メッセージ欄
2008年12月の日記
▼ 2008/12/31(水) (合格体験記)成績開示
1 はじめに
成績開示請求について、少しずつ書いて、なんとか実況完了しました。手続進行にしたがって随時更新してきたので、文章が少し変になっていますが、ご容赦ください。
賢い人(成績それ自体と開示請求手続きの双方)が、ごくごく普通に(「常識的に、過不足なく」という意味です。)請求した結果を公開したようなので、参考にさせていただき、追加しました。ほかにも、成績開示について触れたブログをいくつか参考にしています。
賢い人のごくごく普通の請求手続(「常識的に、過不足なく」という意味です。)と、賢い人の成績結果(「aとbが並んでいて、3600人中の90番台」という意味です。)を見たければ、http://cpalab2.blog78.fc2.com/blog-entry-94.htmlが参考になると思いますが、残念ながら再現答案のある昨年分や大問ごとの成績は公開されませんでした。簡単な自己採点と感想は、残っているようです。
素点で5割もいかない人が合格者の70%近くを占めるような試験らしいので、苦笑するしかないのですが、受かれば皆、横一線でのスタートです。だからこそ、受験地を求めて彷徨い歩くとか、選択科目を民法に変えるとか、もう少し「愚策」に気を回していれば、偏差値0.1未満の差で落ちることはなく、賢い人になる前に、あと1年早く合格されていたことでしょう。
2 手続の概要-開示請求と開示の実施は別の手続です。
必要な文書は、「公認会計士試験受験者管理ファイル」(http://gkjh.e-gov.go.jp/servlet/Ksearch?CLASSNAME=KJNMSTDETAIL&seqNo=0000002327&fromKJNMSTLIST=true)です。①「開示請求」と②「開示の実施」という2段階の手続が必要になる点に注意が必要です。
それから、平成18年以降に受験したのであれば、試験結果(合格・不合格・科目合格)にかかわりなく請求でき、不合格者・科目合格者に送付される成績通知よりも詳細な情報が入手できます。
【注意:請求する際には、18年、19年、20年の区別をする必要があります。複数年分を請求する際には、それぞれ手数料がかかります。http://blog.livedoor.jp/rikutosimasima/archives/51548065.html 俄然がんばぬさん、ありがとうございました。】
行うべき手続としては、「保有個人情報開示請求書」の様式(http://www.fsa.go.jp/cpaaob/sonota/joho/kojin/youshiki/y01.pdf)を公認会計士・監査審査会のHPよりプリントアウトし、必要事項を記入した後、必要な添付資料を添えて郵送又は直接持参します。収入印紙が300円分(開示請求手数料)必要です。複数年分請求する場合には、600円または900円分必要です。開示の実施には別途郵送料(写しの送付を希望する場合)が必要になります。
郵送の場合、本人確認手続のために住民票の写し及び運転免許証等の写しが必要です。持参の場合は、運転免許証などが必要です。なお、提出後、すぐその場で開示(閲覧)ということは出来ません。
公認会計士・監査審査会が、「請求書」を受領後、30日以内に開示決定を行い、開示請求者に通知を行います。その後、請求者は当該開示結果に基づき、開示文書の閲覧・写しの送付等を選択し、公認会計士・監査審査会へ返信、開示の実施となります。(該当する開示文書があれば、受験結果に関係ありません。)
一応、私が直接問い合わせた結果に基づいて書きましたが、内容について疑問のある方は、直接、電話で照会していただけるようお願いいたします(直通 03-5251-7295、03-5251-7284)。
《公認会計士・監査審査会の窓口》
所在地 〒100-8905 東京都千代田区霞が関3-2-1 中央合同庁舎第7号館2階
電話番号 03-3506-6000(代表)内線:2440
利用時間 平日(9:30~12:00、13:00~17:30)
*受付時間は、午前・午後とも終了時間の30分前です。
*郵送で開示請求をしたい人は、運転免許証のコピーと住民票(または外国人登録証)を用意しておきましょう。あと、年度の特定(平成20年)を忘れずに!
3 成績開示請求の経過-予想通り賢くなかった人のサンプル
(1) 開示請求-年度の特定を忘れた!
11月19日(水)に、請求書等を投函いたしました。
実は、その後、年度の特定の件で審査会事務局の方から電話がありました。ということは、無事に審査会事務局で受理されたと言うことです。30日以内に、通知があるはずです。(審査会事務局の方の対応はとても丁寧でした。)
12月13日(土)に、開示決定の通知が到着していたようです(配達記録郵便)。とりあえず、開示請求の投函から、開示決定の通知の到着まで、所要日数として24日かかるということがわかりました。
実家まで開示決定書類を取りに帰りました。送られてきた封筒の中には、3枚の紙が入っていました。ちなみに、宛名は手書きでした。
1枚目は、説明事項についてです。内容は、
①「開示の実施の方法等」(通知を受け取った日から30日以内に開示の実施の申し出を行ってくださいということです。)、
②「不開示部分に係る不服申立て等」(不服がある場合の、金融庁長官に対する審査請求と、国を被告とする処分取消しの訴えについてです)、
③「開示の実施について」(事務所での開示の場合には、通知書が必要であるということと、写しの送付を希望する場合には、送付費用を郵便切手で支払うことが必要ということです。)、
④「本件連絡先」(開示の実施方法や不服申し立てについて不明な点があった場合の連絡先)
についてです。
2枚目は、「保有個人情報の開示をする旨の決定について(通知)」です。内容は、
①「開示する保有個人情報(全部開示・部分開示)」(公認会計士試験受験者管理ファイル-平成20年)、
②「不開示をした部分とその理由」(無)、
③「開示する保有個人情報の利用目的」、
④「開示の実施の方法等」(開示の実施の方法等、事務所における開示を実施することができる日時・場所、写しの送付を希望する場合の準備日数-2日、送付に要する費用見込み額-80円)です。時間は平日の9時30分から12時00分と13時00分から17時30分です。
3枚目は、「保有個人情報の開示の実施方法申出書」です。こちらは、日付や、氏名・住所または居所を記入し、求める開示の実施方法を選択し、開示の実施を希望する日や写しの送付の有無・同封する郵便切手の額(80円)を記載して、提出するものです。すでに、保有個人情報開示決定通知書の番号と日付は印刷されてあります。
(2) 開示の実施-二度目の住民票送付があるぞ!
上記3枚目の「保有個人情報の開示の実施方法申出書」に必要事項を記入して、12月17日に投函しました。写しの送付を希望しました。いつになったら結果がくるのだろうかと待っていたところ、またもや、不備が発覚しました。
実は、12月24日、電話がかかってきました。住所変更・改姓等のような事情があった場合には、住民票の写しを再び送付しなければならないとの連絡を受けました。というわけで、もうまもなく、成績が送付されることになると思います。
合格発表後に、住所変更・結婚などをされた方は、開示の実施に当たって、再び住民票を送付する必要があることを付言しておきます。免許証の記載事項の変更をコピーして送っただけでは不可とのことです。
(3) 成績表到着-詳細な情報でビックリ!
12月31日に到着しました。賢い人(成績それ自体と開示請求手続きの双方)が、ごくごく普通に(「常識的に、過不足なく」という意味です。)請求すると、11月20日に請求して、12月18日に到着するという結果になるようです。
封筒の中には、A4の紙が1枚、A3の紙が2枚入っていました。
A4の紙は成績表です。受験番号、受験者名と、論文式試験の成績表が書かれてありました。成績表には、科目別と総合に分けて、得点率(0.05刻み)と合格者の得点率順位が書かれてありました。順位は、旧2次試験合格者も含めての合格者中の順位です。なお、科目別の順位には、科目免除者は含まれていませんが、本年度の科目合格者は含まれているようです。
A3の紙は、保有個人情報をA3の紙にプリントアウトしたもの2枚です。上記の「公認会計士試験受験者管理ファイル」の項目とほぼ同様ですが、より詳細に記録されていました。出願当時・受験当時の情報ではなく、現在の情報に置き換えられています。なんと、「旧姓」「改姓年月」も記録されていました。
A3の紙1枚目は、受験願書に関する情報のほかにも、旧2次試験の合格履歴、短答免除や論文科目免除の申請情報、証明書情報といった項目が並んでおり、短答から受験した私はきれいに何も書かれていません。そして、下のほうに、短答式試験情報として科目別の出欠フラグと科目別と総合の得点が書かれていました。
A3の紙2枚目は、最上部に短答の得点比率と合否判定、合格通知番号が記載されています。次に、論文式試験情報として試験会場番号と教室番号、科目出欠フラグ、科目別素点、科目別調整後得点、総合得点、総合得点比率、総合合否判定、合格証書番号、科目別合否判定、科目合格通知番号、科目得点率ランクが記載されています。
なお、素点は、民法と企業法については、「0.5」刻みで、他の科目は整数で記載されています。科目別調整後得点は、原則として「0.1」刻みのようですが、企業法・租税法・民法は「0.05」刻みです。総合得点は、小数点以下1位まで、得点比率は、小数点以下2位まで記載されています。
科目得点率ランク(abcdefgh)は、成績通知と同じですが、順位ランクは合格者についてはHランクとされています。
(4) 手続についての感想-金融庁の皆様、訳のわからぬ請求にお付き合いいただきありがとうございました!
正直なところ、手続に意外と時間がかかると思いました。もちろん、私自身の身上にもいろいろと変動があったことも原因だとは思いますが。合格発表直後の請求で年内ギリギリの開示ですから、もしかすると、合格発表前に請求したほうがいいのかもしれません。
しかし、私自身の手続の不備にもかかわらず、金融庁の方々から、電話で説明をしていただきましたし、とても丁寧な応対でした。よく考えると、開示請求の費用300円は、開示結果送付の配達記録郵便に使われてしまっているので、ほとんど利益はないはずです。この場で申し上げるのも恐縮ですが、大変感謝しております。
なお、以下のように、非常に詳細で参考になる情報が記載されています。論文受験者であれば、いったん予想した上で開示請求し、予想と実際を比較・分析してみることをおすすめします。
複数年受験された方は、600円または900円を支払って請求されることをお勧めします。私の結果を見ていただければわかるとおり、科目合格しているからといって、必ずしも大問ごとに良い答案がかけているとは限りませんし、科目合格していない会計学・租税法でも、大問ごとで意外と良い答案が書けていることもあります。
4 私の成績について
(1) 合格発表前の予想-あまり賢くなさそうですね
監査d、租税c、会計d、企業b、民法b
・監査(第1問:43×0.5、第2問:49×0.5)→46(監査d)
・租税(第1問:58×0.4、第2問:45×0.6)→50(租税c)
・管理(第1問:52×0.5、第2問:50×0.5)→51(会計d)
・財務(第3問:40×0.6、第4問:55×0.7、第5問:48×0.7)→48
・企業(第1問:59×0.5、第2問:53×0.5)→56(企業b)
・民法(第1問:56×0.5、第2問:60×0.5)→58(民法b)
素点予想
・監査(第1問:3割×0.5、第2問:4割×0.5)
・租税(第1問:8割×0.4、第2問:4割×0.6)
・管理(第1問:4割×0.5、第2問:4割×0.5)
・財務(第3問:4割×0.6、第4問:7割×0.7、第5問:5割×0.7)
・企業(第1問:7割×0.5、第2問:6割×0.5)
・民法(第1問:6割×0.5、第2問:6割×0.5)
(2) 実際の結果-予想通り賢くなかったです
監査e、租税c、会計c、企業b、民法b、総合H(得点率52;3100番台/約3600人中)
・監査(第1問:38×0.5、第2問:48×0.5)→43(監査e;3600番台/約3600人中)
・租税(第1問:61×0.4、第2問:45×0.6)→51(租税c;3200番台/約3600人中)
・管理(第1問:47×0.5、第2問:50×0.5)→52(会計c;2400番台/約3000人中)
・財務(第3問:43×0.6、第4問:62×0.7、第5問:52×0.7)
・企業(第1問:55×0.5、第2問:62×0.5)→58(企業b;700番台/約3000人中)
・民法(第1問:57×0.5、第2問:54×0.5)→56(民法b;100番内)
素点結果→素点合計5割弱(苦笑されましたが合格者の70%弱が素点5割弱です。)
・監査(第1問:2割×0.5、第2問:5割×0.5)
・租税(第1問:8割×0.4、第2問:3割×0.6)
・管理(第1問:3割×0.5、第2問:4割×0.5)
・財務(第3問:3割×0.6、第4問:6割×0.7、第5問:2割×0.7)
・企業(第1問:5割×0.5、第2問:7割×0.5)
・民法(第1問:8割×0.5、第2問:6割×0.5)
(注) 実際の成績表においては、素点及び調整後得点は、その問題ごとの満点によって記載されています。たとえば、60点満点の問題で満点を取れば素点60点と記載され、平均点を取れば調整後30点と記載されることになります。私自身の予想と対比するために上記のような記載方法にしました。
(3) 予想成績と実際成績を対比した上での感想
ア 得点率ランク予想はおおむね一致?
得点率ランクの予想は、租税、企業法、民法については完全に一致しました。監査については、出来が悪いという方向性は一致しましたが予想以上に悪かったです。さすがに短答で選抜された受験生の中での争いなので、答練とはワケが違います。他方で、会計学については、4問(財務)の調整後得点がとても良く、他の不出来を取り返したようなかたちになりました。5問(財務)の素点が非常に悪かった点についても、相対評価で浮き上がったことも会計学がcになったことの要因です。
なお、企業法と民法については科目合格相当の得点率を獲得できたものの、aランク獲得には至りませんでした。直前に勉強したことが出題されなかったというのも理由かもしれませんが、やはり、普段の答練を一度も受験せずに短答後の勉強だけでaランクを獲得できるほど甘くはないということかもしれません。もちろん、短答にどうしても合格したかったので、短答後に民法を始めるのはやむをえないことでした。
イ 素点は結構きびしい?
今回、素点を見て、かなり厳しく採点されているように感じました。特に、監査1問、会計5問(財務)については2割程度、会計3問(財務)、会計1問(管理)、租税2問(計算)については3割程度しか素点をいただけませんでした。
素点の場合、採点した試験委員が厳しかったりする場合があるのでなんとも言えませんが、いわゆる「書き賃」や「ごまかし」は通用しないことがわかりました。特に、基準ベースの問題や公開模試・答練で出題された問題については調整後でも他の受験生に大きく差をつけられてしまいます。私の場合は、特に監査1問と財務3問についていえることです。
ただ、素点が悪くても、難問だった場合には、相対的に浮き上がる場合があります。私の場合は、会計5問(財務)についていえることです。素点では2割程度ですが、受験生の平均よりは明らかに上回っています。すなわち、受験生の6割以上が、素点で2割も取れていないことになるのです。感触が悪くても決してあきらめてはならないということがいえます。
ウ 法律科目の採点は甘い?
他方で、法律科目の採点は、かなり甘いと思いました。私の場合、租税1問(理論)、民法1問では、8割の素点を頂いています。TAC全答練・大原公開模試の法律科目では大問ごとでも8割の素点を獲得するのは至難の業です。私は、TAC全答練の企業法で大問別8割素点を獲得したことがありますが、そのときは大問で約10位でした。
ただ、民法1問については、素点が8割であるにもかかわらず、調整後ではa相当の点数をいただけませんでした。ということは、素点が8割を超える受験生が結構存在するということです。もともと得意な人が多いのか、模擬試験終了後にペースアップする人が多いのかどちらかでしょう。
なお、私は、民法1問については、事案を取り違えて余事記載(背信的悪意者の記載)をしたり、その結果としてスペースと時間が足りなくなって、きちんと論証すべき論点(時効完成前後に登場した第三者)について、ほとんど理由らしい理由を書けなくなるという失敗をしていますが、余事記載については減点はされなかったのでしょう。関係のない論点を突如として大展開するのは良くないと思いますが、迷ったら、根拠を示して適度に書くほうがいいと思いました。
あと、時間がない極限状態で思いついたことでも、最低限の条文の指摘と結論を示すことができれば、ほどほどの点数がつくのだろうと思いました。
それから、企業法2問は、素点が7割であるにもかかわらず、調整後では好成績だったようです。私自身、利益相反取引がそれほど得意ではないうえ、直前には別の論点の問題(取締役の対第三者責任)を見直していたため、ここまでの成績が取れるとは予想していませんでした。
これについては、適切な場合分けをしたこと(取締役会非設置会社の手続にも触れたこと)、及び、大原の論文総まとめテキストや講義の内容についての記憶を消して、問題文に正面に答えたことが要因だと思います。ほかでも述べたことですが、場合分けに失敗すれば、丸ごと配点を失ってしまいます。また、予備校の予想問題と本試験の問題は、一言一句同じ場合ならともかく、別の問題です。予想問題に引きずられると、関係のないことを突如として書いてしまったり、必要なことを落としてしまう可能性があります。そのあたりが原因で相対的に浮き上がったのだと思いました。
(4) 成績表から得た教訓-予想通り賢くなかった人だからこそのアドバイス
私の成績表は、全体の状況や成績表の記載内容を推測するのにとても便利な結果になりました。そこから全体の状況を推測してみて、特に重要なことは「会計学と租税法が合否を分ける」ということです。
もちろん、例年、会計学と租税法については、極端に科目合格者が少なく、会計学と租税法について科目合格相当の得点率を獲得できる人は、総合でも合格してしまうということでデータ上明らかでしたが、今回の結果でそれを特に強く確信しました。
私は、会計学は得点率52で合格者中上位8割、租税法は得点率51で合格者中上位9割なのですが、ということはおそらく、合格者で得点率50を下回る人はほとんどいないと思われます。
また、過年度に成績開示請求(監a租a会c企d統dで合格)をした方のブログによると、企業法が偏差値50で合格者中上位9割程度です。
制度上、得点率40がアシきりなのですが、主観的には、会計学と租税法に関しては企業法などよりも合格との相関関係が高く、得点率50でアシきりになるくらいのつもりで勉強するほうがいいのかもしれません。
もちろん、計算ができる人はそれはそれでいいのかもしれませんが、計算ができなくても、素点で2割しか取れなくても、理論と相対評価で取り返すことができました。
あと、得意科目があると、失敗科目を一気に取り返すことができるかもしれません。私は、監査の大失敗を、他の科目で少しずつ取り返していったかたちになりました。しかし、得点率65以上の科目があれば、得点率40を一気に取り返しても、まだまだお釣りがきます。なお、会計学は平均以下をとる合格者はほとんどいないものの、高得点率を獲得することは困難なようです。
私自身の成績で示すことができず、しかも、「関東財務局」の「経営学」ということがとても残念なのですが、得点率66を超える人が合格者3000人中100人ほどいるようです。が、受験生の本分としては、二桁順位で合格して大喜びする前に、受験地を彷徨い歩くとか、選択科目を変えることなどを愚策などといわず、制度を味方につけて、1年でも早く合格するのがベストです。得点率0.1未満の差であんなふうになってはいけません。
それはともかく、平成18年以降の過年度分(合格・不合格・科目合格問わず)も含め、科目別(得点及び順位)・大問別(素点と調整後得点)の開示結果が集積して、cpa-lab再現答案企画がより充実したものになることを祈ります。
他のブログにはないくらい詳細に書いたつもりですし、ありがちな手続上の失敗についてもあえて書きました。結果如何にかかわらず、手続をして結果報告される方が増えることを願います。
成績開示請求について、少しずつ書いて、なんとか実況完了しました。手続進行にしたがって随時更新してきたので、文章が少し変になっていますが、ご容赦ください。
賢い人(成績それ自体と開示請求手続きの双方)が、ごくごく普通に(「常識的に、過不足なく」という意味です。)請求した結果を公開したようなので、参考にさせていただき、追加しました。ほかにも、成績開示について触れたブログをいくつか参考にしています。
賢い人のごくごく普通の請求手続(「常識的に、過不足なく」という意味です。)と、賢い人の成績結果(「aとbが並んでいて、3600人中の90番台」という意味です。)を見たければ、http://cpalab2.blog78.fc2.com/blog-entry-94.htmlが参考になると思いますが、残念ながら再現答案のある昨年分や大問ごとの成績は公開されませんでした。簡単な自己採点と感想は、残っているようです。
素点で5割もいかない人が合格者の70%近くを占めるような試験らしいので、苦笑するしかないのですが、受かれば皆、横一線でのスタートです。だからこそ、受験地を求めて彷徨い歩くとか、選択科目を民法に変えるとか、もう少し「愚策」に気を回していれば、偏差値0.1未満の差で落ちることはなく、賢い人になる前に、あと1年早く合格されていたことでしょう。
2 手続の概要-開示請求と開示の実施は別の手続です。
必要な文書は、「公認会計士試験受験者管理ファイル」(http://gkjh.e-gov.go.jp/servlet/Ksearch?CLASSNAME=KJNMSTDETAIL&seqNo=0000002327&fromKJNMSTLIST=true)です。①「開示請求」と②「開示の実施」という2段階の手続が必要になる点に注意が必要です。
それから、平成18年以降に受験したのであれば、試験結果(合格・不合格・科目合格)にかかわりなく請求でき、不合格者・科目合格者に送付される成績通知よりも詳細な情報が入手できます。
【注意:請求する際には、18年、19年、20年の区別をする必要があります。複数年分を請求する際には、それぞれ手数料がかかります。http://blog.livedoor.jp/rikutosimasima/archives/51548065.html 俄然がんばぬさん、ありがとうございました。】
行うべき手続としては、「保有個人情報開示請求書」の様式(http://www.fsa.go.jp/cpaaob/sonota/joho/kojin/youshiki/y01.pdf)を公認会計士・監査審査会のHPよりプリントアウトし、必要事項を記入した後、必要な添付資料を添えて郵送又は直接持参します。収入印紙が300円分(開示請求手数料)必要です。複数年分請求する場合には、600円または900円分必要です。開示の実施には別途郵送料(写しの送付を希望する場合)が必要になります。
郵送の場合、本人確認手続のために住民票の写し及び運転免許証等の写しが必要です。持参の場合は、運転免許証などが必要です。なお、提出後、すぐその場で開示(閲覧)ということは出来ません。
公認会計士・監査審査会が、「請求書」を受領後、30日以内に開示決定を行い、開示請求者に通知を行います。その後、請求者は当該開示結果に基づき、開示文書の閲覧・写しの送付等を選択し、公認会計士・監査審査会へ返信、開示の実施となります。(該当する開示文書があれば、受験結果に関係ありません。)
一応、私が直接問い合わせた結果に基づいて書きましたが、内容について疑問のある方は、直接、電話で照会していただけるようお願いいたします(直通 03-5251-7295、03-5251-7284)。
《公認会計士・監査審査会の窓口》
所在地 〒100-8905 東京都千代田区霞が関3-2-1 中央合同庁舎第7号館2階
電話番号 03-3506-6000(代表)内線:2440
利用時間 平日(9:30~12:00、13:00~17:30)
*受付時間は、午前・午後とも終了時間の30分前です。
*郵送で開示請求をしたい人は、運転免許証のコピーと住民票(または外国人登録証)を用意しておきましょう。あと、年度の特定(平成20年)を忘れずに!
