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黒猫の公認会計士試験合格ダイアリー

2009/12/13(日) 合格体験記

遅ればせながら合格体験記です。
主に短答後~論文を中心に書いています。

1.はじめに
 わたしは2006年に07目標のTAC生となり、会計士試験の勉強を開始しました。といっても入門期はまじめに勉強せず、上級生になってからもアクセス・答練は受けずに講義だけ消化していました。その状態で短答に太刀打ちできるわけもなく、最初から諦めた状態で受験。企業法・監査論などの理論科目はともかく、簿記のような計算はさっぱりわからず、まったく勝負にならない結果に終わりました。
 そして08目標。TAC上級生となり、アクセス・答練を含めカリキュラムをこなすことを目標としました。しかし前述のように計算がちんぷんかんぷんの状態ですから、その対策をしなければなりません。アクセスにあわせて頑張ってはみるものの、十分な実力を持つにはいたらず。結局この年は、管理会計・企業法・監査論はそれなりに学習が進んだものの、簿財・租税法は苦手のままで短答式試験を受験することになります。結果は64.6%で短答落ち。もちろん実力不足は大いにあったのですが、本試験に対するTACの方針に疑問を抱き、予備校を大原に変えることを決意します。
 以下は三回目の受験となった今年の勉強(特に、論文対策)を中心に記述します。ただし、基本がそれ以前に出来上がった科目(企業法など)については、過去にさかのぼることになります。

2.全体まとめ
【スケジュール】
 まず大まかなスケジュールについて書いていきます。まず年内ですが、主に講義の復習とステップの予習に終始しています。年明けからはステップ・答練対策が中心で短答対策も少しずつ。3月末から短答中心にシフト。公開模試までに一度完成させ、本番までにもう一度仕上げることを目標にしました。短答後~短答合格発表までは民法中心(気が抜けていた時期でした)、短答合格発表後~公開模試までは全般的にやりつつも、民法・租税法中心、公開模試後は全部を可能な限り勉強しました。ちなみに、これは結果的なスケジュールであり、予定より遅れ気味です。短答に関してはやや過剰な対策になった観があり、これでも良かったと思いますが、論文は完全に準備不足。その結果民法の足きりにおびえることになりました。
【大まかな方針】
 短答では、本番が近づくにつれて基本重視の方策を採りましたが、論文においてはそのようにはできませんでした。かといって、枝葉の部分に拘ったわけではありません。答練を中心に問題ばかりに注力してしまったという意味です。これは財務会計・企業法・民法に顕著でした(後に詳しく書きますが、租税法・監査論はテキスト・資料集を重視。今回の合格は、今年の鬼門であったこれらの科目がもたらしてくれたものだと思っています)。
 短答対策に関しては以前の記述を見ていただくことにしますが、ひとつ書き漏らしていたことをここに書いておきます。それは、短答はやはり最優先すべきであるということです。実際、直前のステップ・答練の一部を、わたしは受験していません(その結果の過剰対策ですが)。特に短答を初受験する方で、模試の結果が思わしくない方は、諦める前に全精力を短答に注ぎましょう。仮に失敗してしまっても、来年確実に全科目合格できるだけのアドバンテージが得られるはずです。
 また、本番が近づく前のことですが、短答・論文答練とも、結果は全然気にしませんでした。気にしたのは公開模試の出来くらいです。ちなみにわたしの答練は総合で見ても散々で、短答は7割を超えたことがありませんし、論文でもいいものもあれば悪いものもある、という状態で、とても人様に見せられるものではありませんでした。ただし、短答答練は弱点のあぶり出しという形で活用しましたし、論文答練の成績自体はまったく気にしなかったものの、公開模試は直前に返却された成績でどの程度の手ごたえでどの程度の得点比率が得られるかを何度も確認しました。
 ちなみに、わたしの公開模試の総合得点比率は52を少し超えたくらいであり、大原生であることを考慮しても、実力を出し切れれば本番のボーダーを超えることはできるとの読みがありました。結果を見ると、民法の失敗を公開模試よりも出来が良かった租税・監査で(おそらく)カバーすることができ、ボーダーを越えることができたのだと思います。

3.科目別まとめ(短答終了後~論文、必要に応じてそれ以前)
〈財務会計論(計算)〉
【使用した教材】
 09答練(応用・直前・公開模試)
 テキスト
【方針など】
 まず、計算に関してはあまり重視していませんでした。具体的には「およそ半分超取れ
ればよい」という認識のもと、差をつけられないようにすることを意識して勉強していま
した。
 といっても、短答まででおおよその計算知識は身についており、あとは論文式の計算に
対応するだけです。ということで、論文答練(ただし、応用期以降のもの)の計算部分を適度なスピードで確実に解けることを目標にして解きなおしました。そして、それ以上のことはしていません。
 実は本番で出た連結CFはほぼ未対策。さらには事業分離も手薄という悲惨な状況でした。ですが、なるべく粘り強く解くことを念頭においていましたので、それなりにくらいつくことができました。結局、わたしのような計算が苦手な人間にとって大切なのは、諦めない・捨てないことなのかもしれません。
 なお、短答特化前はステップの対策を中心に計算の勉強をしていました。なお、復習はやったりやらなかったりで、時期によってムラがあります。

