですから、上級で新たに学習した論点や制度を除き、基本的には入門期のレジュメを「毎日」読み込んでいました。
レジュメの読み込みで注意したのは、条文番号がレジュメ中に出てきたら、分かっている条文でも必ず六法を引くということです。
これには2つ意味があり、
- 第一に本試験に向けて条文の位置付け、条文の構成(特に組織再編など)を頭に定着させること、
- 第二に該当する条文の前後の条文もチラ見しておくことにより少しでも知識を広げること
です。
また、上級カリキュラムが開始されてからはアウトプットの練習も少しずつ始めました。
教材としては問題集を使用し、1日1問を「毎日」文章構成をしました。企業法のアウトプットの練習は時間がかかることから、あまり実施されない方も多いかと思われますが、やはり頭で分かっているのと、それを文章で表現するのは別問題だと思いますので、是非少しずつで構わないので、やってみてください。
時間的にも、初めは時間がかかってしまうかもしれませんが、徐々に本試験に合わせて
答案構成15分⇒解答と突合せ5分⇒足りなかった部分、誤っていた部分の確認20分
という具合にやれば、企業法のアウトプットに限っては40分で済みます。
重要なのはこれを毎日継続することであり、逆に1日40分の時間すら捻出できないというのは怠慢です。あまり日の目を見ることがない問題集ですが、是非活用してみてください。
答練については、場数を踏んで慣れていくしかないでしょう。上記のアウトプットのトレーニングを繰り返し、答練を解いて試行錯誤すれば自然にそれなりのものが書けるようになります。この時期に限らず、企業法の答練ではたまにありえない答案を作成してしまい、E判定やD判定をとっていましたが、C判定以上を「守れた」と表現するならば、成績は比較的安定的であったと思います。
(2)-4 短答直前期(全答1回目後短答本試験まで)
使用教材:TAC出版肢別問題集(市販、かなりあつく回転)、レジュメ(商法)、各種短答答練
短答対策は肢別問題集と短答答練に頼りっきりでした。この時期の短答科目では短答対策の時間が最も短かったのが企業法でした。具体的には、
- 各種短答答練を解きなおす(全答練後3月末)⇒
- 肢別問題集をとりあえず1回転(2日以内)⇒
- 1.)で分からなかった点を肢別問題集に書き込む⇒
- 自己株式や譲渡承認手続きなど制度がごちゃごちゃしているところは、肢別問題集の大きめの余白に細かい文字で書き込む⇒
- 「書き込み済み肢別問題集を1日100ページ+商法証取法レジュメを1日1回分」のルーティンを2ヶ月間ひたすら繰り返し
です。
愛用の肢別問題集に、短答本試験に必要な情報のほとんどを書き込んでしまい、肢別問題集を回転するだけで、他の教材に手をつけずに済むようにしました。短答本試験前日でも上記⑤のルーティンは継続しておりました。
(2)-5 論文直前期(短答翌々日~論文本試験まで)
使用教材:レジュメ、問題集、答練
なんか論文直前期になるにつれて、本稿の文章が短くなっておりますが、この時期は本当に確認のオンパレードです。したがって、企業法においても例外なく、学習方法も上級インプットの時期(全答練1回目まで)と変わりません。本当に変わりません。
強いて言えば、これまで受けたら解答を一読してそのまま放置していた答練の復習を少ししたくらいでしょうか。上記の方法でも細かい論点がでると弱いですが、本試験で守れるくらいの実力はつきます。
3-6 租税法
(1)答練の成績推移
答練 | 素点 | 平均素点 | 偏差値 | 順位 | 判定 |
基礎1 | 65 | 55.2 | 54.2 | 1126/2715 | D |
基礎2 | 69 | 61.1 | 53.6 | 1021/2373 | D |
基礎3 | 92 | 59.8 | 63.1 | 163/2002 | A |
基礎4 | 76 | 56.8 | 58.9 | 392/1748 | B |
応用1 | 58 | 40.9 | 58 | 415/1734 | C |
応用2 | 78 | 51.6 | 63 | 157/1547 | A |
全答1 | 56 | 37.1 | 59.7 | 587/3210 | B |
直答1 | 62 | 49.4 | 57.1 | 374/1516 | B |
直答2 | 56 | 60.1 | 45.1 | 1040/1473 | D |
直答3 | 51 | 46.9 | 53.2 | 543/1448 | C |