3 成績開示請求の経過-予想通り賢くなかった人のサンプル
(1) 開示請求-年度の特定を忘れた!
11月19日(水)に、請求書等を投函いたしました。
実は、その後、年度の特定の件で審査会事務局の方から電話がありました。ということは、無事に審査会事務局で受理されたと言うことです。30日以内に、通知があるはずです。(審査会事務局の方の対応はとても丁寧でした。)
12月13日(土)に、開示決定の通知が到着していたようです(配達記録郵便)。とりあえず、開示請求の投函から、開示決定の通知の到着まで、所要日数として24日かかるということがわかりました。
実家まで開示決定書類を取りに帰りました。送られてきた封筒の中には、3枚の紙が入っていました。ちなみに、宛名は手書きでした。
1枚目は、説明事項についてです。内容は、
①「開示の実施の方法等」(通知を受け取った日から30日以内に開示の実施の申し出を行ってくださいということです。)、
②「不開示部分に係る不服申立て等」(不服がある場合の、金融庁長官に対する審査請求と、国を被告とする処分取消しの訴えについてです)、
③「開示の実施について」(事務所での開示の場合には、通知書が必要であるということと、写しの送付を希望する場合には、送付費用を郵便切手で支払うことが必要ということです。)、
④「本件連絡先」(開示の実施方法や不服申し立てについて不明な点があった場合の連絡先)
についてです。
2枚目は、「保有個人情報の開示をする旨の決定について(通知)」です。内容は、
①「開示する保有個人情報(全部開示・部分開示)」(公認会計士試験受験者管理ファイル-平成20年)、
②「不開示をした部分とその理由」(無)、
③「開示する保有個人情報の利用目的」、
④「開示の実施の方法等」(開示の実施の方法等、事務所における開示を実施することができる日時・場所、写しの送付を希望する場合の準備日数-2日、送付に要する費用見込み額-80円)です。時間は平日の9時30分から12時00分と13時00分から17時30分です。
3枚目は、「保有個人情報の開示の実施方法申出書」です。こちらは、日付や、氏名・住所または居所を記入し、求める開示の実施方法を選択し、開示の実施を希望する日や写しの送付の有無・同封する郵便切手の額(80円)を記載して、提出するものです。すでに、保有個人情報開示決定通知書の番号と日付は印刷されてあります。
(2) 開示の実施-二度目の住民票送付があるぞ!
上記3枚目の「保有個人情報の開示の実施方法申出書」に必要事項を記入して、12月17日に投函しました。写しの送付を希望しました。いつになったら結果がくるのだろうかと待っていたところ、またもや、不備が発覚しました。
実は、12月24日、電話がかかってきました。住所変更・改姓等のような事情があった場合には、住民票の写しを再び送付しなければならないとの連絡を受けました。というわけで、もうまもなく、成績が送付されることになると思います。
合格発表後に、住所変更・結婚などをされた方は、開示の実施に当たって、再び住民票を送付する必要があることを付言しておきます。免許証の記載事項の変更をコピーして送っただけでは不可とのことです。
(3) 成績表到着-詳細な情報でビックリ!
12月31日に到着しました。賢い人(成績それ自体と開示請求手続きの双方)が、ごくごく普通に(「常識的に、過不足なく」という意味です。)請求すると、11月20日に請求して、12月18日に到着するという結果になるようです。
封筒の中には、A4の紙が1枚、A3の紙が2枚入っていました。
A4の紙は成績表です。受験番号、受験者名と、論文式試験の成績表が書かれてありました。成績表には、科目別と総合に分けて、得点率(0.05刻み)と合格者の得点率順位が書かれてありました。順位は、旧2次試験合格者も含めての合格者中の順位です。なお、科目別の順位には、科目免除者は含まれていませんが、本年度の科目合格者は含まれているようです。
A3の紙は、保有個人情報をA3の紙にプリントアウトしたもの2枚です。上記の「公認会計士試験受験者管理ファイル」の項目とほぼ同様ですが、より詳細に記録されていました。出願当時・受験当時の情報ではなく、現在の情報に置き換えられています。なんと、「旧姓」「改姓年月」も記録されていました。
A3の紙1枚目は、受験願書に関する情報のほかにも、旧2次試験の合格履歴、短答免除や論文科目免除の申請情報、証明書情報といった項目が並んでおり、短答から受験した私はきれいに何も書かれていません。そして、下のほうに、短答式試験情報として科目別の出欠フラグと科目別と総合の得点が書かれていました。
A3の紙2枚目は、最上部に短答の得点比率と合否判定、合格通知番号が記載されています。次に、論文式試験情報として試験会場番号と教室番号、科目出欠フラグ、科目別素点、科目別調整後得点、総合得点、総合得点比率、総合合否判定、合格証書番号、科目別合否判定、科目合格通知番号、科目得点率ランクが記載されています。
なお、素点は、民法と企業法については、「0.5」刻みで、他の科目は整数で記載されています。科目別調整後得点は、原則として「0.1」刻みのようですが、企業法・租税法・民法は「0.05」刻みです。総合得点は、小数点以下1位まで、得点比率は、小数点以下2位まで記載されています。
科目得点率ランク(abcdefgh)は、成績通知と同じですが、順位ランクは合格者についてはHランクとされています。
(4) 手続についての感想-金融庁の皆様、訳のわからぬ請求にお付き合いいただきありがとうございました!
正直なところ、手続に意外と時間がかかると思いました。もちろん、私自身の身上にもいろいろと変動があったことも原因だとは思いますが。合格発表直後の請求で年内ギリギリの開示ですから、もしかすると、合格発表前に請求したほうがいいのかもしれません。
しかし、私自身の手続の不備にもかかわらず、金融庁の方々から、電話で説明をしていただきましたし、とても丁寧な応対でした。よく考えると、開示請求の費用300円は、開示結果送付の配達記録郵便に使われてしまっているので、ほとんど利益はないはずです。この場で申し上げるのも恐縮ですが、大変感謝しております。
なお、以下のように、非常に詳細で参考になる情報が記載されています。論文受験者であれば、いったん予想した上で開示請求し、予想と実際を比較・分析してみることをおすすめします。
複数年受験された方は、600円または900円を支払って請求されることをお勧めします。私の結果を見ていただければわかるとおり、科目合格しているからといって、必ずしも大問ごとに良い答案がかけているとは限りませんし、科目合格していない会計学・租税法でも、大問ごとで意外と良い答案が書けていることもあります。
4 私の成績について
(1) 合格発表前の予想-あまり賢くなさそうですね
監査d、租税c、会計d、企業b、民法b
・監査(第1問:43×0.5、第2問:49×0.5)→46(監査d)
・租税(第1問:58×0.4、第2問:45×0.6)→50(租税c)
・管理(第1問:52×0.5、第2問:50×0.5)→51(会計d)
・財務(第3問:40×0.6、第4問:55×0.7、第5問:48×0.7)→48
・企業(第1問:59×0.5、第2問:53×0.5)→56(企業b)
・民法(第1問:56×0.5、第2問:60×0.5)→58(民法b)
素点予想
・監査(第1問:3割×0.5、第2問:4割×0.5)
・租税(第1問:8割×0.4、第2問:4割×0.6)
・管理(第1問:4割×0.5、第2問:4割×0.5)
・財務(第3問:4割×0.6、第4問:7割×0.7、第5問:5割×0.7)
・企業(第1問:7割×0.5、第2問:6割×0.5)
・民法(第1問:6割×0.5、第2問:6割×0.5)
(2) 実際の結果-予想通り賢くなかったです
監査e、租税c、会計c、企業b、民法b、総合H(得点率52;3100番台/約3600人中)
・監査(第1問:38×0.5、第2問:48×0.5)→43(監査e;3600番台/約3600人中)
・租税(第1問:61×0.4、第2問:45×0.6)→51(租税c;3200番台/約3600人中)
・管理(第1問:47×0.5、第2問:50×0.5)→52(会計c;2400番台/約3000人中)
・財務(第3問:43×0.6、第4問:62×0.7、第5問:52×0.7)
・企業(第1問:55×0.5、第2問:62×0.5)→58(企業b;700番台/約3000人中)
・民法(第1問:57×0.5、第2問:54×0.5)→56(民法b;100番内)
素点結果→素点合計5割弱(苦笑されましたが合格者の70%弱が素点5割弱です。)
・監査(第1問:2割×0.5、第2問:5割×0.5)
・租税(第1問:8割×0.4、第2問:3割×0.6)
・管理(第1問:3割×0.5、第2問:4割×0.5)
・財務(第3問:3割×0.6、第4問:6割×0.7、第5問:2割×0.7)
・企業(第1問:5割×0.5、第2問:7割×0.5)
・民法(第1問:8割×0.5、第2問:6割×0.5)
(注) 実際の成績表においては、素点及び調整後得点は、その問題ごとの満点によって記載されています。たとえば、60点満点の問題で満点を取れば素点60点と記載され、平均点を取れば調整後30点と記載されることになります。私自身の予想と対比するために上記のような記載方法にしました。
(3) 予想成績と実際成績を対比した上での感想
ア 得点率ランク予想はおおむね一致?
得点率ランクの予想は、租税、企業法、民法については完全に一致しました。監査については、出来が悪いという方向性は一致しましたが予想以上に悪かったです。さすがに短答で選抜された受験生の中での争いなので、答練とはワケが違います。他方で、会計学については、4問(財務)の調整後得点がとても良く、他の不出来を取り返したようなかたちになりました。5問(財務)の素点が非常に悪かった点についても、相対評価で浮き上がったことも会計学がcになったことの要因です。
なお、企業法と民法については科目合格相当の得点率を獲得できたものの、aランク獲得には至りませんでした。直前に勉強したことが出題されなかったというのも理由かもしれませんが、やはり、普段の答練を一度も受験せずに短答後の勉強だけでaランクを獲得できるほど甘くはないということかもしれません。もちろん、短答にどうしても合格したかったので、短答後に民法を始めるのはやむをえないことでした。
イ 素点は結構きびしい?
今回、素点を見て、かなり厳しく採点されているように感じました。特に、監査1問、会計5問(財務)については2割程度、会計3問(財務)、会計1問(管理)、租税2問(計算)については3割程度しか素点をいただけませんでした。
素点の場合、採点した試験委員が厳しかったりする場合があるのでなんとも言えませんが、いわゆる「書き賃」や「ごまかし」は通用しないことがわかりました。特に、基準ベースの問題や公開模試・答練で出題された問題については調整後でも他の受験生に大きく差をつけられてしまいます。私の場合は、特に監査1問と財務3問についていえることです。
ただ、素点が悪くても、難問だった場合には、相対的に浮き上がる場合があります。私の場合は、会計5問(財務)についていえることです。素点では2割程度ですが、受験生の平均よりは明らかに上回っています。すなわち、受験生の6割以上が、素点で2割も取れていないことになるのです。感触が悪くても決してあきらめてはならないということがいえます。
ウ 法律科目の採点は甘い?
