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公認会計士試験に合格するための勉強法 CPA-LAB

2005年 公認会計士試験 再現答案 財務諸表論

第三問答案用紙

(財表1問目)

ハンドルネーム

SHIRO

問122行)

(1)減損損失とは、固定資産の価格や収益性が低下した場合に一定の条件のもとで行われる減損会計により認識された損失をいう。また臨時償却とは、減価償却計画の設定に際して予想できなかった事情により固定資産の機能が低下した場合に、その事実に対応して臨時に行う減価償却をいい、臨時損失とは、災害・事故等の偶発的事情により固定資産の物的な実態が滅失した場合に当該滅失部分だけ帳簿価額を減額する処理をいう。

 三者はいずれも、固定資産の帳簿価額の減額を行う処理であるという点において共通する。しかし減損損失は固定資産の収益性の低下に基づいて簿価を切り下げるのに対し、他二社は収益性の低下自体を問題にしていない点において異なる。また臨時償却は減価償却であるが、臨時損失は減価償却ではない点において両者は異なるといえる。

(2)固定資産に係る減損処理後の会計期間において、収益性が回復した場合の減損損失の戻し入れは禁止されている。その理由は以下の通りである。まず、減損会計においては、見積もりの要素が大きく、主観的な見積もりが行われやすいことから、減損損失の認識判断基準として、固定資産の使用・除却に伴う割引前将来キャッシュフローを用いることで固定資産の減損損失は相当程度確実な場合に限って認識されることがあげられる。また戻し入れを認めれば事務的に過度の負担となることも理由のひとつである。さらに会計基準の国際的調和化の観点も理由のひとつである。

(3)事業用の固定資産は、通常、市場平均を超える成果を期待して使用され、市場の平均的な期待で決まる時価が変動したとしても、固定資産の投資価値が変容するものではなく、また、事業用の固定資産の使用に伴ってキャッシュフローが得られるまでは投資利益は実現したものとはいえない。そのため、時価ではなく、減価償却手続きにより未だ費用化されていない残額で評価し、通常は評価替えを行わない。

 しかし、事業用の固定資産の価格や収益性が低下している場合にまで上述の評価を行えば、損失を繰り延べることになりかねない。これは保守主義の観点等からは望ましくない。したがって、事業用の固定資産の価格や収益性が低下した場合には、それを反映させるための減損処理が必要となる。

問218行)

(1)ファイナンスリース取引とは、ノンキャンセラブルとフルペイアウトの2要件を充たすリース取引である。ここにノンキャンセラブルとは、リース契約上の諸条件に照らして、リース期間の中途において当該契約を解約することができないまたはこれに準じるものであるという要件であり、フルペイアウトとは、借り手が当該リース物件の使用に伴うコストとベネフィットをほとんど全て享受するという要件である。この取引につき設問の処理が要求されるのは法的形式よりも経済的実態を重視するためである。すなわち当該リース取引は経済的実態は割賦購入取引と何ら異ならず、それと同様の会計処理を要求する事で比較可能性及び実態開示に資するためである。また国際的調和化の観点も理由の1つである。

(2)固定資産の部に、備品の取得価額相当額48000千円から減価償却累計額9600千円を控除する形で残額38400が計上され、流動負債の部にリース債務8766千円、固定負債の部に長期リース債務31171千円が計上される。

(3)通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行った場合、賃貸借処理を行う場合と比べて、まず、営業利益の段階で2400千円の差が生じる。すなわち、前者の方法によった場合、販売費及び一般管理費として、減価償却費9600千円、後者の場合、支払いリース料12000千円が計上されるために差が生じる。また経常損益段階では、前者の場合営業外費用として支払利息が3937千円計上されるために、結果として1537千円の差が生じる。ただし、リース期間を通じた場合のリース契約に係る経常損益でみれば両者は一致する。

(4)注記情報を加味すれば経営成績と財政状態に関しては、原則として、賃貸借処理を採用した場合でも、売買取引に係る方法に準じて会計処理した場合と同等の情報を提供することができる。しかし、わが国のリース会計に係る注記情報に関しては、1年基準と重要性基準が認められているので、それが適用された場合には注記はなされないため、このようにはならない。

 一方、キャッシュフローの状況に関しては、注記は要求されていない。賃貸借処理を採用すれば営業活動によるキャッシュフローが12000千円、売買処理を採用すれば、営業活動によるキャッシュフローが3937千円、財務活動によるキャッシュフローが3937千円、計上される。そのため両者において、キャッシュフローの状況に与える影響は異なる。

自己採点:7割弱ぐらいか。

感想:問1の(3)は投資者保護の観点から書けば流れがよかったのかなと今思った。(1)の定義もかなり適当。6割くらいか。全体的に平易な問題。問2の(4)は最初何を聞かれているのかつかめなかった。ほとんど点はこないだろう。