〈財務会計論(理論)〉
【使用した教材】
 新井先生レジュメ
【方針など】
 レクチャーおよび答練で配布された新井先生のレジュメを読み込む。これに尽きました。本当に、これ以外はやっていません。ですが、それで十分だった背景には、短答対策あるいはそれ以前の講義の復習段階での会計法規集の学習があります。
 短答前までのわたしの財務会計論(理論)の勉強方法は主に、①新井レジュメの重要部分を覚える②該当部分の会計基準を読む③答練でアウトプットという形でした。②は常にやれていたわけではないものの、3月頃までに一度このような基本固めが出来たことが、本番での対応力になったと思います。

〈管理会計論〉
【使用した教材】
 理論対策テキスト、答練、ステップ
【方針など】
 管理会計論はかなり手を抜いた科目です。TAC時代である程度基礎固めが済んでいましたし、短答で計算自体はある程度完成していたからです。しかし、大原は理論が手薄であり、結果的に理論に対する能力はこの一年で低下したと思います。
 実際の勉強ですが、論文直前は理論のABランク部分をざっと対策テキストで参照し、答練から転記したのと、特に苦手もしくは出そうと思った分野の答練をざっと解いたくらいです。
 ちなみに、TAC時代はアクセス(大原でいうステップ)を中心に学習し、理論はアクセス付属の理論問題集のようなものを覚えていました。それはステップの該当範囲を受ける前に読んだりもしていましたが、最後までは使いませんでした。
 近年の傾向では、まず計算が正確に解けることが最重要だと思います。そのため、計算をなるべくまんべんなく正確に解くということを意識し、理論は何か書ければ恩の字という心構えでした。ただ、理論はもう少し対策すべきでしたし、そのためには大原ではちょっと不安である、というのがわたしの感想です。
 また、ハイテクが中心の上級テキストはしっかり読んでおくべきでした(セル生産方式!)。やはり基本を疎かにしてはいけません。

〈監査論〉
【使用した教材】
 論文まとめテキスト、資料集、答練
【方針など】
 論文まとめテキストをベースに、そこに載っていない論点のみ答練から抽出して転記しました。こうして加工したまとめテキストをざっと読み、特に覚える必要があるところは付箋を貼って繰り返し読みました。
 また、監査基準・四半期レビュー基準等基本的な部分を覚えるように心がけました。この際はボイスレコーダーを使い、散歩をしながら何度も聴くようにしました。
 この他、改正前文など、配布されないところを中心に資料集を読みました(ただし、70号付近はあまり読み込まず)。
 というように、基本的にかなり省エネで勉強していました。結果的には資料集の学習がもっとも成果をあげたと思います。
 ちなみに、監査論の基礎はTAC時代、南先生の講義で身についていると考えます。TACのテキストは監査論を理解するうえでは非常に分かりやすく、あれを読んでいるだけでかなり理解が深まったと感じます。
 また、これは大切なことですが、最終的にわたしの監査論の学習の中心は監査基準にありました。つまり、監査基準を大きな幹として、そこに諸々の論点がつながっていくようなイメージです。なぜなら、監査基準を通して、監査の開始から報告に至る流れが分かりますし、そもそもの監査人の要件やGC前提に関わる問題など、あらゆる監査論上の論点が確認できるからです。そのため、監査基準は何度も読み、覚えるように努めたわけです。監査論学習の上でも、見通しがよくなること請け合いですから、是非監査基準は暗記、もしくは常に読み返すようにされるのが良いと思います。

〈企業法〉
【使用した教材】
 論文まとめテキスト
【方針など】
 ひたすら論証例の確認。部分的に、自分の言い回しで書き直したものを使用。結果的にはやや失敗かと思います。ちなみに、暗記にはボイスレコーダーを使用して繰り返し聴くようにしていました。
 ではなぜ失敗か。挙げるとすれば、①答案作成能力が低下する②非定型的な問題への対応力が低下する、という問題が生じました。しかしこればっかりは仕方なくもあるのですが・・・。今年の第一問は確かに典型的な問題ですが、論点としては通常の倍詰め込まれています。また、第二問などは論文問題として出てくるという想定すらしない部分。こういったものに対応する能力は、暗記だけでは養えません。これらについては、初見の答練を別にすればテキストを通読するといった部分で対応していくほかないかもしれません、
 さて、企業法もTAC時代に基礎が出来上がっていました。TAC時代は、ともかく阿部レジュメを徹底的にやる(特に、レジュメに載っている回答例を中心に)、そして答練を解く、というサイクルでした。ここで、徹底的に、というのがミソで、文と文のつながりなどをかなり細微に見ていました。企業法はTAC時代の貯金と、あとは暗記のし直しで本番まで持っていった部分が大きいように思います。特に、今年の第二問のようなまったく未経験の問題への対応力という点ではかなり鍛えられたという実感があり、そういった面では純粋な大原生よりも優位に立てたのではないでしょうか。