他方で、法律科目の採点は、かなり甘いと思いました。私の場合、租税1問(理論)、民法1問では、8割の素点を頂いています。TAC全答練・大原公開模試の法律科目では大問ごとでも8割の素点を獲得するのは至難の業です。私は、TAC全答練の企業法で大問別8割素点を獲得したことがありますが、そのときは大問で約10位でした。
ただ、民法1問については、素点が8割であるにもかかわらず、調整後ではa相当の点数をいただけませんでした。ということは、素点が8割を超える受験生が結構存在するということです。もともと得意な人が多いのか、模擬試験終了後にペースアップする人が多いのかどちらかでしょう。
なお、私は、民法1問については、事案を取り違えて余事記載(背信的悪意者の記載)をしたり、その結果としてスペースと時間が足りなくなって、きちんと論証すべき論点(時効完成前後に登場した第三者)について、ほとんど理由らしい理由を書けなくなるという失敗をしていますが、余事記載については減点はされなかったのでしょう。関係のない論点を突如として大展開するのは良くないと思いますが、迷ったら、根拠を示して適度に書くほうがいいと思いました。
あと、時間がない極限状態で思いついたことでも、最低限の条文の指摘と結論を示すことができれば、ほどほどの点数がつくのだろうと思いました。
それから、企業法2問は、素点が7割であるにもかかわらず、調整後では好成績だったようです。私自身、利益相反取引がそれほど得意ではないうえ、直前には別の論点の問題(取締役の対第三者責任)を見直していたため、ここまでの成績が取れるとは予想していませんでした。
これについては、適切な場合分けをしたこと(取締役会非設置会社の手続にも触れたこと)、及び、大原の論文総まとめテキストや講義の内容についての記憶を消して、問題文に正面に答えたことが要因だと思います。ほかでも述べたことですが、場合分けに失敗すれば、丸ごと配点を失ってしまいます。また、予備校の予想問題と本試験の問題は、一言一句同じ場合ならともかく、別の問題です。予想問題に引きずられると、関係のないことを突如として書いてしまったり、必要なことを落としてしまう可能性があります。そのあたりが原因で相対的に浮き上がったのだと思いました。
(4) 成績表から得た教訓-予想通り賢くなかった人だからこそのアドバイス
私の成績表は、全体の状況や成績表の記載内容を推測するのにとても便利な結果になりました。そこから全体の状況を推測してみて、特に重要なことは「会計学と租税法が合否を分ける」ということです。
もちろん、例年、会計学と租税法については、極端に科目合格者が少なく、会計学と租税法について科目合格相当の得点率を獲得できる人は、総合でも合格してしまうということでデータ上明らかでしたが、今回の結果でそれを特に強く確信しました。
私は、会計学は得点率52で合格者中上位8割、租税法は得点率51で合格者中上位9割なのですが、ということはおそらく、合格者で得点率50を下回る人はほとんどいないと思われます。
また、過年度に成績開示請求(監a租a会c企d統dで合格)をした方のブログによると、企業法が偏差値50で合格者中上位9割程度です。
制度上、得点率40がアシきりなのですが、主観的には、会計学と租税法に関しては企業法などよりも合格との相関関係が高く、得点率50でアシきりになるくらいのつもりで勉強するほうがいいのかもしれません。
もちろん、計算ができる人はそれはそれでいいのかもしれませんが、計算ができなくても、素点で2割しか取れなくても、理論と相対評価で取り返すことができました。
あと、得意科目があると、失敗科目を一気に取り返すことができるかもしれません。私は、監査の大失敗を、他の科目で少しずつ取り返していったかたちになりました。しかし、得点率65以上の科目があれば、得点率40を一気に取り返しても、まだまだお釣りがきます。なお、会計学は平均以下をとる合格者はほとんどいないものの、高得点率を獲得することは困難なようです。
私自身の成績で示すことができず、しかも、「関東財務局」の「経営学」ということがとても残念なのですが、得点率66を超える人が合格者3000人中100人ほどいるようです。が、受験生の本分としては、二桁順位で合格して大喜びする前に、受験地を彷徨い歩くとか、選択科目を変えることなどを愚策などといわず、制度を味方につけて、1年でも早く合格するのがベストです。得点率0.1未満の差であんなふうになってはいけません。
それはともかく、平成18年以降の過年度分(合格・不合格・科目合格問わず)も含め、科目別(得点及び順位)・大問別(素点と調整後得点)の開示結果が集積して、cpa-lab再現答案企画がより充実したものになることを祈ります。
他のブログにはないくらい詳細に書いたつもりですし、ありがちな手続上の失敗についてもあえて書きました。結果如何にかかわらず、手続をして結果報告される方が増えることを願います。
▼ 2008/12/10(水) (合格体験記)はじめに
第一 はじめに
1 合格体験記の位置づけ
私は、cpa-lab奨学生として、月間予定、週間報告、毎日の報告を続けてきました。そして、ブログで報告する以前の学習についても、記事にしてまとめてありますので、時期別の勉強についてはブログを参照していただければと思います。後出しではない、活きたままの合格体験記です。
こちらでは、各時期ごとの注意点やアドバイスを書かせていただきたいと思います。科目別の勉強法については、頑張るべき時期のところに書きました。入門の前には、管理会計と簿記を、入門期には租税を、短答では財務と企業法を、論文では民法・企業法・租税法について書きました。監査論については、私には語る資格はありません。
2 私の特徴と、この合格体験記の内容の向き・不向き
なお、私は、①TACと大原を両方経験している、②短答に1度不合格になっている、③選択科目にこだわりがある、④地方受験である、という特徴があります。
この合格体験記の内容は、予備校が推奨する方法論からはかなり外れたものです。すべての受験生に役立つものとは思えません。
まず、もともと予備校で順調に結果を出している成績優秀者には適さないと思います。予備校で順調に成績を残している人は、変わったことをせず多数派のメリットを享受したほうが安心できると思います。
他方で、勉強の絶対量が足りていない人にも適さないと思います。勉強の絶対量が足りていないなら、足りるように勉強すべきであり、成績優秀者以上の勉強量をこなすのは当然です。方法論を追求すべきではありません。
結局、優秀者以上に勉強しているのだけれども、予備校でなかなか成績の伸びない人や、論文一発合格を目指す人に頑張っていただきたくて書いたつもりです。
特に、強く言いたいのは、「他人と同じことをやっていては、差を縮めることはできない。」ということです。
3 ちょっとした注意点と事実
なお、ちょっとした注意ですが、私がやったような方法(地方受験・選択科目)をとる場合には、合格するまでは周囲に公言しない方がいいと思います。間違いなく少数派ですので、周囲の受験生・合格者では適切なアドバイスができず、公言するメリットはありません。むしろ不適切な干渉を受けて気分を害されるおそれすらあります。そのような妨害行為のせいで勉強に支障が出てしまっては意味がありません。
合格者アンケートによると、試験会場の環境が不公平だと感じている人がかなりいるようです。旧制度では、民法と経済の不公平を感じていた人もかなりいたようです(JICPAニュースレターの過年度分参照)。おそらく、不合格者だったら、もっと不公平を感じているはずです。
しかし、不公平を感じるのであれば、よりよい環境を求めて試験会場をきちんと選ぶべきですし、よく考えて選択科目を選ぶべきです。
そして、金融庁がそのような不公平を是正するつもりがあるのなら、金融庁は全受験生の環境の公平を担保するために試験会場を東京だけにするはずです。選択科目や免除制度を設けることなく、全員一律条件で受験させるように制度が改善されたはずです。
私の出身大学は、会計士試験の合格者がそれほど多くないので、会計士試験において、受験生が試験会場や選択科目にこだわるのが普通のことなのかはよくわかりません。
しかし、司法試験の合格者が多く、かつ合格率も高いため、司法試験合格者にきいてみると、みなさんかなり全国の試験会場をさまよっておられました。超上位合格された方や、在学中一発合格された方も、試験会場をさまよって、結果を出されたようです。
私にとって数少ない会計士試験合格者の先輩(司法試験も一発合格しています)も、試験会場にこだわって合格したそうで、地方会場だと一人にひとつの机が与えられることを教えていただきました。
1 合格体験記の位置づけ
私は、cpa-lab奨学生として、月間予定、週間報告、毎日の報告を続けてきました。そして、ブログで報告する以前の学習についても、記事にしてまとめてありますので、時期別の勉強についてはブログを参照していただければと思います。後出しではない、活きたままの合格体験記です。
こちらでは、各時期ごとの注意点やアドバイスを書かせていただきたいと思います。科目別の勉強法については、頑張るべき時期のところに書きました。入門の前には、管理会計と簿記を、入門期には租税を、短答では財務と企業法を、論文では民法・企業法・租税法について書きました。監査論については、私には語る資格はありません。
2 私の特徴と、この合格体験記の内容の向き・不向き
なお、私は、①TACと大原を両方経験している、②短答に1度不合格になっている、③選択科目にこだわりがある、④地方受験である、という特徴があります。
この合格体験記の内容は、予備校が推奨する方法論からはかなり外れたものです。すべての受験生に役立つものとは思えません。
まず、もともと予備校で順調に結果を出している成績優秀者には適さないと思います。予備校で順調に成績を残している人は、変わったことをせず多数派のメリットを享受したほうが安心できると思います。
他方で、勉強の絶対量が足りていない人にも適さないと思います。勉強の絶対量が足りていないなら、足りるように勉強すべきであり、成績優秀者以上の勉強量をこなすのは当然です。方法論を追求すべきではありません。
結局、優秀者以上に勉強しているのだけれども、予備校でなかなか成績の伸びない人や、論文一発合格を目指す人に頑張っていただきたくて書いたつもりです。
特に、強く言いたいのは、「他人と同じことをやっていては、差を縮めることはできない。」ということです。
3 ちょっとした注意点と事実
なお、ちょっとした注意ですが、私がやったような方法(地方受験・選択科目)をとる場合には、合格するまでは周囲に公言しない方がいいと思います。間違いなく少数派ですので、周囲の受験生・合格者では適切なアドバイスができず、公言するメリットはありません。むしろ不適切な干渉を受けて気分を害されるおそれすらあります。そのような妨害行為のせいで勉強に支障が出てしまっては意味がありません。
合格者アンケートによると、試験会場の環境が不公平だと感じている人がかなりいるようです。旧制度では、民法と経済の不公平を感じていた人もかなりいたようです(JICPAニュースレターの過年度分参照)。おそらく、不合格者だったら、もっと不公平を感じているはずです。
しかし、不公平を感じるのであれば、よりよい環境を求めて試験会場をきちんと選ぶべきですし、よく考えて選択科目を選ぶべきです。
そして、金融庁がそのような不公平を是正するつもりがあるのなら、金融庁は全受験生の環境の公平を担保するために試験会場を東京だけにするはずです。選択科目や免除制度を設けることなく、全員一律条件で受験させるように制度が改善されたはずです。
私の出身大学は、会計士試験の合格者がそれほど多くないので、会計士試験において、受験生が試験会場や選択科目にこだわるのが普通のことなのかはよくわかりません。
しかし、司法試験の合格者が多く、かつ合格率も高いため、司法試験合格者にきいてみると、みなさんかなり全国の試験会場をさまよっておられました。超上位合格された方や、在学中一発合格された方も、試験会場をさまよって、結果を出されたようです。
私にとって数少ない会計士試験合格者の先輩(司法試験も一発合格しています)も、試験会場にこだわって合格したそうで、地方会場だと一人にひとつの机が与えられることを教えていただきました。
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▼ 2008/12/09(火) (合格体験記)入門期
第二 入門期
1 入門の前に-予習の必要性
まっさらなままで受講をはじめるのだけは、やめた方がいいと思います。せめて、最低でも簿記2級合格、できれば簿記1級まで独学して、どのようなことをこれから学習するのかをわかった上で、受講をはじめた方がいいと思います。理由は、簿記2級までを独学できるかどうかで、適性を判断できるからです。もし、まっさらなままで受講をはじめて、いきなり落ちこぼれてしまったら、本当に取り返しがつきません。
なお、この段階での独学で、工業簿記・原価計算を1級レベルにまで仕上げてしまえば、入門期や短答の管理会計に大きく役立ちます。また、商業簿記・会計学についても、独学でマスター可能な部分と独学不可能な部分を区別して、独学不可能な部分を重点的に講義で学習するという戦略を立てることが可能になります。
私自身は、日商1級の段階では工業簿記・原価計算ととても相性が良く、最初の受験からいきなりダブル満点で、商業簿記・会計学が不十分なまま日商1級・全経上級に合格してしまいました。その結果、工業簿記・原価計算については自信を持てたものの、退職給付や減損などが苦手になり、その後の公認会計士試験において財務会計に苦手意識をもつことになりました。やはり、1級合格そのものを目標にするのではなく、勉強自体はきちんとやっておいた方がいいと思います。必ずしも簿記検定対策の講座を受講する必要があるとは思えませんが、後の公認会計士試験の勉強に役立つような形で勉強したほうがいいと思います。
なお、独学である程度予習をした場合であっても、入門Ⅰ(初学者向けの授業)から受講した方がいいと思います。1.5年本科を基礎マスターⅠから受講するのと、1年本科を入門Ⅰから受講するのだったら、1年本科を入門Ⅰから受講した方がいいと思います。
2 予備校選び-雰囲気が大切
TACか大原であれば、どちらであってもいいと思います。あえて違いを言うなら、大原は「学校」、TACは「予備校」という雰囲気です。すなわち、大原であれば、先生が受講生の顔と名前を覚え、学習のみならず精神面・生活面の指導までします。それどころか、黒板を消したり、掃除をしたり、レジュメを配布するのも先生です。これに対し、TACであれば、講師は基本的に授業をするだけです。授業以外の仕事である、レジュメ配りや黒板消しは運営受験生がやっています。「学校」のような雰囲気がいいのか、「予備校」のようなドライな雰囲気がいいのか、各自の好み次第です。どちらも多くの受講生・多くの合格者に支持されており、優秀な講師・スタッフが合議の上でコンテンツを作成しているので、決定的な差はありません。差があるとすれば、受講料でしょうか。しかし、TACであれば、株主優待券(ヤフオクで買う)を利用して10%割引を利用するという手もありますし、大原では通学定期を利用して、交通費を大幅に安くするという手が使えることもありますので、それぞれの事情に合わせて考えてみてください。
受講期間について、以前は、TACは入門期が短く(1.5年本科、1年本科がメイン)、大原は入門期が長い(2年コースがメイン)という違いがありました。私も、入門期が短いことを理由にTACを選択しました。しかし、大原もコマ数を減らしたりして、1年コースを作っていますので、決定的な違いではなくなりました。
個人的な感想としては、入門の期間が2年に設定されているのは長すぎるような気がします。2年コースの優秀者は、1年目で税理士簿財を受験したり、過年度の答練問題を入手して、先に先に進んでいます。しかし、自力で過年度答練問題を解けるのであればわざわざ2年もかける必要はないと思います。その一方で、比較的のんびりしている人もかなりいるように見えました。結局、2年という期間設定をうまく利用している人はそれほど多くないような気がします。
なお、マイナー予備校を選ぶのは、たとえそれらの予備校のコンテンツが優れていたとしても、それ以上にリスクが高すぎると思います。
理由は、TAC・大原とそれ以外とでは、あまりにもシェアの違いが大きすぎるからです。マイナー予備校では学習しなかったが、TACや大原で学習したことが出題された場合、大きな失点になります。また、同じように学習済みの論点であったとしても、当局が、TACや大原のテキストの内容に近いことを模範解答として用意していた場合は、マイナー予備校は致命的な差をつけられることになります。もちろん、逆のこともありえますが、そのような時は、全体としてのレベルが下がるので、TACや大原で学んだことが不利になることはありません。TAC・大原で学習しなかったから他の受験生もできるはずがないと開き直ることすらできます。
しかも、論文直前期には「全答練」「公開模試」を受験することになるとは思いますが、通常、「全答練」はTAC生が、「公開模試」は大原の受講生が良い成績を取ることができるようにできているため、本試験前に精神衛生上非常に悪い経験をするからです。もちろん、気にならない人はいいのですが。
そのようにして、多くの受験生はTACか大原をベースに受講するのですが、完全にどちらかに心中するのはあまり賢いやり方とは思えません。ひとつくらい、他方の予備校の安い単価講座を受講しておくべきです。たとえば、大原生であれば、TACのReViewや短答答練を、TAC生であれば、大原の論文総まとめ講義とか短答答練を受講しておけば、所属校の自習室が少なくなったときや、自習環境が悪くなったときにたすかります。
また、無料ガイダンスや、無料講演会も積極的に利用すべきでしょう。たとえば、TACであれば、成瀬先生などが無料のガイダンスをされていますし、大原やLECは後述のような、元試験委員の講演会を開催しています。試験後も、TACはかなりクオリティの高い就職サポートをしてくれます。どこに所属していたとか関係なく、利用すべきでしょう。
3 点数を意識せよ
入門期は、絶対に点数・順位を意識して勉強しましょう。ミニテストや実力テストのたぐいだったら、満点を取るか、とれなければクラス1番をとるつもりで臨むべきです。
理由は、入門期は1度しかなく、やり直しがきかないからです。また、入門のクラスには、基本的に過年度受講生や実力者はいないはずなので、条件は同じですし、意地悪なヒッカケ問題も出題されません。やったらやっただけの結果がでるようになっています。
あと、入門期をうまく過ごせば、講師にも「優秀者として」名前を覚えてもらえたりして、質問・相談に行きやすくなります。一発合格者予備軍なのですから、大切にしてもらえます。また、入門のときの成績がよいと他の受験生からいろいろと質問されることになりますが、質問に答えることによって自分の理解も深まったりします。
その結果、現実的な問題として、入門期の成績がその後も引き継がれるようです。実際に、私が大原の入門生用「真夏の猛特訓」を受講した際に、5人ほど成績優秀者として表彰されていましたが、そのうちの4人は、後々の答練でも成績優秀者の常連でした。もちろん、公開模試でも優秀者となって、論文試験にも合格しました。
もちろん、全員が「入門の優等生」になれるとは限りません。しかし、「入門の優等生」になれなかった人が、「入門の優等生」と同じことをしていては差がつくばかりです。「入門の優等生」以上に勉強することは当然のことですが、「入門の優等生」も真剣に勉強しています。
そこで、「入門の優等生」以上に勉強することを前提として、差を縮めるための戦略が必要になってくるのです。特に、経営・統計を捨てて民法を選択し、生み出した時間を簿記・管理・租税に回したり、短答対策に充てるという戦略はひとつの選択肢として有効だと思います。
4 租税法
短答科目にないということでおろそかにされがちなのが租税法です。私自身、学習開始時から、どうしても短答に合格したいという意識が先走るあまり、租税法にあまり時間をかけませんでしたが、あとになってから非常に後悔しました。
租税法は、とても点差がつく科目だと思いますし、入門の時期をうまく過ごしている人は租税法もきちんと勉強しています。租税法は、どのようなことがあっても、重視して欲しいと思います。他の受験生がやらないからこそ、差がつく科目だと思います。
私は、成績開示の結果、租税法はcでしたが、理論で上位の答案を書けたことが原因ですので、租税法の計算が非常に悪いです。もし、もう一年受験をしなければならないとしたら、大原の入門生用の講義からやり直していたでしょう。
1 入門の前に-予習の必要性
まっさらなままで受講をはじめるのだけは、やめた方がいいと思います。せめて、最低でも簿記2級合格、できれば簿記1級まで独学して、どのようなことをこれから学習するのかをわかった上で、受講をはじめた方がいいと思います。理由は、簿記2級までを独学できるかどうかで、適性を判断できるからです。もし、まっさらなままで受講をはじめて、いきなり落ちこぼれてしまったら、本当に取り返しがつきません。
なお、この段階での独学で、工業簿記・原価計算を1級レベルにまで仕上げてしまえば、入門期や短答の管理会計に大きく役立ちます。また、商業簿記・会計学についても、独学でマスター可能な部分と独学不可能な部分を区別して、独学不可能な部分を重点的に講義で学習するという戦略を立てることが可能になります。
私自身は、日商1級の段階では工業簿記・原価計算ととても相性が良く、最初の受験からいきなりダブル満点で、商業簿記・会計学が不十分なまま日商1級・全経上級に合格してしまいました。その結果、工業簿記・原価計算については自信を持てたものの、退職給付や減損などが苦手になり、その後の公認会計士試験において財務会計に苦手意識をもつことになりました。やはり、1級合格そのものを目標にするのではなく、勉強自体はきちんとやっておいた方がいいと思います。必ずしも簿記検定対策の講座を受講する必要があるとは思えませんが、後の公認会計士試験の勉強に役立つような形で勉強したほうがいいと思います。
なお、独学である程度予習をした場合であっても、入門Ⅰ(初学者向けの授業)から受講した方がいいと思います。1.5年本科を基礎マスターⅠから受講するのと、1年本科を入門Ⅰから受講するのだったら、1年本科を入門Ⅰから受講した方がいいと思います。
2 予備校選び-雰囲気が大切
TACか大原であれば、どちらであってもいいと思います。あえて違いを言うなら、大原は「学校」、TACは「予備校」という雰囲気です。すなわち、大原であれば、先生が受講生の顔と名前を覚え、学習のみならず精神面・生活面の指導までします。それどころか、黒板を消したり、掃除をしたり、レジュメを配布するのも先生です。これに対し、TACであれば、講師は基本的に授業をするだけです。授業以外の仕事である、レジュメ配りや黒板消しは運営受験生がやっています。「学校」のような雰囲気がいいのか、「予備校」のようなドライな雰囲気がいいのか、各自の好み次第です。どちらも多くの受講生・多くの合格者に支持されており、優秀な講師・スタッフが合議の上でコンテンツを作成しているので、決定的な差はありません。差があるとすれば、受講料でしょうか。しかし、TACであれば、株主優待券(ヤフオクで買う)を利用して10%割引を利用するという手もありますし、大原では通学定期を利用して、交通費を大幅に安くするという手が使えることもありますので、それぞれの事情に合わせて考えてみてください。
受講期間について、以前は、TACは入門期が短く(1.5年本科、1年本科がメイン)、大原は入門期が長い(2年コースがメイン)という違いがありました。私も、入門期が短いことを理由にTACを選択しました。しかし、大原もコマ数を減らしたりして、1年コースを作っていますので、決定的な違いではなくなりました。
個人的な感想としては、入門の期間が2年に設定されているのは長すぎるような気がします。2年コースの優秀者は、1年目で税理士簿財を受験したり、過年度の答練問題を入手して、先に先に進んでいます。しかし、自力で過年度答練問題を解けるのであればわざわざ2年もかける必要はないと思います。その一方で、比較的のんびりしている人もかなりいるように見えました。結局、2年という期間設定をうまく利用している人はそれほど多くないような気がします。
なお、マイナー予備校を選ぶのは、たとえそれらの予備校のコンテンツが優れていたとしても、それ以上にリスクが高すぎると思います。
理由は、TAC・大原とそれ以外とでは、あまりにもシェアの違いが大きすぎるからです。マイナー予備校では学習しなかったが、TACや大原で学習したことが出題された場合、大きな失点になります。また、同じように学習済みの論点であったとしても、当局が、TACや大原のテキストの内容に近いことを模範解答として用意していた場合は、マイナー予備校は致命的な差をつけられることになります。もちろん、逆のこともありえますが、そのような時は、全体としてのレベルが下がるので、TACや大原で学んだことが不利になることはありません。TAC・大原で学習しなかったから他の受験生もできるはずがないと開き直ることすらできます。
