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l'Agenda pour le Succes-公認会計士試験合格への課題

2008/01/04(金) 企業法の基本書

はてなブックマークの情報 はてなブックマークに登録 はてなブックマーク数 2008/01/12 25:55 プロフィールrouge
 この正月の間、マクドナルドで勉強していましたが、騒がしくなったときとか、集中できなくなったときに、基本書を読んでいました。

1 葉玉匡美「会社法100問(第2版)」
 賛否両論あるようですが、TACのライブの講師は勧めていましたし、大原の自習室でも使っている人を良く見かけるので、どこの専門学校で勉強しているかを問わず、みんなが使っている本だということができるでしょう。
 論文が、司法試験(旧司法試験)の過去問・会計士試験の過去問を中心に100題ほど、短答形式の問題が1200問、ショートアンサー形式の問題とすべて×の選択肢が収録されています。

 短答形式の問題は、肢別チェックの弱点を補うとても良い問題だったと思います。肢別チェックでは、どうしても○の選択肢については、引っ掛けどころがわからなかったり、ボーっと読んでしまいがちですが、すべて×だったり、ショートアンサー形式だったらそのような心配はありません。分量も、4時間程度で終わる量だったのでちょうど良かったと思います。

 論文形式の問題のほうは、ちょっと曲者です。収録されている問題は、過去問が中心なのですが、解答が曲者なのです。この著者の方針(キリン・サイ・オウムの力)から答案が長いのはわかりますが、著者は、答案を通じてかなり一貫した自説を主張しているように思われます。結局、受験生としては、すべてを受け入れるか、まったくその説を無視するかじゃないと論理が矛盾する恐れがあります。この本をベースにしつつも急に一部だけ予備校でならったことを答案に書いてしまったら、その部分について葉玉説を理解できていないことを白状するようなものです。論文対策には使えないと判断しました。
 この本を薦める人がどのような意図なのかはわかりませんが、会計士試験の論文用に使うためなら、この本の内容を予備校ベースに置き換えて、1問あたり900字程度の答案にまとめたレジュメが必要です。

 あえてわがままを言うなら、会社法100問の短答部分だけを別の本にしてくれたらありがたいと思ったのですが、そんなことはないでしょう。そんなことしたら短答部分だけ売れて本体が売れなくなってしまいますから。

2 江頭憲治郎「株式会社法」

 大原の企業法ビデオ講師の長谷川暢先生が、講義の準備に使っていると思われる本です。テキストも江頭「株式会社法」がベースになっているように思います。テキストに書いていないことで、長谷川先生が講義で発言した内容は、たいてい江頭「株式会社法」に載っています。肢別チェックでなかなか鋭い理由が書いてあると思ったら、この本から引用されていたりします。
 はしがきにもあるとおり、受験生よりも実務家を対象に書かれているようです。会社法のことだけでなく、隣接する法分野のことや比較法のことも豊富に書かれています。フランスやドイツの最低資本金制度のことまで書いてあり、「へぇー」と思ってしまいました。
 この本で残念なのは、「株式会社法」という名のとおり、持分会社についての記述がまったくないことです。実務家対象ということなので仕方がありませんが、非常に残念です。あと、縦書きなのと、分厚すぎるのも困ります。
 公認会計士試験のための参考書としては、必要な部分を探して読むとか、大原の講義を思い出しながら読むというかたちになりますが、通読することで会社法の奥深さと幅広さがわかって、モチベーションのアップができました。

3 弥永真生「リーガルマインド会社法(第10版)」

 元試験委員の著書です。ひたすら受験に徹した基本書だと思いました。制度の構造や視点を示したうえで、答案に書きやすいように記述されています。「商法総則・商行為法」にくらべると理由付けが洗練されていないところがありますが、最初に視点や構造を示しているし、それでよしとしているのかもしれません。図解や表も多く使われているのも他の基本書にない点ですが、若干ごちゃっとしていると思いました。ちょうど読みこなせそうな厚さ・分量であることも、使いやすく感じる理由のひとつです。
 あと、非常に徹底されていると感じたのが、改訂のタイミングです。ほとんど9月から11月に改訂されていますが、これは旧司法試験・公認会計士試験の合格発表と重なることを意識しています。著者の立場からすれば、合格発表にあわせることで、売り上げを伸ばさなければならないし、受験生の立場からすれば、答練の始まる時期にきちんと基本書が欲しいわけですから、双方のニーズがぴったり一致しているわけです。
 著名な学者の多くが、完璧主義というか、自説をきちんと整理して完成していないと書物を世に出さないという考え方を持っています。しかし、受験生にしてみれば、多少ごちゃっとしていようが、完成度が低かろうが、基本書がないという事態が一番困るわけです。そういうわけで、「受験に徹した基本書」なのかもしれません。
 
4 弥永真生「リーガルマインド商法総則・商行為法」

 こちらも、「リーガルマインド会社法」とおなじコンセプトのはずですが、かなり読みやすかったです。商法総則・商行為といえば、どうしても「短答論点」として、「細かい」とか「暗記」に走りがちですが、民法と対比しつつも、理由付けをしっかりと示されており、単調な短答対策に走らずにすんだと思います。図や表も豊富に用いられており、似たような制度の比較も理解しやすかったです。
 典型的な選択肢の場合だったら、機械的な「暗記」が威力を発揮しますが、すこし応用的なきき方をされたとき、ど忘れしてしまったときなど、ピンチのときに助けになるのが「理解」です。「暗記」「理解」いずれも必要だと思います。