他は無難に書けたのではないかと思う。問1が40点、問2が40点満点とすれば、25+30の55くらいか。


第四問答案用紙

(財表2問目)

ハンドルネーム

SHIRO

問110行)

 個別財務諸表基準性の原則とは、連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従って作成された個別財務諸表をもとに作成しなければならないという原則である。よって、連結財務諸表は、正規の簿記の原則に従って作成された個別財務諸表をもとに作成される。つまり、個別財務諸表基準性の原則は正規の簿記の原則に従って作成された個別財務諸表を前提にしているという関係にあるといえる。

 連結財務諸表においては、親子会社間の会計方針は原則として統一するものとされている。そのため、個別財務諸表においては正規の簿記の原則に従っている場合であっても、連結の観点から、会計方針を変更して個別財務諸表を修正する場合がある。この場合に個別財務諸表は正規の簿記の原則に従って作成されている以上、当該修正は正規の簿記の原則に反するのではないかが問題になるが、連結情報を重視する現在のディスクロージャー制度のもとでは当該修正は、企業集団にかかる情報をより適切に表すものとして認められている。

問212行)

 ストックオプションとは、会社役員、従業員等に対して無償で付与される新株予約権をいう。このストックオプションに関しては発行時に仕訳処理しない考え方と仕訳処理する考え方がある。前者は費用処理すべきでないとする説で、ストックオプションは必ずしも労働の対価たる性質を有していないこと、それを権利行使されても株主間の富の移転が生じるだけで、会社財産の流出を伴わないこと、また見積もりの要素が大きく不確実性が高いこと等を根拠とする。また後者は、発行時に費用処理すべきとする考え方で、ストックオプションはそのほとんどが労働の対価たる性質を有していること、株主間の富の移転・会社財産の流出の有無は費用認識と理論的な関係がないこと、見積もりに関しては適切な基準を設けて対処できること等を根拠とする。また費用認識する後者の場合、費用の相手勘定、すなわち貸方勘定の性質に関して設問の3つの説がある。@の説は、現行制度上、新株予約権を有償発行した場合に、預かり金の性格を有する事から仮勘定として負債の部に計上することとの整合性を根拠とする。Aの説は、ストックオプションは、本来、返済義務のある負債ではない、すなわち将来、経済的便益の犠牲・流出を伴うものではなく負債の定義に合致しないこと、また商法との関係上、現在株主以外の払い込みを資本とすることはできないことからさしあたり少数株主持分との整合性を考慮することを根拠とする。Bの説はストックオプション保有者は将来株主となる可能性のある潜在的株主であること、及び国際的調和を根拠とする。

問310行)

 販売費及び一般管理費は通常、売上高との直接的な対応が困難であることを理由に、会計期間を唯一の媒介として売上高と対応させるべく期間費用として処理される。しかし、長期請負工事に関しては設問にあるような処理が認められている。それは以下の理由による。まず第1に、請負工事に関しては販売費及び一般管理費と売上高の直接的対応がそれほど困難ではない、すなわち収益と費用を合理的に対応させることが可能であるということがあげられる。そして第2に、工事期間が長期に及ぶ長期請負工事において、特に工事完成基準を採用した場合には、工事の完成引渡年度まで一切収益が計上されず、期間利益を圧迫する可能性があるが、これを政策的に回避することも理由の1つである。そして、期末たな卸高に計上する場合に資産としての性質を有するかが問題となるが長期請負工事においては、第三者との契約に基づいており、契約の性質上完成引渡も確実であるから、信頼性のある資産を計上できる。以上のような理由から設問の処理が認められている。

問48行)

 企業が国庫補助金を受け入れて固定資産に投資した場合、これを資本剰余金とすべきであるという考え方はいわゆる企業主体説を前提としている。この説は、利益として処理すれば、その利益が課税対象や分配対象となり、税金で支給されたものが課税対象となり矛盾が生じることや株主への分配は不公平であることを根拠にする。確かに資本剰余金として処理することでこれらの弊害を回避し企業内に資金を留保できる。しかし、わが国においては、企業会計は商法の規制に服するのでこのような処理はできない。すなわち限定列挙と解されている商法上の資本剰余金には国庫補助金の受贈益は認められていないので資本剰余金として処理することができないのである。したがって資本剰余金とすべきとする説の根拠となる弊害を一部回避するためには株主総会において任意積立金として積み立てることになる。

 

自己採点:6割くらい

感想:全体的に平易。だいたい各予備校がヤマにしていたところがでた感じ。今年の財表はみんなできていると思う。

まず、没問が1つもない。唯一第2問の問1が何かいていいのかいまいちわからなかった。TACの答練で連結会社間の継続性の原則がでていたので、それを真似て書いたが問1Aはおそらくほとんど点なし。そんなに難しいことはきかれていなかったみたい。本試験だとやはり何か違う。

上から順に20点満点とすれば10、10、15、10の計45くらいかと思います。全体として100前後だと思います。

 

 

 

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