しかも、論文直前期には「全答練」「公開模試」を受験することになるとは思いますが、通常、「全答練」はTAC生が、「公開模試」は大原の受講生が良い成績を取ることができるようにできているため、本試験前に精神衛生上非常に悪い経験をするからです。もちろん、気にならない人はいいのですが。
そのようにして、多くの受験生はTACか大原をベースに受講するのですが、完全にどちらかに心中するのはあまり賢いやり方とは思えません。ひとつくらい、他方の予備校の安い単価講座を受講しておくべきです。たとえば、大原生であれば、TACのReViewや短答答練を、TAC生であれば、大原の論文総まとめ講義とか短答答練を受講しておけば、所属校の自習室が少なくなったときや、自習環境が悪くなったときにたすかります。
また、無料ガイダンスや、無料講演会も積極的に利用すべきでしょう。たとえば、TACであれば、成瀬先生などが無料のガイダンスをされていますし、大原やLECは後述のような、元試験委員の講演会を開催しています。試験後も、TACはかなりクオリティの高い就職サポートをしてくれます。どこに所属していたとか関係なく、利用すべきでしょう。
3 点数を意識せよ
入門期は、絶対に点数・順位を意識して勉強しましょう。ミニテストや実力テストのたぐいだったら、満点を取るか、とれなければクラス1番をとるつもりで臨むべきです。
理由は、入門期は1度しかなく、やり直しがきかないからです。また、入門のクラスには、基本的に過年度受講生や実力者はいないはずなので、条件は同じですし、意地悪なヒッカケ問題も出題されません。やったらやっただけの結果がでるようになっています。
あと、入門期をうまく過ごせば、講師にも「優秀者として」名前を覚えてもらえたりして、質問・相談に行きやすくなります。一発合格者予備軍なのですから、大切にしてもらえます。また、入門のときの成績がよいと他の受験生からいろいろと質問されることになりますが、質問に答えることによって自分の理解も深まったりします。
その結果、現実的な問題として、入門期の成績がその後も引き継がれるようです。実際に、私が大原の入門生用「真夏の猛特訓」を受講した際に、5人ほど成績優秀者として表彰されていましたが、そのうちの4人は、後々の答練でも成績優秀者の常連でした。もちろん、公開模試でも優秀者となって、論文試験にも合格しました。
もちろん、全員が「入門の優等生」になれるとは限りません。しかし、「入門の優等生」になれなかった人が、「入門の優等生」と同じことをしていては差がつくばかりです。「入門の優等生」以上に勉強することは当然のことですが、「入門の優等生」も真剣に勉強しています。
そこで、「入門の優等生」以上に勉強することを前提として、差を縮めるための戦略が必要になってくるのです。特に、経営・統計を捨てて民法を選択し、生み出した時間を簿記・管理・租税に回したり、短答対策に充てるという戦略はひとつの選択肢として有効だと思います。
4 租税法
短答科目にないということでおろそかにされがちなのが租税法です。私自身、学習開始時から、どうしても短答に合格したいという意識が先走るあまり、租税法にあまり時間をかけませんでしたが、あとになってから非常に後悔しました。
租税法は、とても点差がつく科目だと思いますし、入門の時期をうまく過ごしている人は租税法もきちんと勉強しています。租税法は、どのようなことがあっても、重視して欲しいと思います。他の受験生がやらないからこそ、差がつく科目だと思います。
私は、成績開示の結果、租税法はcでしたが、理論で上位の答案を書けたことが原因ですので、租税法の計算が非常に悪いです。もし、もう一年受験をしなければならないとしたら、大原の入門生用の講義からやり直していたでしょう。
▼ 2008/12/08(月) (合格体験記)短答対策
第三 短答対策
1 目標は「短答合格」ではない-上位合格を目指す
受験生として、短答に合格できなければどうしようもないことは、私自身、一番よくわかっています。
しかし、あえて言いたいのが、「合格を目指さない」ということです。つまり、「論文合格に必要十分な短答合格レベル」を目指すべきです。たとえば、私の場合、得点率80%以上、順位で言えば上位5%程度で、財務を中心に得点を稼ぎ、正誤の判断ができるのみならず、理由付けを簡単に一言で説明できるようになることを心がけていました。
短答の上位合格にこだわるのは、理由があります。
第一に、短答の合格発表までの1ヶ月あまりを、ボーダーラインを気にせずに、論文対策に集中するためです(5月短答の場合)。もし、短答の点数が70%前後を下回っていたら、ボーダーラインや予備校同士で正解が割れた問題のことが気になって、勉強に集中できないと思います。
第二に、短答の知識が論文に生きることがあるからです。短答に合格すれば、ライバルは短答免除者ですが、短答免除者との差別化を図るためには、短答の時期にしかできない勉強をきちんとしておくべきです。実際に、短答模試の上位者(上位2%以内)は、ほとんどすべて論文にも合格しています。
第三に、租税や民法のような、論文にしかない科目の勉強時間を確保するためです。もし、短答をギリギリ通過できるような実力しかなければ、短答後にも短答科目をレベルアップさせなければなりませんが、そのようなことをしていれば、租税や民法に十分時間をかけることができなくなってしまいます。
なお、マークシートは、正確に読んでもらえるとは限りません。私は、自己採点の結果383点/500点だと思っていましたが、成績開示の結果376点/500点でした。財務会計の7点問題で一つマークを読み取ってもらえなかったものがあったようです。もし、合否を分けるような点数だったら、大変なことになっていました。
2 短答特化しないこと-短答の知識を論文に活かす
短答の成績が下がりはじめたとき、気持ちが焦って、短答に特化したくなる気持ちはわかります。そして、特に大原の場合、講師が短答特化を勧めるような発言をすることから、心が揺れるのはよくわかります。
しかし、いかなる事情があったとしても、以下のような理由から、短答特化はすべきではないと思います。
第一に、短答特化のために、論文の答練を受けないことにすれば、短答の知識が、短答のためにしか役立たないものになってしまいます。論文の答練を受けるからこそ、短答の知識の論文での使い方を意識できるようになります。そして、短答免除者や短答合格が確実な受験生が、論文合格のために勉強を進めているわけですから、短答合格が危ないからと言って短答特化してしまえば、確実に大きな差がついてしまいます。
第二に、論文の勉強が短答に役立つことがあるからです。実際に、肢別チェックや短答の答練だけでは、なかなか身につかなかった知識でも、論文答練を受けたり、論文答練の解説を受けたりすることによって理解が進み、知識として定着することもあります。
第三に、特に入門生の場合であれば、短答特化することによって、租税法などをおろそかにしてしまえば、次年度以降、実力が不完全であるにもかかわらず、上級の講義を受講しなければならないことになり、とりかえしがつかないことになってしまいます。
おそらく、短答に関しては、「費用対効果の高い企業法」と「差がつく財務会計」で確実に得点できれば、それほど心配する必要はないと思います。
3 科目別対策
(1) 短答企業法-費用対効果が最も良い
短答企業法は、「最も短答対策が必要な科目」と巷では言われています。しかし、私はそのようには思いません。むしろ、「最も短答対策の必要がない科目」だと思っています。
理由は、肢別チェックや問題をいくらやってもきりがないですし、条文も長くて括弧書きがあったりして非常に読みにくいからです。
それくらいなら、論文の対策でおおざっぱに趣旨や本質を理解して、自分なりの趣旨や本質から推測してどれくらい解けるのかを試してみて、できなければ自分なりの理解を修正するなり、丸暗記するなりして対応すればいいように思います。
私自身は、短答前に論文企業法の勉強をほとんどしていなかったのですが、論文の勉強をしているときに、論文の勉強こそ、短答に役立つということを思いつきました。
短答の答練の問題は、選択肢が5つになるようにできています。個人的には、学習の便宜のために、選択肢が7・8個ものや、場合には10個を超えるものも出題するなど柔軟な対応をすべきだと思いますが、おそらくそういうことはしてくれないでしょう。そして、どの分野の論点も、4つや5つの選択肢で内容が網羅できるようにはなっていないので、短答の問題ばかり解いていれば、知識にアナができてしまいます。肢別チェックや類似のテキストは、短答答練の問題をバラバラにしただけなのでアナを埋めることができません。結局は、論文の対策やテキストから得た理解が必要になってきます。
たしか、阿部太朗先生の短答レジュメには「論文の勉強が不十分な者には効果がない」という注意書きが書かれていたと思いますが、その通りだと思います。
(2) 短答財務会計-最も差がつく科目
私が、1年目の短答で失敗した原因が、財務会計です。特に、ストックオプションや退職給付、減損会計など、新基準に関する論点が計算も理論もことごとく苦手で、弱点補強をする間もなく本試験を迎えてしまったという感じでした。当時は、財務会計が免除になる税理士簿財合格者がとてもうらやましかったです。
しかし、あるとき、発想を転換しました。財務は難しいのではなく、差がつく科目だというように認識を改めました。そして、財務を克服しない限り、短答は合格しないというように考えることにしました。
おそらく、試験委員はストックオプションや退職給付、減損会計などの新基準について、勉強をしてきた人と勉強をしていない人とで差をつけたいはずです。そうだとすれば、これらの論点については、知っていれば簡単に解ける問題が出るだろうし、まさか、複雑なヒッカケを出題して、差がつかないようにするはずがないでしょう。
一見して「いやだ」と思いたくなるのは、みんな同じだと思います。しかし、みんなが「いやだ」と思うからこそ、逆に差がつくのだと思います。
なお、財務会計が苦手になる原因は、①新基準に関する論点が苦手、②複雑な計算が苦手、の2つがあります。
まず、②の「複雑な計算が苦手」という点については、そもそも、解かせないように複雑な問題を出題しているのですから、問題が悪いのです。従って、「悪い問題である」と「早く」判断して、残りの解ける問題に時間をかけるようにすべきです。もちろん、正答率が高いのに勝手に「悪い問題」としてしまったら反省すべきです。また、解けない問題に時間をかけすぎたときも反省すべきです。
これに対して、①の「新基準が苦手」という点についてですが、知っているか知らないかで差がつく部分ですから、絶対に克服すべきです。そして、一つの論点をマスターするだけで、計算の問題と理論の問題が解けるようになるわけですから、一石二鳥です。しかも、財務は1問の配点が7点ですから、計算と理論で14点を確保することができます。財務の勉強をしているとき、ひとつひとつの知識に比重が重いということを意識していれば、自然に集中力も上がると思います。
(3) 管理会計・監査論-マークシートの取り違えに注意
管理会計は、①過去問(平成7年から)に出題された原価計算基準と、②予備校の答練で出題された理論部分、③日商1級レベルの計算ができればいいと思います。あまりにも複雑な計算問題や意味のわからない問題は「悪問」だと見切りをつけ、「短時間で」捨てることが重要だと思います。もちろん、「悪問」かどうかの判断は、正答率に基づいた客観的なデータと一致している必要があります。
監査論は、①監査基準等や意見書、委員会報告書の内容を把握し、②予備校の答練で出題された問題を、肢ごとに理由をつけて正誤を判断できればいいと思います。あと、短答固有の出題範囲については、短答で出題されることがわかっているので、絶対に得点すべきだと思います。
実は、それよりも、最も大事なことは、試験当日にマークシートをきちんと確認することです。監査と管理は同じ時間に行われて、同じマークシートが2枚配布されるわけですから、きっと間違える人はいるでしょう。きちんと確認しなければ、合格発表まで不安になります。ミスノートに書いたミスをしたくらいでは、短答に落ちることはありませんが、2枚のマークシートを間違えてしまえば、採点してもらえません。
(4) 問題を速く解く
科目別の対策とはあまり関係のないことですが、私は、問題を速く解くことを意識いていました。もちろん、むやみにスピードを上げるのではなく、速く正確に解くことが必要です。
受験生に与えられた時間は平等です。しかし、他人よりも量をこなしたいと思った場合、単に勉強時間を長くすればいいというものではありません。本気で勉強している人であれば、勉強時間にも限度があります。長く勉強すれば、それだけ集中力も低下してしまいます。
もし、問題を解くのが他人よりも速ければ、同じ時間で、より多くの問題を解くことができます。それによって、集中力を低下させずに、多くの勉強量をこなすことができます。別に特殊な能力が必要ではありません。単に、意識するだけです。
なお、私は、企業法であれば、20問を7~8分で解いて、常に85%以上の正解率でした。監査論は、もう少し長く、10分以上はかけていました。
1 目標は「短答合格」ではない-上位合格を目指す
受験生として、短答に合格できなければどうしようもないことは、私自身、一番よくわかっています。
しかし、あえて言いたいのが、「合格を目指さない」ということです。つまり、「論文合格に必要十分な短答合格レベル」を目指すべきです。たとえば、私の場合、得点率80%以上、順位で言えば上位5%程度で、財務を中心に得点を稼ぎ、正誤の判断ができるのみならず、理由付けを簡単に一言で説明できるようになることを心がけていました。
短答の上位合格にこだわるのは、理由があります。
第一に、短答の合格発表までの1ヶ月あまりを、ボーダーラインを気にせずに、論文対策に集中するためです(5月短答の場合)。もし、短答の点数が70%前後を下回っていたら、ボーダーラインや予備校同士で正解が割れた問題のことが気になって、勉強に集中できないと思います。
第二に、短答の知識が論文に生きることがあるからです。短答に合格すれば、ライバルは短答免除者ですが、短答免除者との差別化を図るためには、短答の時期にしかできない勉強をきちんとしておくべきです。実際に、短答模試の上位者(上位2%以内)は、ほとんどすべて論文にも合格しています。
第三に、租税や民法のような、論文にしかない科目の勉強時間を確保するためです。もし、短答をギリギリ通過できるような実力しかなければ、短答後にも短答科目をレベルアップさせなければなりませんが、そのようなことをしていれば、租税や民法に十分時間をかけることができなくなってしまいます。
なお、マークシートは、正確に読んでもらえるとは限りません。私は、自己採点の結果383点/500点だと思っていましたが、成績開示の結果376点/500点でした。財務会計の7点問題で一つマークを読み取ってもらえなかったものがあったようです。もし、合否を分けるような点数だったら、大変なことになっていました。
2 短答特化しないこと-短答の知識を論文に活かす
短答の成績が下がりはじめたとき、気持ちが焦って、短答に特化したくなる気持ちはわかります。そして、特に大原の場合、講師が短答特化を勧めるような発言をすることから、心が揺れるのはよくわかります。
しかし、いかなる事情があったとしても、以下のような理由から、短答特化はすべきではないと思います。
第一に、短答特化のために、論文の答練を受けないことにすれば、短答の知識が、短答のためにしか役立たないものになってしまいます。論文の答練を受けるからこそ、短答の知識の論文での使い方を意識できるようになります。そして、短答免除者や短答合格が確実な受験生が、論文合格のために勉強を進めているわけですから、短答合格が危ないからと言って短答特化してしまえば、確実に大きな差がついてしまいます。
第二に、論文の勉強が短答に役立つことがあるからです。実際に、肢別チェックや短答の答練だけでは、なかなか身につかなかった知識でも、論文答練を受けたり、論文答練の解説を受けたりすることによって理解が進み、知識として定着することもあります。
第三に、特に入門生の場合であれば、短答特化することによって、租税法などをおろそかにしてしまえば、次年度以降、実力が不完全であるにもかかわらず、上級の講義を受講しなければならないことになり、とりかえしがつかないことになってしまいます。
おそらく、短答に関しては、「費用対効果の高い企業法」と「差がつく財務会計」で確実に得点できれば、それほど心配する必要はないと思います。
3 科目別対策
(1) 短答企業法-費用対効果が最も良い
短答企業法は、「最も短答対策が必要な科目」と巷では言われています。しかし、私はそのようには思いません。むしろ、「最も短答対策の必要がない科目」だと思っています。
理由は、肢別チェックや問題をいくらやってもきりがないですし、条文も長くて括弧書きがあったりして非常に読みにくいからです。
それくらいなら、論文の対策でおおざっぱに趣旨や本質を理解して、自分なりの趣旨や本質から推測してどれくらい解けるのかを試してみて、できなければ自分なりの理解を修正するなり、丸暗記するなりして対応すればいいように思います。
私自身は、短答前に論文企業法の勉強をほとんどしていなかったのですが、論文の勉強をしているときに、論文の勉強こそ、短答に役立つということを思いつきました。
短答の答練の問題は、選択肢が5つになるようにできています。個人的には、学習の便宜のために、選択肢が7・8個ものや、場合には10個を超えるものも出題するなど柔軟な対応をすべきだと思いますが、おそらくそういうことはしてくれないでしょう。そして、どの分野の論点も、4つや5つの選択肢で内容が網羅できるようにはなっていないので、短答の問題ばかり解いていれば、知識にアナができてしまいます。肢別チェックや類似のテキストは、短答答練の問題をバラバラにしただけなのでアナを埋めることができません。結局は、論文の対策やテキストから得た理解が必要になってきます。
たしか、阿部太朗先生の短答レジュメには「論文の勉強が不十分な者には効果がない」という注意書きが書かれていたと思いますが、その通りだと思います。
(2) 短答財務会計-最も差がつく科目
私が、1年目の短答で失敗した原因が、財務会計です。特に、ストックオプションや退職給付、減損会計など、新基準に関する論点が計算も理論もことごとく苦手で、弱点補強をする間もなく本試験を迎えてしまったという感じでした。当時は、財務会計が免除になる税理士簿財合格者がとてもうらやましかったです。
しかし、あるとき、発想を転換しました。財務は難しいのではなく、差がつく科目だというように認識を改めました。そして、財務を克服しない限り、短答は合格しないというように考えることにしました。
おそらく、試験委員はストックオプションや退職給付、減損会計などの新基準について、勉強をしてきた人と勉強をしていない人とで差をつけたいはずです。そうだとすれば、これらの論点については、知っていれば簡単に解ける問題が出るだろうし、まさか、複雑なヒッカケを出題して、差がつかないようにするはずがないでしょう。
一見して「いやだ」と思いたくなるのは、みんな同じだと思います。しかし、みんなが「いやだ」と思うからこそ、逆に差がつくのだと思います。
なお、財務会計が苦手になる原因は、①新基準に関する論点が苦手、②複雑な計算が苦手、の2つがあります。
まず、②の「複雑な計算が苦手」という点については、そもそも、解かせないように複雑な問題を出題しているのですから、問題が悪いのです。従って、「悪い問題である」と「早く」判断して、残りの解ける問題に時間をかけるようにすべきです。もちろん、正答率が高いのに勝手に「悪い問題」としてしまったら反省すべきです。また、解けない問題に時間をかけすぎたときも反省すべきです。
これに対して、①の「新基準が苦手」という点についてですが、知っているか知らないかで差がつく部分ですから、絶対に克服すべきです。そして、一つの論点をマスターするだけで、計算の問題と理論の問題が解けるようになるわけですから、一石二鳥です。しかも、財務は1問の配点が7点ですから、計算と理論で14点を確保することができます。財務の勉強をしているとき、ひとつひとつの知識に比重が重いということを意識していれば、自然に集中力も上がると思います。
(3) 管理会計・監査論-マークシートの取り違えに注意
管理会計は、①過去問(平成7年から)に出題された原価計算基準と、②予備校の答練で出題された理論部分、③日商1級レベルの計算ができればいいと思います。あまりにも複雑な計算問題や意味のわからない問題は「悪問」だと見切りをつけ、「短時間で」捨てることが重要だと思います。もちろん、「悪問」かどうかの判断は、正答率に基づいた客観的なデータと一致している必要があります。
監査論は、①監査基準等や意見書、委員会報告書の内容を把握し、②予備校の答練で出題された問題を、肢ごとに理由をつけて正誤を判断できればいいと思います。あと、短答固有の出題範囲については、短答で出題されることがわかっているので、絶対に得点すべきだと思います。
実は、それよりも、最も大事なことは、試験当日にマークシートをきちんと確認することです。監査と管理は同じ時間に行われて、同じマークシートが2枚配布されるわけですから、きっと間違える人はいるでしょう。きちんと確認しなければ、合格発表まで不安になります。ミスノートに書いたミスをしたくらいでは、短答に落ちることはありませんが、2枚のマークシートを間違えてしまえば、採点してもらえません。
(4) 問題を速く解く
科目別の対策とはあまり関係のないことですが、私は、問題を速く解くことを意識いていました。もちろん、むやみにスピードを上げるのではなく、速く正確に解くことが必要です。
受験生に与えられた時間は平等です。しかし、他人よりも量をこなしたいと思った場合、単に勉強時間を長くすればいいというものではありません。本気で勉強している人であれば、勉強時間にも限度があります。長く勉強すれば、それだけ集中力も低下してしまいます。
もし、問題を解くのが他人よりも速ければ、同じ時間で、より多くの問題を解くことができます。それによって、集中力を低下させずに、多くの勉強量をこなすことができます。別に特殊な能力が必要ではありません。単に、意識するだけです。
なお、私は、企業法であれば、20問を7~8分で解いて、常に85%以上の正解率でした。監査論は、もう少し長く、10分以上はかけていました。
▼ 2008/12/07(日) (合格体験記)論文対策
第四 論文対策
1 短答受験者と短答免除者の差-現実の厳しさ
TAC全答練は、短答受験者・短答免除者・科目免除者といった属性ごとに成績分布を発表します。みごとに、短答受験者<短答免除者<科目免除者という序列になっています。
確かに、TAC全答練2回目は、短答合格発表の直後にあり、短答受験者にはかなり厳しい日程になってしまっているためだともいえそうですが、実際の本試験の合格率も、この序列になってしまっています。これは、厳然たる現実です。監査法人で多くの合格者と知り合うことになりましたが、科目免除者・短答免除者は想像以上に多いです。
しかし、現実だからと言って、一発合格しなくていいわけがありません。現実を受け止めた上で、一発合格することを考えなければならないのです。
私は、そのような現実を知っていたため、論文全答練で成績を取ること自体はあきらめました。もちろん、良い成績をとれればベストですが、短答免除者と短答受験者では条件が違いすぎるので、無理な目標になってしまうからです。
そのような事情から、論文全答練で成績を取ることは目標にせず、短答の模擬試験で論文合格に必要十分な成績を取ることを目標にしました。そのうえで、全答練・公開模試の成績が関係ないと言い切れるだけの勉強をすればいいのだと思います。
ここでも言いたいことは、短答受験者は、短答免除者に対して非常に大きな差をつけられているため、普通にやっているだけでは非常に厳しいということです。
2 私のこだわり
(1) 早朝のステップ・アクセスにこだわる
話は変わりますが、私がこだわっていたことの一つとして、「早朝の」ステップがあります。答練を受け続けること自体は、受講生としてお金を払っている以上当然のことなのですが、あえて「早朝」で受け続けました。
それは、一年を通じての達成感が欲しかったし、達成可能な目標だったからです。やや自己満足なところもありますが、早朝のステップを受験したことで、勉強時間を増やすことが可能になったと思います。
私の成績開示結果を見る限り、計算科目について早朝ステップの成果は現れませんでした。しかし、早朝に起きるという習慣は、非常に重要になることがあります。たとえば、仕事をしながら他の勉強をしたいという場合、夜では疲れてしまうし、勉強のリズムが不規則になります。したがって、朝早く起きて勉強する必要があります。
(2) 民法選択-多数派の位置づけに巻き込まれるな!