直答4 | 73 | 56 | 57.4 | 367/1395 | B |
全答2 | **** | 37.4 | **** | **** | A |
****・・・公開模試で成績優秀者に載ってしまったため伏せてあります
(2)-1 入門期
使用教材:問題集(TAC配布)、テキスト
1.5L本科の場合、租税法の講義開始は3月末頃だと思います。
しかし、新しく登場した科目に手をつけることを厭う悪い癖がありまして、計算問題をしっかり解き始めたのは5月末くらいからだったと思います。
租税法(計算分野)という科目は私の感覚では、細かい雑多な税法上の処理を覚えていくという感じでした。このように範囲が比較的広く、かつ細かいものについては、特定の時期に集中して詰め込むというよりも、「毎日」少しずつでもいいから問題を解いていくのが最良だと思います。5月末ごろから法人税法を、6月中頃から所得税法、消費税法を通常の復習ルーティンに組み入れ、回転数重視で問題集を何回も繰り返しました。
また、問題を解く際には、単に正答を導き出すことを目的とせず、
「なぜそのような処理をしなければならないのか」
ということを頭の中でつぶやきながら解きましょう。
例えば、
- 「なぜ納税充当金支出事業税を減算しなければならないのか⇒債務確定主義の話」
- 「受取配当金の益金不参入⇒二重課税の阻止⇒所得税法上の配当控除との兼ね合い⇒法人擬制説」
といった具合に、計算方法をインプットするだけではなく、その計算の根拠というか、裏にある思想を遡って意識するように日々の計算問題を取り組みましょう。もちろん入門期からです。そうすれば、本試験の理論も対応できるはずです。
あと、この科目では、所得税法、消費税法の計算を後回しにしがちですが、簿記の項でも書いたとおり、論点の差別は厳禁です。所得税法の計算も入門期にガッチリ固めたため、上級の答練前の所得税法の一夜漬けが非常に楽になりました。また、所得税法は本試験で処理の根拠を説明させることがありますが、上記のとおり、所得税法においても計算演習の際につぶやきながら問題を解くことで、なんとか対応できるようになります。
(2)-2 上級期(全答1回目まで)
使用教材:上級問題集(TAC配布、年内7回転)、テキスト、答練
入門問題集(上級法人税の期間に入門所得消費を実施)
上級においても、やることは同じです。特に租税法は上級での知識の上積みが非常に多く、さらに理論も加わってきます。計算については、教材を上級問題集に変えただけで、入門の時と方法を変えませんでした。くどいようですが、重要なのは「毎日」やること。しかも所得、消費も差別することなく「毎日」やることです。
TACの上級租税法のカリキュラムでは、前半9回の講義が法人税法の講義でしたが、この時期は上級問題集(法人税法)数問と、入門所得数問と、入門消費数問をセットにして、「毎日」やります。
上級所得・消費の時期に入ったら入門には一切戻らず上級の法人、所得、消費をそれぞれ「毎日」やります。それぞれの税法の問題数は少量(法人10、所得3、消費5)程度で構いません(もっと少なくてもOK)ので、「毎日」やることです。上記の他にたまに答練も解いたりしました。それでもやはり、所得の全体的な計算体系などは手薄になりがちだったので、答練前に詰め込みました。
理論については、TACのテキストと先生のランク分けをベースに財務諸表論と同様のアプローチです。もちろんこれも「毎日」ちょっとずつです。
あと、蛇足ですが、消費税法の計算は上級論点の細かいところまで計算過程が完璧に書けるようになるまで指を痛くしてがんばりましょう。
(2)-4 短答直前期(全答1回目後短答本試験まで)
使用教材:なし
この時期は短答に特化していたため、租税法は一切勉強しておりません。
(2)-5 論文直前期(短答翌々日~論文本試験まで)
使用教材:入門(1回転のみ)、上級問題集(2~3回転)
この時期も基本的に同じです。6月は問題集と基礎答練を7月以降は応用答練と直前答練と全答練を繰り返しました。したがって7月以降は問題集には触れていません。ただ問題を解くのみです。これに加えて効率的に計算過程を書くためにはどうすればよいかという工夫もしました(07本試験では無意味でしたが)。
3-7 経営学
(1)答練の成績推移
答練 | 素点 | 平均素点 | 偏差値 | 順位 | 判定 |
基礎1 | 52 | 51 | 47.2 | 1539/2412 | E |
基礎2 | 81 | 57 | 60.3 | 286/2040 | B |