〈租税法〉
【使用した教材】
 テキスト、論文まとめテキスト、答練
【方針など】
 まず、短答特化前までですが、ステップの範囲に合わせてテキストと問題集を行き来し、ポケットコンパスにまとめるという作業をしていました。ただしこれは法人税・消費税の話でして、所得税はかなり手薄であり、ろくに学習せず。
 短答後からは、まず「理論対策テキスト」を中心に勉強したのですが、結果的には無駄でした。これよりさらに良くまとまっている「論文まとめテキスト」を理論の中心に据えたのが確か公開模試の一週間ほど前、それ以降理論は論文まとめテキストと答練の理論部分のみで対策しました。ちなみに、覚えるべきところはボイスレコーダーを使用しました。
 計算ですが、論文まとめテキストの計算部分をやり、苦手なところはテキスト、大事そうなところはさらに問題集、という流れでやりました。もともとテキストベースの学習をしていましたから、繰り返し触れたテキストが一番効果的だったように思います。ステップは解きなおしせず、答練で解きなおしたのは消費税のみ。消費税についは、答練の問題を完璧にするように心がけ、それ以上はやりませんでした。
 結果的には理論がかなり引っ張ってくれたように思います。消費税は散々でしたし……。大原生の方は、理論については論文まとめテキストと答練の復習で十分なはずです。計算はやはり積み重ねだと思いますので、普段からテキストと問題集を大切にすべきでしょう。

〈民法〉
【使用した教材】
 テキスト、論文まとめテキスト、答練、問題集
【方針など】
 論文まとめテキスト、答練の暗記。特に、A・Bランクの論点を中心に。
 こういった対策になってしまったのは、それまでの学習が不十分であり、時間が足らなかったからです。短答後一ヶ月くらいは、問題集の問題をいちいちさらって自分の答案を作成していたのですが、これがあまりに不能率。結局時間を惜しんで答練中心となりました。
 結果は大失敗です。
 特にアドバイスできることはありませんが、ひとつ言うならば基本を大切に。これに尽きると思います。

4.終わりに
 以上、ざっとですがわたしの勉強を記しました。短答については、短答についてのまとめhttp://www.cpa-lab.com/shougakusei/2009/cpa4/031を参照してください。また、ご質問等あれば、コメント欄で対応いたします。
 冒頭にも書きましたが、わたしは答練の成績だけ見れば決して優秀なほうではありません。ですが、結果的にはこうして合格することができました。これは、基礎を重視し、原典を大切にした結果であると受け止めています。難しいことなど、できなくてもよいのです。
 最後に・・・。どなたの目にも明らかでしょうが、入門期を疎かにしたことがわたしの最大の失敗です。これがなければ、あと一年合格は早まっていたかもしれません。ですから、今入門期にある方、これから始めようという方は、入門期に一番がんばるべきです。そうやって基礎が出来上がれば、その後の学習はスムーズになるはずです。逆に、入門期を疎かにしてしまった方は、欲張らないで、テキストやレジュメを中心に学習してください。そうやって基礎を作り直せば、きっと成績は上昇するはずです。
 来年の合格を目指す方。何度失敗しても、次のチャレンジでは皆横一列です。短答免除も科目免除も、短答からの人も、実はそんなに大差はないのです。経験こそ差はつきますが、直前に出来る量も覚えていられる量も、そんなに多くはないのですから。一発合格者が出る一方で、免除がありながら涙を呑む人もいます。近年の非暗記型の問題傾向では、受験回数による差がつきにくいのだと思います。逆に言えば、これまでどれだけ失敗を重ねてきても、次は合格できるかもしれない、ということでもあります。わたしは二度短答に落ちていますし、会計士受験生の中では決して優秀でないと断言できますが、こうして合格にたどり着けました。同じように、どなたにも、次の試験での合格のチャンスがあるのです。
 また、就職難のため合格してもなお苦しい思いをされている方も大勢いらっしゃるのは周知のとおりです。本当に理不尽なことです。わたしなどがこのようなことを書くのはおこがましいですが、一緒に受験した仲間として、一日も早く納得の行く進路を勝ち取られることを願っています。

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