民法選択の優位性はブログで紹介済みですが(短期集中学習が可能、試験範囲が客観的、会社法等との関連性、法文参照できて暗記量が少ない、白紙の危険が少ない)、とくにここで強調しておきたいのは、マイナー科目であるがゆえに多数派のなかでの位置づけに巻き込まれなかったと言うことです。
実際に、公開模試・全答練の成績と本試験の成績はかなり比例しているように思われます。そうなると、経営学を選択していた場合、多数派の中の位置づけが、そのまま本試験に影響してしまいます。短答受験者が全答練・公開模試で苦戦し、論文試験の合格率においても苦戦することは公表データによってはじめからわかっています。
したがって、短答受験者としては、多数派の位置づけに組み込まれることは可能な限り避ける必要があります。
この点、民法を選択していた場合、多数派の中での位置づけを引き継ぐのは7分の6で、少なくとも7分の1に関しては逆転の余地があると言うことになります。
それから、もうひとつ気づいたことですが、民法を選択すれば、運に左右されたり、所属予備校に左右されることがなくなり、結果を謙虚に受け止めることができます。
他の「賢い人」の成績開示によると、経営学の偏差値が66.1で100番台だったそうですが、前年は経営学が原因で、総合得点率0.1未満の差で落ちています。真剣に勉強しているのであれば、所属予備校のせいで落ちるとか、知っているか知らないのかの差で落ちることはなんとしてでも避けたいと思うのが通常です。
もともとは、すでに、経営学・統計学を選択して短答も論文もうまくいっている人に対して、無理に民法選択を推奨するつもりはありませんでした。しかし、特に経営学の場合は、どこの予備校で学習していたかどうかで大きく得点が変動し、知っている問題が出れば高得点で二桁順位合格、知らない問題が出ればお手上げで0.1未満の差で落ちるというようなかたちになるので、合否が運に左右されやすくなるようです。
したがって、やはり、運に左右されず、未知の出題があったとしても大失点を避けることのできる民法を選択することが賢明であると改めて感じました。
(3) 過去問-試験委員の要求水準と現実の合格水準を知る
TACも大原も、たくさんの良問を提供してくれます。しかし、これらの問題が良問とは言っても、知識を増やすのに良問というだけです。
これに対して、過去問は、試験委員が、公認会計士試験(または二次試験)の目的に照らして、作成されています。そして、予備校の問題とは異なり、絶対的な解答は存在しません。限度はありますが、いろいろな解答がありえます。複数の予備校の解答速報や解説を見比べると、本当に面白いです。
また、試験委員は、間違いなく、過去問を参考にして問題を作っています。過去問に出題されたから今年は出題しないというのもあるかもしれませんし、過去問に出題して、大きく差がついたから再び出題してみようということもありえます。論点こそ違っても、ヒントの与え方が共通していることもあります。
そして、それを各予備校がいろいろな角度から分析しているのも面白いですが、最も参考になるのが、出題の趣旨(2005年から公表)とcpa-lab再現答案だと思います。出題の趣旨は、出題者が要求する理想の水準であり、再現答案は、合格者の現実の水準です。が、合格者といっても、私の監査論の第1問のように、全受験生の中でも再開に近い答案もあります。また、科目合格に達していなくても、相当上位の評価を受けている大問もあります。
過去問について出題者が要求する水準・方向性と、現実の水準を知ってしまえば、試験委員のニーズにあった方向性で勉強できることになります。そうなると、予備校の問題だけをやっている優秀者との差を大きく縮め、追い越すことができるかもしれません。
なお、過去問を本気で解く作業からは、得られるものが大きい反面、結構大変な作業ですし、時間もかかります。特に、計算科目の過去問を解くのは大変な労力がかかります。その観点からは、過去問の量が多い経済学を選択するのは得策とはいえません。おそらく、財務(簿記)と管理(原価計算)の過去問を解くよりもはるかに大きな労力が必要です。他方で、過去問が少ない統計学を選択することも、長期的な過去問分析をすることによって試験委員のニーズを把握することが困難なためよろしくないと思います。
(4) 白紙を作らない-1点でもおおくもぎ取る
白紙は、どんなことがあっても0点です。たとえば、過去の本試験で、問題に不備があって、全員に一律加点をすることがあったそうですが、そのような場合でも、白紙の答案には加点がされなかったようです。TACの全答練では、ビッシリ書いても0点になることがありますが、だからといって、本試験でも0点になるとは限りません。点数が来るかどうかは、自分が決めることでも、TAC講師が決めることでもありません。試験委員が決めることです。とはいっても、私の素点結果を見る限り、「書き賃」は期待すべきではありません。
また、極端に分量の少ない答案も、良くないと思います。出題者は、解答に必要な分量の解答欄を与えているわけですから、「その分量で書きなさい」という指示に反することになります。それに、極端に分量が少ないと、「簡潔」というよりは「何かが足りない」というような予断を与えることになり、あら探しをされる可能性があります。
私は、余計なことであっても「書かない」よりは「ちょっとだけ書く」ほうがマシだと考えています。だいたい、「書く」か「書かない」かを迷うような場合、正常な判断ができない状況に陥っています。そのようなときに「書かない」と判断したことが誤っていれば、その部分の得点を失います。これに対して、余計なこととはいえ「ちょっとだけ書く」場合、仮にその判断が誤っていたとしても、スペースが狭くなって書くべきことが書きづらくなるだけで、印象は悪くなっても点数を失うことはないと思います。
(5) 試験委員の話を聞く-出題者の意向と現実を知る
出題の裏話や、採点の実情を本当に知っているのは、元試験委員しかいません。
その試験委員の裏話を聞くことのできる講演会を開催してくれる予備校は、大原(無料)とLEC(有料1000円)です。しかも、いずれの講演会も、ライブで参加すれば、元試験委員による講演だけでなく、直截質問することができます。大原の場合、受講生がマイクを持って、元試験委員に質問することもできます。札幌や小倉であれば、双方向のビデオでつながれており、画面を通じて会話をしながら質問をしている人もいました。LECは、紙に書いて質問する形式だったと思います。講演にかかわる内容が好ましいのかもしれませんが、実際にはどのようなことを質問してもかまいません。受講生がよい質問をすれば、元試験委員から重要な情報を聞きだすことができます。そして、その情報は、その受講生本人だけでなく、講演会を開催した予備校にとっても大きなメリットになります。
大原の場合、7月頃に、プランニングセミナーとセットで翌年目標の受講生を対象に元試験委員の講演会を行うのですが、論文直前の受講生こそ参加すべき内容だと思いました。
なお、このような講演会は、大原やLECの受講生でなくても、参加することはできますし、参加して、どんどんよい質問をすべきでしょう。
(6) 基本書主義について
試験委員の話をきくことと関連して、基本書(試験委員をはじめとする学者の書いた教科書)を使ったほうがいいのかについても考えたことがありましたが、民法・企業法は基本書を使い、それ以外は、持っているだけで結局使いませんでした。
基本書を使うことには、メリットもデメリットもあります。そのあたりをわきまえて使わないと、単に情報量が増えて、予備校のテキストも基本書も理解できないままになってしまうことになると思います。
まず、基本書のメリットですが、①一次的な情報であること(予備校テキストは基本書を参考にしているので二次情報です)、②著者の考え方・主張が一貫していて、その一貫した考え方・主張を手がかりに理解できること、③本試験のネタ本になっている可能性があること、です。
しかし、他方で、①予備校が上手くまとめているので、二次情報である予備校テキストのほうが理解しやすい、②基本書は、考え方・主張を一貫させるため、都合の悪いことは書かれておらず、網羅性に欠けること(受験生に対する配慮より、自説や師匠の説に対する配慮が優先されている。)、③試験委員が多いため、ネタ本を追い掛け回すと無限にやることが増えてしまう、というデメリットがあります。
このようなメリット・デメリットを考えると、会計学・監査論については、基本書を使うことにはメリットよりもデメリットのほうが多いと思います。予備校がテキスト・レジュメで上手くまとめてくれているので、あまり必要性を感じませんでした。また、基準の文言や結論の背景がベースになっているので、考え方どうこうの問題ではないような気がします。ネタ本を追い掛け回すことについても、非常に多いので自分でやるよりも講師に任せたほうが効率的です。
しかし、法律科目については、話が違います。法律分野の大学教授は、わかりやすいテキストを書く能力に秀でています。というより、わかりやすいテキストを書けるかどうかで、法科大学院の教育能力を判断されてしまうので、比較的受験生に対する配慮がなされています。また、法科大学院では双方向で授業が行われているため、法律分野の大学教授は、学生のレベル・学生の苦手分野というものをよく知っています。また、特に民法は試験委員が少ないので、ネタ本を追い掛け回してもそれほど負担になりません。企業法の場合も、学者同士の力関係がはっきりしているので、ネタ本を効率的に追い掛け回すことも不可能ではありません。
ただ、会計学・監査論でも「スタンダードテキスト」という本は、試験委員が共著で書かれているので、持っていても損はないかもしれません。岡本清先生の「原価計算」は、内容はとてもすばらしいのですが、あの分厚さと活字と価格設定は何とかならないのかと思いました。紙質を変えてもっと薄くなるようにして、価格設定を3500円以内に抑えるとか工夫して欲しいです。
(7) 全答練・公開模試の受け方
私は、全答練・公開模試できちんとした成績を残すことについてはあきらめていたのですが、受験の仕方については、徹底的にこだわりました。きちんとした成績を残せない以上、復習の仕方や受験の仕方にこだわらなければ、優秀者との差は縮まりません。
まず、TAC全答練についてです。かなり多くの受験生がTAC全答練を土日ではなく、平日受験するようです。しかし、私は、徹底的に、土日受験にこだわりました。
理由は、第一に、3日か2日かの違いです。平日受験をすれば、勉強時間が3日とられてしまいます。大原は統一日程で3日受験のみなので、TACでも3日間とられてしまったら、直前期に大きなダメージになってしまいます。しかも、大原生の場合、大原の日程自体が全答練を平日受験することを想定していないので、スケジュールがグチャグチャになります。
第二に、復習のタイミングの違いです。TACは、平日受験をすれば、試験終了直後に解答解説をもらうことができません。翌週の月曜日まで待たされます。そして、そんなに待ってしまっていては記憶が薄れてしまいます。これに対して、土日受験をすれば、試験終了直後に解答解説をもらうことができ、記憶が新鮮なうちに復習できます。全答練の解説講義は、受験生の出来をふまえたうえでの講義なので、解説講義を聴きながら相対的な位置づけを把握することもできます。
それから、もう一つのこだわりが、自分の答案をコピーすることです。TAC全答練にもきちんとした解説がありますが、自分の答案を見ながら解説を聞くのと、手元になくただ聞いているのだけでは、大きな違いがあると思います。コピーを持っていれば、それこそ講師に質問に行ったついでに答案を見てもらうことも可能です。自分の答案のコピーを見ながら解説講義を聴けば、かなり正確に相対的な位置づけを把握することができます。
次に、大原の公開模試についてですが、普段利用している校舎ではなく、あまり行かない校舎で受験することにこだわりました。
もし、大原の特定の校舎が、受験手続きを代行して、受講生のために連番号を取得しているのであれば、普段利用している校舎で公開模試を受験すべきでしょう。
しかし、本試験は知らない人と一緒に受験しなければなりません。周囲はいつものメンバーで、大原の当該校舎の講師が試験監督をしているような状況では、本試験のような雰囲気での受験とはいえません。
したがって、あまり行かない校舎で、知らない人と一緒に公開模試を受験するように心がけていました。
さらに、全答練・公開模試に共通することですが、解説講義は、DVDレンタルで受講した方が、時間が助かります。どういうわけか、TAC・大原とも、教室放映で休み時間が多すぎます。特に、大原は昼休みが長すぎます。休み時間なし、倍速で聞けば、1.5コマ分は勉強時間を生み出すことができます。ちなみに、TACはDVDブース無料で、大原はDVDレンタルは有料だったと思いますが、お金を払ってでも時間が欲しいと思い、DVDレンタルで倍速視聴しました。
なお、短答不合格だった場合に第2回論文全答練・公開模試を受験すべきかについて考えてみました。
確かに、翌年の一発合格者が公開模試や全答練を受験していないことを考えれば、短答不合格者が公開模試や全答案練習を受けることは必須ではないともいえそうです。実際に、大原のデータによるとほとんど受けてなさそうです。
しかし、短答不合格者の強みを活かす点からは受けるべきだと思います。理由は、論文受験生の母集団のなかでの位置付けがわかる数少ない機会だからです。論文試験が迫っていない分、いろいろと試すことができます。たとえば、企業法か監査論だけをひたすら勉強して、どこまでの成績が残せるのかも試すことができますし、特定の科目をまったく勉強せずに受験すれば、ヤマが外れた状態での自分の位置づけもわかります。
また、特に全答練の場合は、その年の問題は本試験で出題からはずされることが多いですが、十分な根拠を持って予想されているので翌年には的中する可能性があります。資料をもらうだけよりも実際に解いたほうが印象に残るのは明らかです。
そういうわけで、翌年の一発合格者が受験していないからこそ、短答不合格者は第2回全答練・公開模試は受験したほうがいいと思います。
(8) 上級の罠
私は、1年目がTACで2年目が大原でしたが、ひとつ大きな誤算がありました。それは、「上級」の講座選択です。
TACの場合、「上級」といっても、入門・基礎マスターから上がってきたばかりの人が半分以上いるため、夏上級・秋上級に関しては、きちんと丁寧に講義が行われます。いわば、「わかっていない人」が前提の講義になっています。
これに対して、大原は、入門生は最後まで入門生用の講義を受講することになり、受験経験者が「上級」の講義を受講することになっています。したがって、入門生用の講義をきちんとマスターしていることが前提になっており、きちんと網羅的に講義が行われていないような感じがしました。いわば、「わかっている人」が前提の講義です。
これは、TACから大原に変えようと思っている人に対する注意だけでなく、大原の入門生も注意すべき点です。つまり、大原の入門生は、入門生としてのカリキュラムからドロップアウトしてしまえば、不完全な実力(わかっていない人)のまま、翌年以降は上級生としての不完全なカリキュラム(わかっている人を前提としたカリキュラム)を永遠に受講させられることになってしまいます。
3 科目別戦略
(1) 企業法・民法・租税理論-民法の方法論を応用する
企業法は、答案構成の骨格を覚えることが重要だと思います。中身は二の次です。中身が多少まずくても「減点」ですみますが、骨格ができていなければ、配点のある部分について「減点」どころか「零点」になってしまいます。特に、適切な場合分けを要する問題では要注意です。
民法は、事案を把握して当事者の法律関係を分析し、条文に当てはめ、条文で解決できなかったら論点で論証(反対説、しかし批判、そもそも趣旨、従って自説。)を行い、問題文の指示に従って常識的な解決をするだけだと思います。そして、その事案解決の流れが、答案構成の骨格になります。
そして、この民法のやりかたは、租税法の事例問題にも応用できます(課税庁の見解、しかし批判、そもそも趣旨、従って納税者側の見解。)。もちろん、課税庁が有利な見解になっても、判例の結論に賛成しても反対してもどっちでもいいと思います。
なお、企業法で事例問題が出題された場合にも同じように応用できます。試験委員は、事例を出せば差がつくと言うことに気づき始めたようなので、民法のようなノリで企業法の答案を書かなければならないことになるかもしれません。
(2) 会計学、監査論―短答で頑張る。
このあたりの科目について、私には語る資格はありません。短答で可能な限り貯金をして、余力でいきましょう。せっかく配布される法令基準集と、問題文をフルに活用しましょう。
しかし、あまりにも法令基準集に頼りすぎるのも禁物です。意見書の内容や結論の背景、監査基準など、見なくても書くべきものについては、書けないとかなり低い評価になってしまいます。
あと、私は結果的には会計学でc評価を獲得できたのですが、会計学でc評価以上をとれるとかなり有利だと思います。ここからは推測でしかないのですが、①会計学がc、または②複数科目合格であれば、他にアシきり科目がない限りほぼ合格するような気がします。
なお、個人的な感想としては、インターンで行われるようなグループワークのケーススタディがとても勉強になると思いますが、リクルートの一環や内定承諾者対象として行われているため、残念なことに短答免除者しか参加できません。
私自身は、短答に合格していない人にも、こういうケーススタディへの参加を認めるべきだと思うので、いろいろなところで、「短答に合格していない人にも参加を認めるべきだ」ということを強く主張しています。
(3) ミスを気にしない
これも、科目別の対策とは関係ありませんが、私は、ミスノートを作ったりはしませんでした。ミスノートを作ってそのつど反省したとしても、新たなミスをしてしまうため、結局ミスを防ぐことはできないからです。また、ミスノートが増えすぎると、どれが大事なミスなのかよくわからなくなり、かえって注意力が散漫になってしまいます。
そもそも、なぜケアレスミスをしてはいけないのでしょうか? それは、ケアレスミスをすることによって、合格ラインを割り込むことがあるからなのです。そうだとすれば、ケアレスミスを防ぐという不可能なことに挑戦することよりも、ミスをしても合格ラインを割り込まない実力をつけることのほうが、実行可能であるし、よほど有意義だと思います。
そして、ミスをしてもいいんだというように気楽に構えていれば、結局のところは安心することができるため、ミスが減るように思います。
ただ、絶対にしてはならないミスはもちろんあります。それは、「受験番号に関するもの」と「答案用紙の取り違えに関するもの」です。受験番号に関しては、書かなければ0点です。また、答案用紙に関しては、ほとんどの科目ではありえないことだと思いますが、民法の場合は、同じような答案用紙が4枚なので、きちんと確認しなければミスしてしまいます。企業法についても、小問数が同じ場合は、取り違えの危険は十分にあります。この2つのミスに関しては、最大の注意を払ってください。
4 重要な注意点
私は、短答に関しては、上位合格することを常に意識していたのですが、論文に関しては上位合格をあまり意識してきませんでした。実際、当時の学習記録を見返しても、論文の上位合格を意識した記述は見当たりません。