基礎3 | 76 | 58.9 | 60.2 | 243/1780 | B |
応用1 | 82 | 49.5 | 64.4 | 112/1764 | A |
応用2 | 78 | 54 | 59.4 | 294/1507 | B |
全答1 | 52 | 38.3 | 61.5 | 324/2682 | B |
直答1 | 64 | 46.7 | 52.2 | 575/1347 | C |
直答2 | 68 | 53.7 | 62.5 | 132/1231 | A |
直答3 | 70 | 57.8 | 53.5 | 502/1273 | C |
直答4 | 80 | 48.6 | 59 | 247/1238 | B |
全答2 | 48 | 45.3 | 52.1 | 1007/2380 | C |
(2)-1 入門期
使用教材:なし
07目標の経営学はイントロダクションのようなもので、各論には触れませんでしたので、入門期は一切勉強しておりません。
(2)-2 上級期(全答1回目まで)
使用教材:テキスト(ファイナンス論)、暗記カード(組織論・戦略論)
経営学は租税法と並び、短答式試験が課されない科目です。これに加え、学習範囲が比較的狭いことから、後回しにしてしまう方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、またまたくどいですが、論点(科目)の差別は厳禁です。
特に私は経営学に関しては、朝7時にTACに登校してから、アクセスが始まる7時45分までの間に組織論・戦略論の暗記を終え、アクセス終了後にファイナンス論のテキストを熟読する、といった具合に1日の学習を必ず経営学から始めるようにしました。
具体的な学習方法については、組織論・戦略論とファイナンス論の2つの軸を「毎日」回転するという方法です。
前者については財務諸表論とまったく同じアプローチを、後者についてはテキストを中心に読み込み、数値が出てきたらその都度電卓を叩いて確認しました。
但し、経営学の知識は雑多なものが多く、体系だっておりません。このような知識は、いくら詰め込んでもすぐ忘れてしまうという経験則があったので、組織論・戦略論、ファイナンス論共に講義が終わるたびに一旦ノートにまとめて整理しました(下図参照)。
あとは、上記2つの軸を「毎日」回転するのです。今年の本試験ではTACのテキストを信じきって勉強した結果、非常によい手ごたえを得ることができました。また、試験委員の書籍などは、読んでみても良いと思いますが、個人的にはTACの教材だけで本当に十分だと思います。
(クリックで拡大)

(2)-4 短答直前期(全答1回目後短答本試験まで)
使用教材:なし
この時期は短答に特化していたため、経営学は一切勉強しておりません。
(2)-5 論文直前期(短答翌々日~論文本試験まで)
使用教材:暗記カード(組織論・戦略論・マーケティング論)、答練、問題集
この時期は、組織論・戦略論の暗記ものに加え、新試験委員対策としてマーケティング論が登場してきました。やや厚めの論文まとめテキストに、これでもかと言わんばかりにマーケティングの用語と意味が列挙され、詰め込み型教育の最たるものだと若干憤りましたが、合格のためだと思い、マーケティング論の部分はランクに関係なく全て暗記カードに落とし込み、それを2日間で丸暗記しました。一旦暗記してしまえば、あとはこれを繰り返し引き出すのみですので、従前の組織論・戦略論に合わせて直前まで「毎日」暗記です。
一方ファイナンス論については、これまでのテキスト中心の勉強方法から一歩進んで、問題集や答練の具体的数値の導出を練習しました。とは言っても計算自体は他の科目に比べれば処理量も少なく、できるだけ正確に、かつ理論的な背景を意識しつつ計算しました。
経営学は、ただでさえ学習範囲が広い中からTACが重要性の高いものを抽出してくれた結果がテキスト、問題集、答練なのです。ですから、さらにその中からランク分けして、例えば「Cランク論点はやらない」というような対応をとるのは、非常にリスキーだと思います。
TACの教材に記載されている話は凝縮されたものであって、時間がないことを理由にその中のいくつかを切るというのはもったいないでしょう。本年度においても、ブランドエクイティの問題などはまさに切った人はできないものでした。
(その3へ続く)
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