もちろん、短答前であれば、短答合格に必死だったこともあって、論文の上位合格を考える余裕がなかったせいかもしれませんが、短答後も、監査法人の説明会で短答免除者のお話をきいていたためか、短答合格だけで就職できて、仕事をしながら合格して、実務補習所の短縮制度を利用すれば、修了試験・公認会計士登録のタイミングは遅れないと考えていました。
しかし、当時の私のような考え方は、絶対にしないでください。
第一に、2009年以降、短答免除だけで本当に就職できるかどうかはわからないからです。TACキャリアサポートセンターによると、短答免除による就職(合格を条件としない内定)は、全答練超上位者に対するオマケのようなものらしいです。
第二に、仮に就職できたとしても、補習所は2年目に通うことになりますが、2年目の監査業務の質・量を考えると、補習所の1年目と両立できるかどうかがわからないからです。おそらく、補習所の1年目と監査法人の1年目の業務との両立は考慮されているとは思いますが、監査法人の2年目との両立には配慮されていないと思います。
第三に、試験にケアレスミスやド忘れはつきものだからです。前述の「ミスを気にしない」というのも、ミスをカバーできるだけの実力があることが大前提です。また、私の監査論のド忘れも、それさえなければ、総合得点率は54ほどになり、1500位~2000位で合格できたことになります。あのド忘れで1000人~1700人に抜かれてしまったことになるわけですから、本当に恐ろしいというしかありません。
たまたま運よく、ド忘れで1000人以上に抜かれても生き残ることができましたが、私の最も反省しなければならない点を挙げるとすれば、当時の甘い考え方だと思います。
1 短答受験者と短答免除者の差-現実の厳しさ
TAC全答練は、短答受験者・短答免除者・科目免除者といった属性ごとに成績分布を発表します。みごとに、短答受験者<短答免除者<科目免除者という序列になっています。
確かに、TAC全答練2回目は、短答合格発表の直後にあり、短答受験者にはかなり厳しい日程になってしまっているためだともいえそうですが、実際の本試験の合格率も、この序列になってしまっています。これは、厳然たる現実です。監査法人で多くの合格者と知り合うことになりましたが、科目免除者・短答免除者は想像以上に多いです。
しかし、現実だからと言って、一発合格しなくていいわけがありません。現実を受け止めた上で、一発合格することを考えなければならないのです。
私は、そのような現実を知っていたため、論文全答練で成績を取ること自体はあきらめました。もちろん、良い成績をとれればベストですが、短答免除者と短答受験者では条件が違いすぎるので、無理な目標になってしまうからです。
そのような事情から、論文全答練で成績を取ることは目標にせず、短答の模擬試験で論文合格に必要十分な成績を取ることを目標にしました。そのうえで、全答練・公開模試の成績が関係ないと言い切れるだけの勉強をすればいいのだと思います。
ここでも言いたいことは、短答受験者は、短答免除者に対して非常に大きな差をつけられているため、普通にやっているだけでは非常に厳しいということです。
2 私のこだわり
(1) 早朝のステップ・アクセスにこだわる
話は変わりますが、私がこだわっていたことの一つとして、「早朝の」ステップがあります。答練を受け続けること自体は、受講生としてお金を払っている以上当然のことなのですが、あえて「早朝」で受け続けました。
それは、一年を通じての達成感が欲しかったし、達成可能な目標だったからです。やや自己満足なところもありますが、早朝のステップを受験したことで、勉強時間を増やすことが可能になったと思います。
私の成績開示結果を見る限り、計算科目について早朝ステップの成果は現れませんでした。しかし、早朝に起きるという習慣は、非常に重要になることがあります。たとえば、仕事をしながら他の勉強をしたいという場合、夜では疲れてしまうし、勉強のリズムが不規則になります。したがって、朝早く起きて勉強する必要があります。
(2) 民法選択-多数派の位置づけに巻き込まれるな!
民法選択の優位性はブログで紹介済みですが(短期集中学習が可能、試験範囲が客観的、会社法等との関連性、法文参照できて暗記量が少ない、白紙の危険が少ない)、とくにここで強調しておきたいのは、マイナー科目であるがゆえに多数派のなかでの位置づけに巻き込まれなかったと言うことです。
実際に、公開模試・全答練の成績と本試験の成績はかなり比例しているように思われます。そうなると、経営学を選択していた場合、多数派の中の位置づけが、そのまま本試験に影響してしまいます。短答受験者が全答練・公開模試で苦戦し、論文試験の合格率においても苦戦することは公表データによってはじめからわかっています。
したがって、短答受験者としては、多数派の位置づけに組み込まれることは可能な限り避ける必要があります。
この点、民法を選択していた場合、多数派の中での位置づけを引き継ぐのは7分の6で、少なくとも7分の1に関しては逆転の余地があると言うことになります。
それから、もうひとつ気づいたことですが、民法を選択すれば、運に左右されたり、所属予備校に左右されることがなくなり、結果を謙虚に受け止めることができます。
他の「賢い人」の成績開示によると、経営学の偏差値が66.1で100番台だったそうですが、前年は経営学が原因で、総合得点率0.1未満の差で落ちています。真剣に勉強しているのであれば、所属予備校のせいで落ちるとか、知っているか知らないのかの差で落ちることはなんとしてでも避けたいと思うのが通常です。
もともとは、すでに、経営学・統計学を選択して短答も論文もうまくいっている人に対して、無理に民法選択を推奨するつもりはありませんでした。しかし、特に経営学の場合は、どこの予備校で学習していたかどうかで大きく得点が変動し、知っている問題が出れば高得点で二桁順位合格、知らない問題が出ればお手上げで0.1未満の差で落ちるというようなかたちになるので、合否が運に左右されやすくなるようです。
したがって、やはり、運に左右されず、未知の出題があったとしても大失点を避けることのできる民法を選択することが賢明であると改めて感じました。
(3) 過去問-試験委員の要求水準と現実の合格水準を知る
TACも大原も、たくさんの良問を提供してくれます。しかし、これらの問題が良問とは言っても、知識を増やすのに良問というだけです。
これに対して、過去問は、試験委員が、公認会計士試験(または二次試験)の目的に照らして、作成されています。そして、予備校の問題とは異なり、絶対的な解答は存在しません。限度はありますが、いろいろな解答がありえます。複数の予備校の解答速報や解説を見比べると、本当に面白いです。
また、試験委員は、間違いなく、過去問を参考にして問題を作っています。過去問に出題されたから今年は出題しないというのもあるかもしれませんし、過去問に出題して、大きく差がついたから再び出題してみようということもありえます。論点こそ違っても、ヒントの与え方が共通していることもあります。
そして、それを各予備校がいろいろな角度から分析しているのも面白いですが、最も参考になるのが、出題の趣旨(2005年から公表)とcpa-lab再現答案だと思います。出題の趣旨は、出題者が要求する理想の水準であり、再現答案は、合格者の現実の水準です。が、合格者といっても、私の監査論の第1問のように、全受験生の中でも再開に近い答案もあります。また、科目合格に達していなくても、相当上位の評価を受けている大問もあります。
過去問について出題者が要求する水準・方向性と、現実の水準を知ってしまえば、試験委員のニーズにあった方向性で勉強できることになります。そうなると、予備校の問題だけをやっている優秀者との差を大きく縮め、追い越すことができるかもしれません。
なお、過去問を本気で解く作業からは、得られるものが大きい反面、結構大変な作業ですし、時間もかかります。特に、計算科目の過去問を解くのは大変な労力がかかります。その観点からは、過去問の量が多い経済学を選択するのは得策とはいえません。おそらく、財務(簿記)と管理(原価計算)の過去問を解くよりもはるかに大きな労力が必要です。他方で、過去問が少ない統計学を選択することも、長期的な過去問分析をすることによって試験委員のニーズを把握することが困難なためよろしくないと思います。
(4) 白紙を作らない-1点でもおおくもぎ取る
白紙は、どんなことがあっても0点です。たとえば、過去の本試験で、問題に不備があって、全員に一律加点をすることがあったそうですが、そのような場合でも、白紙の答案には加点がされなかったようです。TACの全答練では、ビッシリ書いても0点になることがありますが、だからといって、本試験でも0点になるとは限りません。点数が来るかどうかは、自分が決めることでも、TAC講師が決めることでもありません。試験委員が決めることです。とはいっても、私の素点結果を見る限り、「書き賃」は期待すべきではありません。
また、極端に分量の少ない答案も、良くないと思います。出題者は、解答に必要な分量の解答欄を与えているわけですから、「その分量で書きなさい」という指示に反することになります。それに、極端に分量が少ないと、「簡潔」というよりは「何かが足りない」というような予断を与えることになり、あら探しをされる可能性があります。
私は、余計なことであっても「書かない」よりは「ちょっとだけ書く」ほうがマシだと考えています。だいたい、「書く」か「書かない」かを迷うような場合、正常な判断ができない状況に陥っています。そのようなときに「書かない」と判断したことが誤っていれば、その部分の得点を失います。これに対して、余計なこととはいえ「ちょっとだけ書く」場合、仮にその判断が誤っていたとしても、スペースが狭くなって書くべきことが書きづらくなるだけで、印象は悪くなっても点数を失うことはないと思います。
(5) 試験委員の話を聞く-出題者の意向と現実を知る
出題の裏話や、採点の実情を本当に知っているのは、元試験委員しかいません。
その試験委員の裏話を聞くことのできる講演会を開催してくれる予備校は、大原(無料)とLEC(有料1000円)です。しかも、いずれの講演会も、ライブで参加すれば、元試験委員による講演だけでなく、直截質問することができます。大原の場合、受講生がマイクを持って、元試験委員に質問することもできます。札幌や小倉であれば、双方向のビデオでつながれており、画面を通じて会話をしながら質問をしている人もいました。LECは、紙に書いて質問する形式だったと思います。講演にかかわる内容が好ましいのかもしれませんが、実際にはどのようなことを質問してもかまいません。受講生がよい質問をすれば、元試験委員から重要な情報を聞きだすことができます。そして、その情報は、その受講生本人だけでなく、講演会を開催した予備校にとっても大きなメリットになります。
大原の場合、7月頃に、プランニングセミナーとセットで翌年目標の受講生を対象に元試験委員の講演会を行うのですが、論文直前の受講生こそ参加すべき内容だと思いました。
なお、このような講演会は、大原やLECの受講生でなくても、参加することはできますし、参加して、どんどんよい質問をすべきでしょう。
(6) 基本書主義について
試験委員の話をきくことと関連して、基本書(試験委員をはじめとする学者の書いた教科書)を使ったほうがいいのかについても考えたことがありましたが、民法・企業法は基本書を使い、それ以外は、持っているだけで結局使いませんでした。
基本書を使うことには、メリットもデメリットもあります。そのあたりをわきまえて使わないと、単に情報量が増えて、予備校のテキストも基本書も理解できないままになってしまうことになると思います。
まず、基本書のメリットですが、①一次的な情報であること(予備校テキストは基本書を参考にしているので二次情報です)、②著者の考え方・主張が一貫していて、その一貫した考え方・主張を手がかりに理解できること、③本試験のネタ本になっている可能性があること、です。
しかし、他方で、①予備校が上手くまとめているので、二次情報である予備校テキストのほうが理解しやすい、②基本書は、考え方・主張を一貫させるため、都合の悪いことは書かれておらず、網羅性に欠けること(受験生に対する配慮より、自説や師匠の説に対する配慮が優先されている。)、③試験委員が多いため、ネタ本を追い掛け回すと無限にやることが増えてしまう、というデメリットがあります。
このようなメリット・デメリットを考えると、会計学・監査論については、基本書を使うことにはメリットよりもデメリットのほうが多いと思います。予備校がテキスト・レジュメで上手くまとめてくれているので、あまり必要性を感じませんでした。また、基準の文言や結論の背景がベースになっているので、考え方どうこうの問題ではないような気がします。ネタ本を追い掛け回すことについても、非常に多いので自分でやるよりも講師に任せたほうが効率的です。
しかし、法律科目については、話が違います。法律分野の大学教授は、わかりやすいテキストを書く能力に秀でています。というより、わかりやすいテキストを書けるかどうかで、法科大学院の教育能力を判断されてしまうので、比較的受験生に対する配慮がなされています。また、法科大学院では双方向で授業が行われているため、法律分野の大学教授は、学生のレベル・学生の苦手分野というものをよく知っています。また、特に民法は試験委員が少ないので、ネタ本を追い掛け回してもそれほど負担になりません。企業法の場合も、学者同士の力関係がはっきりしているので、ネタ本を効率的に追い掛け回すことも不可能ではありません。
ただ、会計学・監査論でも「スタンダードテキスト」という本は、試験委員が共著で書かれているので、持っていても損はないかもしれません。岡本清先生の「原価計算」は、内容はとてもすばらしいのですが、あの分厚さと活字と価格設定は何とかならないのかと思いました。紙質を変えてもっと薄くなるようにして、価格設定を3500円以内に抑えるとか工夫して欲しいです。
(7) 全答練・公開模試の受け方
私は、全答練・公開模試できちんとした成績を残すことについてはあきらめていたのですが、受験の仕方については、徹底的にこだわりました。きちんとした成績を残せない以上、復習の仕方や受験の仕方にこだわらなければ、優秀者との差は縮まりません。
まず、TAC全答練についてです。かなり多くの受験生がTAC全答練を土日ではなく、平日受験するようです。しかし、私は、徹底的に、土日受験にこだわりました。
理由は、第一に、3日か2日かの違いです。平日受験をすれば、勉強時間が3日とられてしまいます。大原は統一日程で3日受験のみなので、TACでも3日間とられてしまったら、直前期に大きなダメージになってしまいます。しかも、大原生の場合、大原の日程自体が全答練を平日受験することを想定していないので、スケジュールがグチャグチャになります。
第二に、復習のタイミングの違いです。TACは、平日受験をすれば、試験終了直後に解答解説をもらうことができません。翌週の月曜日まで待たされます。そして、そんなに待ってしまっていては記憶が薄れてしまいます。これに対して、土日受験をすれば、試験終了直後に解答解説をもらうことができ、記憶が新鮮なうちに復習できます。全答練の解説講義は、受験生の出来をふまえたうえでの講義なので、解説講義を聴きながら相対的な位置づけを把握することもできます。
それから、もう一つのこだわりが、自分の答案をコピーすることです。TAC全答練にもきちんとした解説がありますが、自分の答案を見ながら解説を聞くのと、手元になくただ聞いているのだけでは、大きな違いがあると思います。コピーを持っていれば、それこそ講師に質問に行ったついでに答案を見てもらうことも可能です。自分の答案のコピーを見ながら解説講義を聴けば、かなり正確に相対的な位置づけを把握することができます。
次に、大原の公開模試についてですが、普段利用している校舎ではなく、あまり行かない校舎で受験することにこだわりました。
もし、大原の特定の校舎が、受験手続きを代行して、受講生のために連番号を取得しているのであれば、普段利用している校舎で公開模試を受験すべきでしょう。
しかし、本試験は知らない人と一緒に受験しなければなりません。周囲はいつものメンバーで、大原の当該校舎の講師が試験監督をしているような状況では、本試験のような雰囲気での受験とはいえません。
したがって、あまり行かない校舎で、知らない人と一緒に公開模試を受験するように心がけていました。
さらに、全答練・公開模試に共通することですが、解説講義は、DVDレンタルで受講した方が、時間が助かります。どういうわけか、TAC・大原とも、教室放映で休み時間が多すぎます。特に、大原は昼休みが長すぎます。休み時間なし、倍速で聞けば、1.5コマ分は勉強時間を生み出すことができます。ちなみに、TACはDVDブース無料で、大原はDVDレンタルは有料だったと思いますが、お金を払ってでも時間が欲しいと思い、DVDレンタルで倍速視聴しました。
なお、短答不合格だった場合に第2回論文全答練・公開模試を受験すべきかについて考えてみました。
確かに、翌年の一発合格者が公開模試や全答練を受験していないことを考えれば、短答不合格者が公開模試や全答案練習を受けることは必須ではないともいえそうです。実際に、大原のデータによるとほとんど受けてなさそうです。
しかし、短答不合格者の強みを活かす点からは受けるべきだと思います。理由は、論文受験生の母集団のなかでの位置付けがわかる数少ない機会だからです。論文試験が迫っていない分、いろいろと試すことができます。たとえば、企業法か監査論だけをひたすら勉強して、どこまでの成績が残せるのかも試すことができますし、特定の科目をまったく勉強せずに受験すれば、ヤマが外れた状態での自分の位置づけもわかります。
また、特に全答練の場合は、その年の問題は本試験で出題からはずされることが多いですが、十分な根拠を持って予想されているので翌年には的中する可能性があります。資料をもらうだけよりも実際に解いたほうが印象に残るのは明らかです。
そういうわけで、翌年の一発合格者が受験していないからこそ、短答不合格者は第2回全答練・公開模試は受験したほうがいいと思います。
(8) 上級の罠
私は、1年目がTACで2年目が大原でしたが、ひとつ大きな誤算がありました。それは、「上級」の講座選択です。
TACの場合、「上級」といっても、入門・基礎マスターから上がってきたばかりの人が半分以上いるため、夏上級・秋上級に関しては、きちんと丁寧に講義が行われます。いわば、「わかっていない人」が前提の講義になっています。
これに対して、大原は、入門生は最後まで入門生用の講義を受講することになり、受験経験者が「上級」の講義を受講することになっています。したがって、入門生用の講義をきちんとマスターしていることが前提になっており、きちんと網羅的に講義が行われていないような感じがしました。いわば、「わかっている人」が前提の講義です。
これは、TACから大原に変えようと思っている人に対する注意だけでなく、大原の入門生も注意すべき点です。つまり、大原の入門生は、入門生としてのカリキュラムからドロップアウトしてしまえば、不完全な実力(わかっていない人)のまま、翌年以降は上級生としての不完全なカリキュラム(わかっている人を前提としたカリキュラム)を永遠に受講させられることになってしまいます。
3 科目別戦略
(1) 企業法・民法・租税理論-民法の方法論を応用する
企業法は、答案構成の骨格を覚えることが重要だと思います。中身は二の次です。中身が多少まずくても「減点」ですみますが、骨格ができていなければ、配点のある部分について「減点」どころか「零点」になってしまいます。特に、適切な場合分けを要する問題では要注意です。
民法は、事案を把握して当事者の法律関係を分析し、条文に当てはめ、条文で解決できなかったら論点で論証(反対説、しかし批判、そもそも趣旨、従って自説。)を行い、問題文の指示に従って常識的な解決をするだけだと思います。そして、その事案解決の流れが、答案構成の骨格になります。
そして、この民法のやりかたは、租税法の事例問題にも応用できます(課税庁の見解、しかし批判、そもそも趣旨、従って納税者側の見解。)。もちろん、課税庁が有利な見解になっても、判例の結論に賛成しても反対してもどっちでもいいと思います。
なお、企業法で事例問題が出題された場合にも同じように応用できます。試験委員は、事例を出せば差がつくと言うことに気づき始めたようなので、民法のようなノリで企業法の答案を書かなければならないことになるかもしれません。
(2) 会計学、監査論―短答で頑張る。
このあたりの科目について、私には語る資格はありません。短答で可能な限り貯金をして、余力でいきましょう。せっかく配布される法令基準集と、問題文をフルに活用しましょう。
しかし、あまりにも法令基準集に頼りすぎるのも禁物です。意見書の内容や結論の背景、監査基準など、見なくても書くべきものについては、書けないとかなり低い評価になってしまいます。
あと、私は結果的には会計学でc評価を獲得できたのですが、会計学でc評価以上をとれるとかなり有利だと思います。ここからは推測でしかないのですが、①会計学がc、または②複数科目合格であれば、他にアシきり科目がない限りほぼ合格するような気がします。
なお、個人的な感想としては、インターンで行われるようなグループワークのケーススタディがとても勉強になると思いますが、リクルートの一環や内定承諾者対象として行われているため、残念なことに短答免除者しか参加できません。
私自身は、短答に合格していない人にも、こういうケーススタディへの参加を認めるべきだと思うので、いろいろなところで、「短答に合格していない人にも参加を認めるべきだ」ということを強く主張しています。
(3) ミスを気にしない
これも、科目別の対策とは関係ありませんが、私は、ミスノートを作ったりはしませんでした。ミスノートを作ってそのつど反省したとしても、新たなミスをしてしまうため、結局ミスを防ぐことはできないからです。また、ミスノートが増えすぎると、どれが大事なミスなのかよくわからなくなり、かえって注意力が散漫になってしまいます。
そもそも、なぜケアレスミスをしてはいけないのでしょうか? それは、ケアレスミスをすることによって、合格ラインを割り込むことがあるからなのです。そうだとすれば、ケアレスミスを防ぐという不可能なことに挑戦することよりも、ミスをしても合格ラインを割り込まない実力をつけることのほうが、実行可能であるし、よほど有意義だと思います。
そして、ミスをしてもいいんだというように気楽に構えていれば、結局のところは安心することができるため、ミスが減るように思います。
ただ、絶対にしてはならないミスはもちろんあります。それは、「受験番号に関するもの」と「答案用紙の取り違えに関するもの」です。受験番号に関しては、書かなければ0点です。また、答案用紙に関しては、ほとんどの科目ではありえないことだと思いますが、民法の場合は、同じような答案用紙が4枚なので、きちんと確認しなければミスしてしまいます。企業法についても、小問数が同じ場合は、取り違えの危険は十分にあります。この2つのミスに関しては、最大の注意を払ってください。
4 重要な注意点
私は、短答に関しては、上位合格することを常に意識していたのですが、論文に関しては上位合格をあまり意識してきませんでした。実際、当時の学習記録を見返しても、論文の上位合格を意識した記述は見当たりません。
もちろん、短答前であれば、短答合格に必死だったこともあって、論文の上位合格を考える余裕がなかったせいかもしれませんが、短答後も、監査法人の説明会で短答免除者のお話をきいていたためか、短答合格だけで就職できて、仕事をしながら合格して、実務補習所の短縮制度を利用すれば、修了試験・公認会計士登録のタイミングは遅れないと考えていました。
しかし、当時の私のような考え方は、絶対にしないでください。
第一に、2009年以降、短答免除だけで本当に就職できるかどうかはわからないからです。TACキャリアサポートセンターによると、短答免除による就職(合格を条件としない内定)は、全答練超上位者に対するオマケのようなものらしいです。
第二に、仮に就職できたとしても、補習所は2年目に通うことになりますが、2年目の監査業務の質・量を考えると、補習所の1年目と両立できるかどうかがわからないからです。おそらく、補習所の1年目と監査法人の1年目の業務との両立は考慮されているとは思いますが、監査法人の2年目との両立には配慮されていないと思います。
第三に、試験にケアレスミスやド忘れはつきものだからです。前述の「ミスを気にしない」というのも、ミスをカバーできるだけの実力があることが大前提です。また、私の監査論のド忘れも、それさえなければ、総合得点率は54ほどになり、1500位~2000位で合格できたことになります。あのド忘れで1000人~1700人に抜かれてしまったことになるわけですから、本当に恐ろしいというしかありません。
たまたま運よく、ド忘れで1000人以上に抜かれても生き残ることができましたが、私の最も反省しなければならない点を挙げるとすれば、当時の甘い考え方だと思います。
▼ 2008/12/06(土) (合格体験記)その他
第五 その他
1 不特定多数人とのコミュニケーション
(1) ネット上の情報収集・情報提供
正直なところ、インターネットは、毒にも薬にもなります。実際、私は、幸運なことにブログを書く機会を与えられ、月、週、日ごとに計画を立て、学習報告を行うことによりモチベーションを高めてきました。そして、他の受験生ブログを見て、励みにして勉強を続けてきたこともあります。
しかし、必要以上のコミュニケーションは、かえって勉強の妨げになると思いました。特に、掲示板については要注意です。あまりにも当然のことですが、ネットで情報を提供したところで、ほとんどの場合、何のメリットもありません。また、ネットでしか収集できない情報で、しかも、真偽が保証できないような無責任な情報で、合否の差がつくとはとても思えません。
また、双方向的なコミュニケーションでも同じことです。質問をしてみたところで、普通は相手が何者かわかりませんし、返事をもらえるかどうかもわからないし、返事をもらえたとしてもその内容が適切なものかどうかもわかりません。また、こちらの発言を相手方がどのようにうけとめるのかもわからないし、そんなどうでもいいようなことを気にしていたらキリがありませんし、勉強に支障が出ます。
さらに、ネットに四六時中張り付いている人がいるのも問題です。普通の受験生であれば、ネットを見る時間は限られているとは思いますが、午前3時や午後4時に、含蓄のある文章を書き込めるような人にはちょっとかないません。
もちろん、自己責任と言えば自己責任ですが、過剰なコミュニケーションには注意すべきでしょう。
(2) ヤフーオークション
ヤフーオークションも、過年度の中古品や販売されていないもの、特に過年度の解答速報や全答練・公開模試を入手するのにとても役立ちました。また、いらなくなった過年度テキストを処分するのにもとても役立ちました。捨てたり、ブックオフに持っていくくらいなら、ヤフーオークションで売ったほうが双方の利益になります。TACの株主優待券もヤフーオークションを使えばちょうどよい値段で入手することができます。
しかし、ここでも問題があります。それは、不特定多数人と取引しなければならず、しかも、相手方が必ずしも通常の受験生であるとは限らないということです。ほとんどの場合は、正常に取引が進みますが、ごくまれなこととはいえ、厄介な相手に落札されたら最悪です。実際にあったことですが、表紙カバーの「裏」に少し埃がついていただけで本気でクレームをつけてくる人もいたり、中古品と明示してあるにもかかわらずプチプチ梱包つきの新品でないことを理由にクレームをつけてくる人もいます。「普通の受験生でない人」もオークションに参加してしまっているので、いろいろ予期せぬことはつきものです。
しかも、ヤフー側は、利用規約やガイドラインに反しない限り、落札者・出品者間の取引から生じたトラブルには関与しないという姿勢をとっているので、非常に厄介です。
結論としては、いろいろ厄介な問題が起こっても、「普通の受験生ではない人」は何の被害もありませんが、こっちは受験勉強を邪魔されるという重大な被害を受けることになります。試験直前期にはヤフーオークションをしないほうが無難だと思います。
(3) 受験仲間
もし、公認会計士試験の制度がさらに改善され、TACや大原の受講生の80%以上が一発合格するような試験になったのであれば、周囲の受験生と仲良く、楽しく勉強することこそ、合格への王道だと思います。
しかし、現状では、まだまだ、多数派が合格するような試験とはいえません。また、受験生の能力やモチベーションもいろいろあります。受験を辞めても生活していける人もいる一方で、合格しなければ人生がない人もいます。そういう状況の違う人が仲間になってしまえば、両者ともに不幸になってしまいます。また、受験仲間を作ってしまうと、いろいろと他の受験生に気を遣わなければなくなり、面倒です。
また、当然のことですが、受験仲間は、通常は優秀な順に合格して抜けていきます。そうなると、予備校に残っている受験仲間は「負け残り」であり、情報の質が下がっていくことになります。そして、結果的に、周囲の受験仲間からの質の低い情報のせいで、合格できないことになりかねません。
従って、受験仲間は、原則として必要ないと思います。コミュニケーション能力以上に、試験に合格するための「栄光ある孤立」のほうがよっぽど大切です。
ただ、例外はあります。優秀な受験生同士や、モチベーションの高い受験生同士であれば、相互に有意義な情報を交換し合って、お互いを高めることができます。また、受験生同士で、学習した内容について話し合ったり、質問したりすれば、質問するほうもされるほうも双方にとって理解が深まるというメリットがあります。
特に、TACの短い期間の入門生であれば、無職で、退路を断ってしまい、どんなことがあっても合格しなければならない人たちが多いので、モチベーションは非常に高いと思いました。1年目のTACの受験仲間には本当にお世話になりました。
2 携帯電話
私は、受験期間中、意識的に携帯電話は持たないようにしていました。
実は、携帯電話は、意外と時間を喰います。携帯から匿名掲示板に接続してしまうと、本当にあっという間に時間が過ぎてしまいますが、そのほかにも、いろいろとメールが来ます。もちろん、友人からのメールが来ることもあれば、大事なメールが来ることもあります。しかし、たいていのメールの返信は、即座にしなくても、勉強が終わってから、夜に返信しても遅くないものばかりです。受験生としては、勉強することが最優先なのであり、それ以上に優先すべき用事はないはずです。
他にも、ジャンクメールが携帯に来ることもありますが、いちいち着信に気づいて消去している時間がもったいないです。予備校に持ってこなければ、ジャンクメールに気づくこともないですし、いちいち消す必要もありません。
3 地方受験について
私は、たまたま、試験会場に恵まれました。だからといって、むやみに地方受験を勧めることはできません。それは、人それぞれ、最適な環境や必要なものが異なるからです。例えば、ホテルで寝れないような人が、地方受験をすれば最悪の結果になることは明らかです。
もし、地方受験をしたければ、地方の財務局や、試験会場になったことがある場所に直接問い合わせてみましょう。ネットで様子や周囲の環境を調べてみるのも当然です。また、TACや大原は、地方にも校舎を持っています。受験地のTACや大原に、試験直前の自習室状況や、その他テキストを貸してもらえるのかなど、詳細を問い合わせてみましょう。
そして、最も重要なことは、自分で実際に現地を訪れて(金・土・日に)、自分にとって最適な環境なのか、必要なもの・店が揃っているのかなど、自分の目で確かめてみてください。「行ったことがある」という程度ではダメです。あるはずの店が急になくなってしまうこともよくありますから。
私は、ブログでは、「受験案内には住所の近くで受けなさいとかTAC・大原が配布する願書を提出しなさいとは書いていない。」と書きました。しかし、実際に現地を訪れて下見をできないのであれば、地方で受験するのは、非常に危険だと思います。そのあたりを考慮の上、地方受験をしていただきたいと思います。
なお、願書は財務局ごとに異なります。したがって、地方受験をする場合は、TAC・大原で配布される願書をつかうことはできません。自分で切手を貼った返信用封筒を送って、直接願書を取り寄せることになります。
1 不特定多数人とのコミュニケーション
(1) ネット上の情報収集・情報提供
正直なところ、インターネットは、毒にも薬にもなります。実際、私は、幸運なことにブログを書く機会を与えられ、月、週、日ごとに計画を立て、学習報告を行うことによりモチベーションを高めてきました。そして、他の受験生ブログを見て、励みにして勉強を続けてきたこともあります。
しかし、必要以上のコミュニケーションは、かえって勉強の妨げになると思いました。特に、掲示板については要注意です。あまりにも当然のことですが、ネットで情報を提供したところで、ほとんどの場合、何のメリットもありません。また、ネットでしか収集できない情報で、しかも、真偽が保証できないような無責任な情報で、合否の差がつくとはとても思えません。
また、双方向的なコミュニケーションでも同じことです。質問をしてみたところで、普通は相手が何者かわかりませんし、返事をもらえるかどうかもわからないし、返事をもらえたとしてもその内容が適切なものかどうかもわかりません。また、こちらの発言を相手方がどのようにうけとめるのかもわからないし、そんなどうでもいいようなことを気にしていたらキリがありませんし、勉強に支障が出ます。
さらに、ネットに四六時中張り付いている人がいるのも問題です。普通の受験生であれば、ネットを見る時間は限られているとは思いますが、午前3時や午後4時に、含蓄のある文章を書き込めるような人にはちょっとかないません。
もちろん、自己責任と言えば自己責任ですが、過剰なコミュニケーションには注意すべきでしょう。
(2) ヤフーオークション
ヤフーオークションも、過年度の中古品や販売されていないもの、特に過年度の解答速報や全答練・公開模試を入手するのにとても役立ちました。また、いらなくなった過年度テキストを処分するのにもとても役立ちました。捨てたり、ブックオフに持っていくくらいなら、ヤフーオークションで売ったほうが双方の利益になります。TACの株主優待券もヤフーオークションを使えばちょうどよい値段で入手することができます。
しかし、ここでも問題があります。それは、不特定多数人と取引しなければならず、しかも、相手方が必ずしも通常の受験生であるとは限らないということです。ほとんどの場合は、正常に取引が進みますが、ごくまれなこととはいえ、厄介な相手に落札されたら最悪です。実際にあったことですが、表紙カバーの「裏」に少し埃がついていただけで本気でクレームをつけてくる人もいたり、中古品と明示してあるにもかかわらずプチプチ梱包つきの新品でないことを理由にクレームをつけてくる人もいます。「普通の受験生でない人」もオークションに参加してしまっているので、いろいろ予期せぬことはつきものです。
しかも、ヤフー側は、利用規約やガイドラインに反しない限り、落札者・出品者間の取引から生じたトラブルには関与しないという姿勢をとっているので、非常に厄介です。
結論としては、いろいろ厄介な問題が起こっても、「普通の受験生ではない人」は何の被害もありませんが、こっちは受験勉強を邪魔されるという重大な被害を受けることになります。試験直前期にはヤフーオークションをしないほうが無難だと思います。
(3) 受験仲間
もし、公認会計士試験の制度がさらに改善され、TACや大原の受講生の80%以上が一発合格するような試験になったのであれば、周囲の受験生と仲良く、楽しく勉強することこそ、合格への王道だと思います。
しかし、現状では、まだまだ、多数派が合格するような試験とはいえません。また、受験生の能力やモチベーションもいろいろあります。受験を辞めても生活していける人もいる一方で、合格しなければ人生がない人もいます。そういう状況の違う人が仲間になってしまえば、両者ともに不幸になってしまいます。また、受験仲間を作ってしまうと、いろいろと他の受験生に気を遣わなければなくなり、面倒です。
また、当然のことですが、受験仲間は、通常は優秀な順に合格して抜けていきます。そうなると、予備校に残っている受験仲間は「負け残り」であり、情報の質が下がっていくことになります。そして、結果的に、周囲の受験仲間からの質の低い情報のせいで、合格できないことになりかねません。
従って、受験仲間は、原則として必要ないと思います。コミュニケーション能力以上に、試験に合格するための「栄光ある孤立」のほうがよっぽど大切です。
ただ、例外はあります。優秀な受験生同士や、モチベーションの高い受験生同士であれば、相互に有意義な情報を交換し合って、お互いを高めることができます。また、受験生同士で、学習した内容について話し合ったり、質問したりすれば、質問するほうもされるほうも双方にとって理解が深まるというメリットがあります。
特に、TACの短い期間の入門生であれば、無職で、退路を断ってしまい、どんなことがあっても合格しなければならない人たちが多いので、モチベーションは非常に高いと思いました。1年目のTACの受験仲間には本当にお世話になりました。
2 携帯電話
私は、受験期間中、意識的に携帯電話は持たないようにしていました。
実は、携帯電話は、意外と時間を喰います。携帯から匿名掲示板に接続してしまうと、本当にあっという間に時間が過ぎてしまいますが、そのほかにも、いろいろとメールが来ます。もちろん、友人からのメールが来ることもあれば、大事なメールが来ることもあります。しかし、たいていのメールの返信は、即座にしなくても、勉強が終わってから、夜に返信しても遅くないものばかりです。受験生としては、勉強することが最優先なのであり、それ以上に優先すべき用事はないはずです。
他にも、ジャンクメールが携帯に来ることもありますが、いちいち着信に気づいて消去している時間がもったいないです。予備校に持ってこなければ、ジャンクメールに気づくこともないですし、いちいち消す必要もありません。
3 地方受験について
私は、たまたま、試験会場に恵まれました。だからといって、むやみに地方受験を勧めることはできません。それは、人それぞれ、最適な環境や必要なものが異なるからです。例えば、ホテルで寝れないような人が、地方受験をすれば最悪の結果になることは明らかです。
もし、地方受験をしたければ、地方の財務局や、試験会場になったことがある場所に直接問い合わせてみましょう。ネットで様子や周囲の環境を調べてみるのも当然です。また、TACや大原は、地方にも校舎を持っています。受験地のTACや大原に、試験直前の自習室状況や、その他テキストを貸してもらえるのかなど、詳細を問い合わせてみましょう。
そして、最も重要なことは、自分で実際に現地を訪れて(金・土・日に)、自分にとって最適な環境なのか、必要なもの・店が揃っているのかなど、自分の目で確かめてみてください。「行ったことがある」という程度ではダメです。あるはずの店が急になくなってしまうこともよくありますから。
私は、ブログでは、「受験案内には住所の近くで受けなさいとかTAC・大原が配布する願書を提出しなさいとは書いていない。」と書きました。しかし、実際に現地を訪れて下見をできないのであれば、地方で受験するのは、非常に危険だと思います。そのあたりを考慮の上、地方受験をしていただきたいと思います。
なお、願書は財務局ごとに異なります。したがって、地方受験をする場合は、TAC・大原で配布される願書をつかうことはできません。自分で切手を貼った返信用封筒を送って、直接願書を取り寄せることになります。
▼ 2008/12/05(金) (合格体験記)特に良かったと思う講義・教材
第六 特に良かったと思う講義・教材
1 論文過去問・短答過去問
(1) 各予備校の解答速報(TAC・大原・LEC・クレアール・アクセル)
各予備校の解答速報を比較して読むと、一つの問題に対してさまざまなアプローチ・解法を比較できてとても勉強になります。それから、特にTACの場合、各科目の講師と司会の久野元靖の座談会が面白いです。LECは、短答の解答の正確性を売りにしています。クレアールは、2006年までは現試験委員の堀江正之教授が監査論の解答速報を作成していました。
ただし、解答速報の入手方法はヤフーオークションで落札するか、各予備校にお願いしてコピーさせてもらうしか方法はありません。
(2) TAC・大原の過去問集
TACは論文と短答について3年分、大原は短答4年分について過去問題集を出版しています。特に、短答については正答率表・得点分布表もあったりしてデータが充実しています。ただ、ホンネを言えば、合格者と不合格者を分けて正答率データを作って欲しいです。そうすれば、差がつく問題と差がつかない問題も明らかになります。
しかし、いずれの過去問集も収録量が少なすぎます。2005年以前はTACは5年分の過去問集を出版していました。TACで入手できるかどうかは不明ですが、TACで入手できなければamazonのマーケットプレイスで探し、それでも見つからなければ、国立国会図書館でコピーしましょう。
2 財務(簿記)
①TACの上級の問題集
たったの2冊で、基礎マスターから上級まで取り扱う論点を網羅しています。とても素晴らしい問題集です。私は、すべて仕訳を書いていたので、大原の解説よりもTACの解説のほうが、理解しやすかったです。
②TAC市橋先生・池上先生のレジュメ
テキストの内容について実務指針の条文を挙げて解説したレジュメでした。計算のみならず、理論にも役立ちました。設例は「テキスト参照」ではなく、きちんとレジュメに載せて、テキストいらずにして欲しかったです。
③ReView簿記(TAC)
TACの基礎マスターの総復習講座です。基礎マスターのテキストの内容がコンパクトにまとめられ、しかも、短答の過去問も収録されているため、短答対策にも役立つようになっています。いろいろな講師の講義を聴くこともできて、とてもよかったです。
3 財務(理論)
①論文総まとめテキスト(大原)
上級答練、応用答練の全問題と、過年度答練の中でも出題可能性の高いものを収録したテキストです。レジュメもとても整理されていて、わかりやすかったです。
②新井先生のレジュメ・答練解説(大原)
考え方の対立する点を、うまく表でまとめたレジュメです。分量も適度で、本当にテキストいらずです。答練の解説も、受講生のレベルに合わせたものでとてもわかりやすかったです。論文総まとめテキストには直対答練が収録されていないので、答練と併用でかなりの部分を網羅できます。
③塚本先生の直前期のレジュメ(TAC)
レギュラー講義のレジュメは、非常に分量が多く、持ち運びが非常に不便でしたが、短答・論文とも直前期については、過去問を分析した、簡潔なレジュメを配布していました。
④石井和人先生の非常識合格法問題集
50問ほどの問題集ですが、キーワードが太字になっており、キーワードを意識して読むことができました。また、石井和人先生の採点経験・指導経験に基づくコメントがとても的確で、どこで差がつくのかもよくわかりました。
4 管理
①藤木先生のレジュメ(TAC)
計算・理論とも、ファイル一冊に入るように過不足なくうまくまとめられたレジュメです。試験委員の文献や、過去問も収録されています。直前期にはアクセスの理論回答例もついてきます。とてもよいレジュメでした。
②日商1級のテキスト(ネットスクール)
受講前の予習に最適のテキストだと思いました。2級の知識を1級に応用させることを意識して書かれています。
5 監査
①成瀬先生の講義(TAC)
話がわかりやすいだけでなく、常に実務をイメージした講義でした。たとえ話もとても的確でした。無料公開講義は、是非おすすめです。租税の理論講義も、わかりやすかったです。
②南先生のレジュメ(TAC)
委員会報告書の内容を、各号ごとに原則として1枚のレジュメにまとめています。もちろん、分量の多いモノについては2枚のこともあります。成瀬先生の講義を聴いていても、受付に言えば、南先生のレジュメをコピーさせてもらえます。
③論文総まとめテキスト(大原)
普段のテキストの内容を簡潔にしたものと、上級答練・応用答練の解答例を収録したテキストです。短時間で見直すのにとても役立ちました。
④監査基準ハンドブック(LEC)
TAC・大原でいう「資料集」のことです。内容はTAC・大原と同じですが、サイズが小さい(ポケットコンパスと同じサイズ)ので持ち運びに便利でした。TAC・大原も、資料集のサイズを小さくして欲しいです。
6 企業法
①論文総まとめテキスト(大原)
講義テキスト附属の問題と解答例、上級答練・応用答練の解答例を収録したテキストです。普通の解答例ですが、講義による補充がとても良かったです。
②阿部太朗先生レジュメ・答練解説(TAC)
答案がとても簡潔です。私は、答案が長くなるタイプなので、阿部太朗先生の答案を目標にしていました。方法論や精神論的な部分についても、ほとんど共感できます。
7 租税法
①論文総まとめテキスト(大原)
短時間で回せそうな量の計算問題と別表四・別表一を意識した計算のまとめがとても良かったです。理論の論証例も直前に見直すには最適な分量でした。
②ポケットコンパス(大原)
サイズが小さいので、いつも持ち運べて便利でした。しかも、内容はきちんと網羅されており、とても充実しています。
③藤木先生のレジュメ(TAC)
ポケットコンパスのTAC版という雰囲気です。ポケットコンパスに比べると例題が掲載されているぶん、分量が多くなっています。
④理論対策テキスト(LEC)
論文試験に必要な判例について、事案と判旨、必要に応じて若干の解説や論証が掲載されていました。
8 民法
①宮内先生のテキスト(TAC)
図解も豊富でわかりやすい、レジュメのようなテキストです。財産法学習に必要な親族相続の知識も的確な場所に書かれており、とても良いテキストだと思います。過去問がきちんと掲載されていないのが欠点です(論点名だけでは意味がない)。
②事例演習(大原)
論点以前の条文知識の事例から、答練で出題されたと思われる事例まで収録した問題集です。過去問の解答例も全問収録されています。事例から考える素材としてとても良いテキストだと思います。
③論文総まとめテキスト(LEC)
全論点の簡潔な論証をまとめた非常に薄いテキストです。典型論点だけでなく、最新判例も網羅されています。論証がとても簡潔です。本当に短時間で見直せます。
④旧司法試験過去問(昭和38年~平成20年)
学者・実務家が合議の上で作った最高の良問です。公認会計士試験の試験委員も、もちろん司法試験の問題くらいはチェックしています。公認会計士試験よりも早くから出題の趣旨を公表しており(平成14年から)、事案分析の仕方を学ぶには最高の素材です。
9 短答対策
一問一答問題集(LEC)
大原の肢別チェックを小さくしたものです。ポケットコンパスのサイズです。財務・企業・監査は1000個の肢が収録されています。大原の肢別チェックもポケットコンパスサイズにしてくれるとありがたいのですが。
10 他の資格試験
(1) 日商簿記検定・全経簿記検定
日商2級は、受講前の独学に最適だと思います。
日商1級も受講前の独学に使えますが、受講後は満点を目指すべきでしょう(現実的には非常に難しいですが。)。全経上級も、日商1級とほぼ同レベルです。なお、日商1級・全経上級合格は、税理士試験の受験資格の一つとされています。
(2) 税務会計検定
マイナーですが、法人税・消費税・所得税について実施されますので、公認会計士試験受験生のための検定試験だと思います。内容自体はそれほど難しくなく、入門期の租税法のモチベーションアップに最適だと思います。公式問題集も英光社から販売されています。私は、3科目とも1級合格しています。全国経理学校協会の試験であり、合格証書には、森喜朗(名誉会長)と麻生太郎(会長)の名前が書かれてあります。
(3) 税理士試験
簿記論・財務諸表論については、かなりメジャーです。大原は、会計士試験受験生のための簿財講座まで用意しています。しかし、短答の一部免除のために受験するのはあまり意味がないと思います。とても良い問題が出題されていると思います。法人税・消費税・所得税も、問題を解くこと自体はとても勉強になるのですが、難しいです。論文の2週間くらい前に行われるため、日程的に厳しいです。
1 論文過去問・短答過去問
(1) 各予備校の解答速報(TAC・大原・LEC・クレアール・アクセル)
各予備校の解答速報を比較して読むと、一つの問題に対してさまざまなアプローチ・解法を比較できてとても勉強になります。それから、特にTACの場合、各科目の講師と司会の久野元靖の座談会が面白いです。LECは、短答の解答の正確性を売りにしています。クレアールは、2006年までは現試験委員の堀江正之教授が監査論の解答速報を作成していました。
ただし、解答速報の入手方法はヤフーオークションで落札するか、各予備校にお願いしてコピーさせてもらうしか方法はありません。
(2) TAC・大原の過去問集
TACは論文と短答について3年分、大原は短答4年分について過去問題集を出版しています。特に、短答については正答率表・得点分布表もあったりしてデータが充実しています。ただ、ホンネを言えば、合格者と不合格者を分けて正答率データを作って欲しいです。そうすれば、差がつく問題と差がつかない問題も明らかになります。
しかし、いずれの過去問集も収録量が少なすぎます。2005年以前はTACは5年分の過去問集を出版していました。TACで入手できるかどうかは不明ですが、TACで入手できなければamazonのマーケットプレイスで探し、それでも見つからなければ、国立国会図書館でコピーしましょう。
2 財務(簿記)
①TACの上級の問題集
たったの2冊で、基礎マスターから上級まで取り扱う論点を網羅しています。とても素晴らしい問題集です。私は、すべて仕訳を書いていたので、大原の解説よりもTACの解説のほうが、理解しやすかったです。
②TAC市橋先生・池上先生のレジュメ
テキストの内容について実務指針の条文を挙げて解説したレジュメでした。計算のみならず、理論にも役立ちました。設例は「テキスト参照」ではなく、きちんとレジュメに載せて、テキストいらずにして欲しかったです。
③ReView簿記(TAC)
TACの基礎マスターの総復習講座です。基礎マスターのテキストの内容がコンパクトにまとめられ、しかも、短答の過去問も収録されているため、短答対策にも役立つようになっています。いろいろな講師の講義を聴くこともできて、とてもよかったです。
3 財務(理論)
①論文総まとめテキスト(大原)
上級答練、応用答練の全問題と、過年度答練の中でも出題可能性の高いものを収録したテキストです。レジュメもとても整理されていて、わかりやすかったです。
②新井先生のレジュメ・答練解説(大原)
考え方の対立する点を、うまく表でまとめたレジュメです。分量も適度で、本当にテキストいらずです。答練の解説も、受講生のレベルに合わせたものでとてもわかりやすかったです。論文総まとめテキストには直対答練が収録されていないので、答練と併用でかなりの部分を網羅できます。
③塚本先生の直前期のレジュメ(TAC)
レギュラー講義のレジュメは、非常に分量が多く、持ち運びが非常に不便でしたが、短答・論文とも直前期については、過去問を分析した、簡潔なレジュメを配布していました。
④石井和人先生の非常識合格法問題集
50問ほどの問題集ですが、キーワードが太字になっており、キーワードを意識して読むことができました。また、石井和人先生の採点経験・指導経験に基づくコメントがとても的確で、どこで差がつくのかもよくわかりました。
4 管理
①藤木先生のレジュメ(TAC)
計算・理論とも、ファイル一冊に入るように過不足なくうまくまとめられたレジュメです。試験委員の文献や、過去問も収録されています。直前期にはアクセスの理論回答例もついてきます。とてもよいレジュメでした。
②日商1級のテキスト(ネットスクール)
受講前の予習に最適のテキストだと思いました。2級の知識を1級に応用させることを意識して書かれています。
5 監査
①成瀬先生の講義(TAC)
話がわかりやすいだけでなく、常に実務をイメージした講義でした。たとえ話もとても的確でした。無料公開講義は、是非おすすめです。租税の理論講義も、わかりやすかったです。
②南先生のレジュメ(TAC)
委員会報告書の内容を、各号ごとに原則として1枚のレジュメにまとめています。もちろん、分量の多いモノについては2枚のこともあります。成瀬先生の講義を聴いていても、受付に言えば、南先生のレジュメをコピーさせてもらえます。
③論文総まとめテキスト(大原)
普段のテキストの内容を簡潔にしたものと、上級答練・応用答練の解答例を収録したテキストです。短時間で見直すのにとても役立ちました。
④監査基準ハンドブック(LEC)
TAC・大原でいう「資料集」のことです。内容はTAC・大原と同じですが、サイズが小さい(ポケットコンパスと同じサイズ)ので持ち運びに便利でした。TAC・大原も、資料集のサイズを小さくして欲しいです。
6 企業法
①論文総まとめテキスト(大原)
講義テキスト附属の問題と解答例、上級答練・応用答練の解答例を収録したテキストです。普通の解答例ですが、講義による補充がとても良かったです。
②阿部太朗先生レジュメ・答練解説(TAC)
答案がとても簡潔です。私は、答案が長くなるタイプなので、阿部太朗先生の答案を目標にしていました。方法論や精神論的な部分についても、ほとんど共感できます。
7 租税法
①論文総まとめテキスト(大原)
短時間で回せそうな量の計算問題と別表四・別表一を意識した計算のまとめがとても良かったです。理論の論証例も直前に見直すには最適な分量でした。
②ポケットコンパス(大原)
サイズが小さいので、いつも持ち運べて便利でした。しかも、内容はきちんと網羅されており、とても充実しています。
③藤木先生のレジュメ(TAC)
ポケットコンパスのTAC版という雰囲気です。ポケットコンパスに比べると例題が掲載されているぶん、分量が多くなっています。
④理論対策テキスト(LEC)
論文試験に必要な判例について、事案と判旨、必要に応じて若干の解説や論証が掲載されていました。
8 民法
①宮内先生のテキスト(TAC)
図解も豊富でわかりやすい、レジュメのようなテキストです。財産法学習に必要な親族相続の知識も的確な場所に書かれており、とても良いテキストだと思います。過去問がきちんと掲載されていないのが欠点です(論点名だけでは意味がない)。
②事例演習(大原)
論点以前の条文知識の事例から、答練で出題されたと思われる事例まで収録した問題集です。過去問の解答例も全問収録されています。事例から考える素材としてとても良いテキストだと思います。
③論文総まとめテキスト(LEC)
全論点の簡潔な論証をまとめた非常に薄いテキストです。典型論点だけでなく、最新判例も網羅されています。論証がとても簡潔です。本当に短時間で見直せます。
④旧司法試験過去問(昭和38年~平成20年)
学者・実務家が合議の上で作った最高の良問です。公認会計士試験の試験委員も、もちろん司法試験の問題くらいはチェックしています。公認会計士試験よりも早くから出題の趣旨を公表しており(平成14年から)、事案分析の仕方を学ぶには最高の素材です。
9 短答対策
一問一答問題集(LEC)
大原の肢別チェックを小さくしたものです。ポケットコンパスのサイズです。財務・企業・監査は1000個の肢が収録されています。大原の肢別チェックもポケットコンパスサイズにしてくれるとありがたいのですが。
10 他の資格試験
(1) 日商簿記検定・全経簿記検定
日商2級は、受講前の独学に最適だと思います。
日商1級も受講前の独学に使えますが、受講後は満点を目指すべきでしょう(現実的には非常に難しいですが。)。全経上級も、日商1級とほぼ同レベルです。なお、日商1級・全経上級合格は、税理士試験の受験資格の一つとされています。
(2) 税務会計検定
マイナーですが、法人税・消費税・所得税について実施されますので、公認会計士試験受験生のための検定試験だと思います。内容自体はそれほど難しくなく、入門期の租税法のモチベーションアップに最適だと思います。公式問題集も英光社から販売されています。私は、3科目とも1級合格しています。全国経理学校協会の試験であり、合格証書には、森喜朗(名誉会長)と麻生太郎(会長)の名前が書かれてあります。
(3) 税理士試験
簿記論・財務諸表論については、かなりメジャーです。大原は、会計士試験受験生のための簿財講座まで用意しています。しかし、短答の一部免除のために受験するのはあまり意味がないと思います。とても良い問題が出題されていると思います。法人税・消費税・所得税も、問題を解くこと自体はとても勉強になるのですが、難しいです。論文の2週間くらい前に行われるため、日程的に厳しいです。
▼ 2008/12/01(月) Bienvenue! -2008年公認会計士試験合格への課題
【月間目標と週間報告】 (毎週日曜日投稿;全38回)
~07年11月 TACでの1年目 短答後の勉強 大原入学後の勉強
12月(4回) 09日、16日、23日、30日
01月(4回) 06日、13日、20日、27日
02月(4回) 03日、10日、17日、24日
03月(5回) 02日、09日、16日、23日、30日
04月(4回) 06日、13日、20日、27日、
05月(4回) 04日、11日、18日、25日
06月(5回) 01日、08日、15日、22日、29日
07月(4回) 06日、13日、20日、27日
08月(4回) 03日、10日、17日、21日
【受験記録】 受験票到着! 短答5月25日、論文8月22日~24日。
2008年短答式 受験記(